【完結（続編）ほかに相手がいるのに】

～智花〜

あれ

「ん… 」

私は、静かに目を開ける…。

「あ…やっと、起きた…おはよ、智花さん」

ニコリと、優しく微笑む三橋君が目に映る。
彼の腕の上に頭をのせていることに、少しの恥じらいを覚える。

「おはよう…」

なんだか、とても照れ臭い…

昨日は酔っていたせいもあって…色々…変なところを彼に曝け出してしまった気がする…。

彼は彼で…いつもより一層、激しく私を抱いた。
体勢を何度も変えながら…
最後には…後ろから… 

ああ…思い出せば出すほど、恥ずかしくなってくる…。

「今、何…考えてます…？」

昨夜とは違い、優しい瞳で私を見つめる彼にドキリとするが、あからさまに動揺するわけにはいかない…。

なにも、彼とのセックスは初めてのことではない。
なんてことはない、大人の遊びの範疇だ…。
私はいつものように、平気なふりをして返事をする。

「ううん別に…まだ早いし、もう少し寝ようかな…」

「そうですね…ところで…昨日のあれは、なんだったんですか…？」

　　　　　　　昨日の、あれ…
　
なんのことだろう…

全く心当たりがない私は、三橋君を見上げる。

記憶にない…

まさか、酔いつぶれて…
何かとんでもないことを…

　　　しでかしてしまったのだろうか…