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~拓海~
時間
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ああ…
俺は、間違いなく…瑠衣の気持ちと、その身体を…利用したのだ。
「… 拓海君… お水… 」
気付けば、瑠衣がコップの水を俺の前にかかげていた。
「あ… さん、きゅー 」コップを受け取り、一気に喉に流し込むと、ゴホゴホとむせた。
「あーぁ~ 拓海君…なんか、そんなむせちゃって…おじいちゃんみたい… ふふ…」
「げほっ… おじいちゃんって…なんか、ひどいな…」
「ウフフ…うそうそ… おじいちゃんなら、あんな…激しいエッチ、できないようっ…!ふふ…」
「う、げほっ…馬鹿っ…何、言ってっ… ごほ…。」
「だって…事実じゃん…あんなに激しくされたの、…瑠衣、初めてだよ…なんか、プレイみたいな…」
「… 瑠衣… ごめん… 俺さ… あの…まだ…」おまえのこと、本当の意味で好きじゃない…
「ストップ…だからさ、いいんだって…わかってる…拓海君…。瑠衣は「代わり」でいい…葉月ちゃんの代わりでいいの…それでも拓海君とくっつきたいの…エッチしたい…ただ、それだけ。これは私の意志…私の希望だから、拓海君がどう思ってるとか関係ない…ただ、言いたかっただけ。私は拓海君の身体だけじゃなくて…その、心も…好きだよってこと。私は拓海君が好き…だからさ、あんま深く考えないで欲しい。」
「… わ…わかった…。」
「でも!もし瑠衣に…ほんの少しでも、拓海君の気持ちがうつったら、教えてよ…?絶対だからね…その時は私、晴れて拓海君と恋人同士だからね…?」
「… ん… ああ… 」
こんな、俺にとって…いや、男にとって…都合のいい関係を…瑠衣は維持したいと言っている…。
俺は卑怯だとわかっていながら、そんな曖昧な返事をした…。
「それでさ…拓海君…あのさ…すごく、言いづらいんだけど…言ってもいい?」
「ああ… 何… 」再び、眠気が襲うが、ふわりと返事をする…。
「時間…その…大丈夫なの…?仕事…まだ、…間に合う…?」
「… は… えっ…!?あああっ!!やべーーーー!!」
時計を見る…。
もうすでに8時を過ぎていた…。
今日は火曜日…そうだ、休みなんかではない…
「やっべ…!!な…んでっ、起こしてくれないんだっ…目覚ましは…!?てか、お前は??仕事はっ…???」
質問攻めだが、とにかく時間がない!
「あっ…私は、休みなんだよね…?うふ。」
瑠衣は満面の、余裕の笑みだ…最悪…。
時間にして、もう定時の出勤は、絶対無理だ…
遅刻は免れない…。
ああ…あの男の、笑う顔が…違う、怒る顔が… 目に、浮かぶ…。
俺は慌てて身支度をしながら、瑠衣に声掛けをする。
「おまえさ、家、出てく時、カギは郵便受けに入れといて…もう時間ないわ!行く…!」
「あ、これ…拓海君!お弁当作ったから…持って行って!」
弁当…いつの間に…?
いきなり小さな紙袋を渡され一瞬戸惑うが、俺に断る時間も、拒否権も、ない…。
「わかった!じゃあな!!」
俺は最速のスピードでスーツに着替え、矢のごとく、家を飛び出た。
俺は、間違いなく…瑠衣の気持ちと、その身体を…利用したのだ。
「… 拓海君… お水… 」
気付けば、瑠衣がコップの水を俺の前にかかげていた。
「あ… さん、きゅー 」コップを受け取り、一気に喉に流し込むと、ゴホゴホとむせた。
「あーぁ~ 拓海君…なんか、そんなむせちゃって…おじいちゃんみたい… ふふ…」
「げほっ… おじいちゃんって…なんか、ひどいな…」
「ウフフ…うそうそ… おじいちゃんなら、あんな…激しいエッチ、できないようっ…!ふふ…」
「う、げほっ…馬鹿っ…何、言ってっ… ごほ…。」
「だって…事実じゃん…あんなに激しくされたの、…瑠衣、初めてだよ…なんか、プレイみたいな…」
「… 瑠衣… ごめん… 俺さ… あの…まだ…」おまえのこと、本当の意味で好きじゃない…
「ストップ…だからさ、いいんだって…わかってる…拓海君…。瑠衣は「代わり」でいい…葉月ちゃんの代わりでいいの…それでも拓海君とくっつきたいの…エッチしたい…ただ、それだけ。これは私の意志…私の希望だから、拓海君がどう思ってるとか関係ない…ただ、言いたかっただけ。私は拓海君の身体だけじゃなくて…その、心も…好きだよってこと。私は拓海君が好き…だからさ、あんま深く考えないで欲しい。」
「… わ…わかった…。」
「でも!もし瑠衣に…ほんの少しでも、拓海君の気持ちがうつったら、教えてよ…?絶対だからね…その時は私、晴れて拓海君と恋人同士だからね…?」
「… ん… ああ… 」
こんな、俺にとって…いや、男にとって…都合のいい関係を…瑠衣は維持したいと言っている…。
俺は卑怯だとわかっていながら、そんな曖昧な返事をした…。
「それでさ…拓海君…あのさ…すごく、言いづらいんだけど…言ってもいい?」
「ああ… 何… 」再び、眠気が襲うが、ふわりと返事をする…。
「時間…その…大丈夫なの…?仕事…まだ、…間に合う…?」
「… は… えっ…!?あああっ!!やべーーーー!!」
時計を見る…。
もうすでに8時を過ぎていた…。
今日は火曜日…そうだ、休みなんかではない…
「やっべ…!!な…んでっ、起こしてくれないんだっ…目覚ましは…!?てか、お前は??仕事はっ…???」
質問攻めだが、とにかく時間がない!
「あっ…私は、休みなんだよね…?うふ。」
瑠衣は満面の、余裕の笑みだ…最悪…。
時間にして、もう定時の出勤は、絶対無理だ…
遅刻は免れない…。
ああ…あの男の、笑う顔が…違う、怒る顔が… 目に、浮かぶ…。
俺は慌てて身支度をしながら、瑠衣に声掛けをする。
「おまえさ、家、出てく時、カギは郵便受けに入れといて…もう時間ないわ!行く…!」
「あ、これ…拓海君!お弁当作ったから…持って行って!」
弁当…いつの間に…?
いきなり小さな紙袋を渡され一瞬戸惑うが、俺に断る時間も、拒否権も、ない…。
「わかった!じゃあな!!」
俺は最速のスピードでスーツに着替え、矢のごとく、家を飛び出た。
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