【完結(続編)ほかに相手がいるのに】

もえこ

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~拓海~

未来

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あり得ない…男と男で付き合う…
そんなことがあってたまるかと思うのに、瑠衣はなんでこんなことを何度も…?

「あのね…私、知ってるの…ノンケだったのに…相手のアタックに負けてそっちに行っちゃった男友達…」

「はあ… え…?」

「もともと、ゲイだからとか…そううことじゃなくても…拓海君みたいに女の子としか付き合ったことがなくても…あるんだよ、イイ男にグイグイ押されて、ほだされることが…」

「いやいや、ないない…あるわけな」

「あるの!!もう!!拓海君ってホントヤバい…。」

「はあ…?」

何がヤバいのか、さっきからもう長いこと、瑠衣の言っている意味がわからない…。

「…その無自覚なとこ…ほんと、ヤバいって…男らしくて…背も高くて顔もメッチャカッコいいのに…どっか抜けてるとこ…可愛いって思っちゃう男がいるんだよ…やだ~なんか想像するだけで腹立ってきた…もう私、行っちゃおうかな…拓海君の会社…んでそのイケオジに、真正面から宣戦布告しようかな…。」

「… 馬鹿… 冗談よせ…瑠衣… 」

そんなことをされたらとんでもないことになる…。

きっと、原田も混じって…面白おかしく俺らの行動に注目するだろう…。

下手をしたら、妙な噂が立って、クビになりかねない…。

「… 絶対に、やめてくれ… 」悪い想像に眩暈がしそうだ…
まだ、本当は全然吹っ切れていない葉月のことが、どんどんど頭の隅に追いやられていく気がするほどだ…。

「…とにかく、拓海君は葉月ちゃんには完全にフラれた…別れた。今はフリーだけど半分は…ううん、8割位は私の物。」

「…瑠衣…傷口に、塩を塗るな……ってか、8割…?」

「そう…身体は全部私の物にする…心の方がまだだから…8割…でも、私の方が現状、断然勝ってるよね…」

「… … … 」うんともすんとも言うことが出来ない…。

「とにかく、しっかりしてね拓海君…その男の前では毅然とした態度取ってね…飲み会で酔っぱらったら、完全に終わりだと思って。」

終わり…それはどういう意味だと聞きたくなるが、怖いのでやめておく。

「… ああ …わかった、気を付ける…。」

「さ~って…なんだか面白くなってきたぞう…!とにかくこれからもよろしくね拓海君!あっ…もう、1時過ぎてる…明日仕事だし…寝よう寝よう拓海君。」

もぞもぞと、猫のように俺の胸の上に小さな頭を乗せてくる瑠衣…。
髪が触れて、少しくすぐったい…。

「おやすみ、拓海君。」

「ああ…おやすみ、瑠衣」

なんだかわけがわからないが…
瑠衣のおかげで、葉月のことを考える時間が減ってしまっているのは確かだ…

いつか…俺の未来に…
 
俺の未来。

葉月のことを吹っ切って、俺の隣にいるのは今、隣にいる瑠衣か… もしくは…

いやいや、あれは、あり得ない…  

     俺はクスリと笑って、

           ゆっくりと目を閉じた…。





                     ~fin~












 
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