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~智花〜
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ガチャ…
ゆっくり、鉄のドアを開ける…。
「こんちわ~~、いや…こんばんは~」上背のある、男の影…。
「… こんばんは …やっぱり三橋君、か…」
ドアの前には、予想通りの男が立っていた。
ポケットに両手を突っ込んだ状態で、ニヤリと笑いながら私を見下ろす。
「あら…予想してもらってましたか…それはそれは光栄な…まあ、昼間の元彼なワケ、ないか…くくっ…」
「…こんな時間に、何よ…昼間のこと、からかいに来たの…?」
やはり…開口一番、嫌なことを言われた。
思わず、不平の言葉を漏らしてしまう…。
「いやいや…ちょっと、あの後、気になりまして…話も完全に途中でしたし…」
「… そんなの… …別に… だいたい… 昼間の…かの 」
昼間の彼女はと、話題を振りかけて…躊躇する。
「ああ…昼の彼女ですか…?彼女とはまあ、あの後適度に遊んで、適度に別れました。お気になさらず。」
「… 適度に遊んで… 適度に… 」
遊んだとは…文字通り、遊んだのだろうか…
確か、映画とか…買い物とか言っていたのを思い出す…。
それとも、昼間から…ホテルで…恋人同士の…そういう行為に及んだのだろうか…。
ああ…そんなことを考えてしまう私は、どうかしている…。
「… まあ、彼女のことはいいとして…ちょっと取り敢えず、寒いんで…入れてもらえません…?」
「… え …」
「…土産、…買ってきたし…入れてくださいよ。ほら、赤ワイン…ポリフェノールたっぷり、安くて美味いやつ…これ、レンジであっためてもイケるんですよ…」
コンビニの袋をがさりと私の眼前に差し出し…にへらと笑う彼の顔をぼうっと眺める…。
そもそも、何をしに来たのだろう…。
昼間のことを…あらためて笑いにきたのか…
まさかとは思うが、私を慰めるつもりで、ここに足を運んだのだろうか…。
いや、そもそもこの男は…この家に来て、私に手を出さなかったことなど、一度もない…。
身体目的だろうか…
あんな、可愛らしい彼女がいるのに…ほいほい、合コンに行き…彼女と遊んだ夜に…別の女の家に来る…。
どれだけ、遊び人なのだろうか…
ああ…でも、もはや…考えるのすらしんどくなってくる…。
「… もう、お酒は飲めない… 酔ってるし… 」
既に、頭がぼうっとし始めている…。
やはり、飲み過ぎた…だけど、今日ばかりは、飲まないではいられなかった…。
「そりゃ、好都合…ねえ、入れてくださいよ…そもそもドアの前でこんな話し込んでたら、近所迷惑ですって…」
「… … …」頭が、回らない…。
「ワインだけじゃない…ほら、スイーツも…智花さんの好きそうな、あんま甘くない、ビターなやつ…」
がさりと袋から何かを取り出す…。
ああ…最近よく宣伝で目にした…確か、クリスマス期間限定のコラボスイーツだ…
実は、ちょっと気になっていた商品… 三橋君にしては、なかなか、目が高い…。
「…ん…散らかってるけど… どうぞ…」
今夜、一人でいるのは辛い…
頭の片隅で、そんな風に思ってしまった私は、呆気なくドアを開く…。
「やっりー!お邪魔します~」すぐさま玄関に足を踏み入れる、遠慮のない男…。
「… 全く、もう… 」そう、ぼやきながらも…
無邪気な顔で笑う男に、
ほんの少しだけ、救われたような気がした…。
ゆっくり、鉄のドアを開ける…。
「こんちわ~~、いや…こんばんは~」上背のある、男の影…。
「… こんばんは …やっぱり三橋君、か…」
ドアの前には、予想通りの男が立っていた。
ポケットに両手を突っ込んだ状態で、ニヤリと笑いながら私を見下ろす。
「あら…予想してもらってましたか…それはそれは光栄な…まあ、昼間の元彼なワケ、ないか…くくっ…」
「…こんな時間に、何よ…昼間のこと、からかいに来たの…?」
やはり…開口一番、嫌なことを言われた。
思わず、不平の言葉を漏らしてしまう…。
「いやいや…ちょっと、あの後、気になりまして…話も完全に途中でしたし…」
「… そんなの… …別に… だいたい… 昼間の…かの 」
昼間の彼女はと、話題を振りかけて…躊躇する。
「ああ…昼の彼女ですか…?彼女とはまあ、あの後適度に遊んで、適度に別れました。お気になさらず。」
「… 適度に遊んで… 適度に… 」
遊んだとは…文字通り、遊んだのだろうか…
確か、映画とか…買い物とか言っていたのを思い出す…。
それとも、昼間から…ホテルで…恋人同士の…そういう行為に及んだのだろうか…。
ああ…そんなことを考えてしまう私は、どうかしている…。
「… まあ、彼女のことはいいとして…ちょっと取り敢えず、寒いんで…入れてもらえません…?」
「… え …」
「…土産、…買ってきたし…入れてくださいよ。ほら、赤ワイン…ポリフェノールたっぷり、安くて美味いやつ…これ、レンジであっためてもイケるんですよ…」
コンビニの袋をがさりと私の眼前に差し出し…にへらと笑う彼の顔をぼうっと眺める…。
そもそも、何をしに来たのだろう…。
昼間のことを…あらためて笑いにきたのか…
まさかとは思うが、私を慰めるつもりで、ここに足を運んだのだろうか…。
いや、そもそもこの男は…この家に来て、私に手を出さなかったことなど、一度もない…。
身体目的だろうか…
あんな、可愛らしい彼女がいるのに…ほいほい、合コンに行き…彼女と遊んだ夜に…別の女の家に来る…。
どれだけ、遊び人なのだろうか…
ああ…でも、もはや…考えるのすらしんどくなってくる…。
「… もう、お酒は飲めない… 酔ってるし… 」
既に、頭がぼうっとし始めている…。
やはり、飲み過ぎた…だけど、今日ばかりは、飲まないではいられなかった…。
「そりゃ、好都合…ねえ、入れてくださいよ…そもそもドアの前でこんな話し込んでたら、近所迷惑ですって…」
「… … …」頭が、回らない…。
「ワインだけじゃない…ほら、スイーツも…智花さんの好きそうな、あんま甘くない、ビターなやつ…」
がさりと袋から何かを取り出す…。
ああ…最近よく宣伝で目にした…確か、クリスマス期間限定のコラボスイーツだ…
実は、ちょっと気になっていた商品… 三橋君にしては、なかなか、目が高い…。
「…ん…散らかってるけど… どうぞ…」
今夜、一人でいるのは辛い…
頭の片隅で、そんな風に思ってしまった私は、呆気なくドアを開く…。
「やっりー!お邪魔します~」すぐさま玄関に足を踏み入れる、遠慮のない男…。
「… 全く、もう… 」そう、ぼやきながらも…
無邪気な顔で笑う男に、
ほんの少しだけ、救われたような気がした…。
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