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~拓海~
上司
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「… さん… 長谷川さん、… …」
「あ… すっ …すみません…」反射的に謝る俺…。
「何か、ご意見とか、更なる提案はありますか…?」
女性の声に、ハッとする…。
やべえ… なんだっけ… 今、何を…話してたっけ…?
打ち合わせの真っ最中に…なんか、完全にぼっとしてた…
何…なんだっけ…今、何してたっけ…。
いや、…そもそも直前、何の話、してたかも覚えてない…もしかして俺、寝てた…?
この、なんか変な空気感…。
ひょっとして…いびきとか…もしかして、やっちまったか…?
これまでに遅刻はあっても、さすがに皆が集まる大事な会議の最中に寝てしまったことなど一度もない俺は、動揺した。
慌てて、周りを見渡す…。
スクリーンにでかでかと映し出された商品のラインナップ…。
今期に発売が予定されている商品…。
そうそう、これだった…多分途中から意識が、飛んで…
「… あ…の …」なんか、言わなきゃ…。
ミーティングの真っ最中で、皆が俺をじっと見つめてくる視線が痛い…。
「…大丈夫か…?長谷川さん。なんだか顔色悪いけど…医務室、行くか…?」
「や…あの…すみません…ちょっと、頭が痛くて…大丈夫です、すみません…。」
嘘だ…
もう、かなり頭痛はとれかけている…咄嗟に出てしまった言い訳に、ほんの少しの罪悪感を伴う。
「そうか…?無理、しないように。」
パワハラとは程遠い直属の上司、いつも柔和な笠村さんがそう言いながら俺をじっと見つめていることに気付く。
こえーーー眼が、全然笑ってねぇ…見つめているというか、睨んでいるというか…。
この人は、ホント…いつも全然怒らないから、何考えてんのかわかんなくて、逆に怖い…。
「… あ…はい…ありがとうございます…でも大丈夫です。」
「そうか…?まあ、具合悪いなら途中退室してくれて構わないから遠慮なく。じゃあ、続きを始めようか…」
「… … … 」「あ、そのポスターは、… … …」「いえ、それは……」
駄目だ…
なーんも頭に入ってこねえ…
なんか、ちょっとくらくらするし…
やっぱ今日は、今日だけは…仕事とか来るんじゃなかったな…
ああ…風邪ひいたって休めば良かった…
「… … … 」
そんなことを頭の中で思いながら、俺はなんとかその会議の時間を凌いだ。
その日の昼のチャイムの後…突然頭上から声を掛けられ、俺は正直動揺した…。
「長谷川さん…具合はどうだい…?大丈夫なら良かったら一緒に外に出ないか?お昼、持って来てる…?」
「えっ… と、あっ…と…」
「…駄目かな…?…無理ならいいんだけど…」
笠村課長…。
昼は持ってきてない…。
でも、外にわざわざ買いに行くのも少し面倒くさい…でも、今日は人と話すのも、正直めんどくさい…。
俺は断るために、口を開こうとした。
「あの、俺…今、…あんま、お腹が…」
ぐうううーーーーーー … … ああ… ・・・
「あっ… …えっと…」
マジで、顔から火が出そうだ…。
なんだ、俺のこの、空気を読まない腹の虫は…。
「お腹が…何…?どうやら、すきまくってるようだね…じゃ、行こうか。」
笠村が…笑いをこらえているように見えるのは、きっと俺の気のせいに違いない…。
「は… はい…」
ついさっき、無理ならいいよと言ったくせに、行こうかという、この断定口調…
意外にも、自己中だったりして…?いや、まさかな…。
もういいや…考えるのも面倒くさい…。
上司だ…誘って来たのも、あっちからだし…
この際、失恋ついでに、普段は食えないような高めの美味い飯を、おごってもらおう…。
俺はのそりと立ち上がり、笠村に続いた。
「あ… すっ …すみません…」反射的に謝る俺…。
「何か、ご意見とか、更なる提案はありますか…?」
女性の声に、ハッとする…。
やべえ… なんだっけ… 今、何を…話してたっけ…?
打ち合わせの真っ最中に…なんか、完全にぼっとしてた…
何…なんだっけ…今、何してたっけ…。
いや、…そもそも直前、何の話、してたかも覚えてない…もしかして俺、寝てた…?
この、なんか変な空気感…。
ひょっとして…いびきとか…もしかして、やっちまったか…?
これまでに遅刻はあっても、さすがに皆が集まる大事な会議の最中に寝てしまったことなど一度もない俺は、動揺した。
慌てて、周りを見渡す…。
スクリーンにでかでかと映し出された商品のラインナップ…。
今期に発売が予定されている商品…。
そうそう、これだった…多分途中から意識が、飛んで…
「… あ…の …」なんか、言わなきゃ…。
ミーティングの真っ最中で、皆が俺をじっと見つめてくる視線が痛い…。
「…大丈夫か…?長谷川さん。なんだか顔色悪いけど…医務室、行くか…?」
「や…あの…すみません…ちょっと、頭が痛くて…大丈夫です、すみません…。」
嘘だ…
もう、かなり頭痛はとれかけている…咄嗟に出てしまった言い訳に、ほんの少しの罪悪感を伴う。
「そうか…?無理、しないように。」
パワハラとは程遠い直属の上司、いつも柔和な笠村さんがそう言いながら俺をじっと見つめていることに気付く。
こえーーー眼が、全然笑ってねぇ…見つめているというか、睨んでいるというか…。
この人は、ホント…いつも全然怒らないから、何考えてんのかわかんなくて、逆に怖い…。
「… あ…はい…ありがとうございます…でも大丈夫です。」
「そうか…?まあ、具合悪いなら途中退室してくれて構わないから遠慮なく。じゃあ、続きを始めようか…」
「… … … 」「あ、そのポスターは、… … …」「いえ、それは……」
駄目だ…
なーんも頭に入ってこねえ…
なんか、ちょっとくらくらするし…
やっぱ今日は、今日だけは…仕事とか来るんじゃなかったな…
ああ…風邪ひいたって休めば良かった…
「… … … 」
そんなことを頭の中で思いながら、俺はなんとかその会議の時間を凌いだ。
その日の昼のチャイムの後…突然頭上から声を掛けられ、俺は正直動揺した…。
「長谷川さん…具合はどうだい…?大丈夫なら良かったら一緒に外に出ないか?お昼、持って来てる…?」
「えっ… と、あっ…と…」
「…駄目かな…?…無理ならいいんだけど…」
笠村課長…。
昼は持ってきてない…。
でも、外にわざわざ買いに行くのも少し面倒くさい…でも、今日は人と話すのも、正直めんどくさい…。
俺は断るために、口を開こうとした。
「あの、俺…今、…あんま、お腹が…」
ぐうううーーーーーー … … ああ… ・・・
「あっ… …えっと…」
マジで、顔から火が出そうだ…。
なんだ、俺のこの、空気を読まない腹の虫は…。
「お腹が…何…?どうやら、すきまくってるようだね…じゃ、行こうか。」
笠村が…笑いをこらえているように見えるのは、きっと俺の気のせいに違いない…。
「は… はい…」
ついさっき、無理ならいいよと言ったくせに、行こうかという、この断定口調…
意外にも、自己中だったりして…?いや、まさかな…。
もういいや…考えるのも面倒くさい…。
上司だ…誘って来たのも、あっちからだし…
この際、失恋ついでに、普段は食えないような高めの美味い飯を、おごってもらおう…。
俺はのそりと立ち上がり、笠村に続いた。
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