【完結(続編)ほかに相手がいるのに】

もえこ

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~変化~

素直

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「…水無月さん…?」

杉崎さんが不思議そうに私を真っ直ぐに見つめてくる…。

「…なんで、ですか…私… 私って、そんなに…」

駄目だ… 

この先の言葉は、 言っちゃ駄目…

「どうしたの…?」杉崎さんの眼の奥が、ゆらりと、不安そうに揺れたように見えた。

「… 私ってそんなに、…み…魅力、…ない、ですか… 」

重たい… 重たい女には、…なりたく、ない…なのになんで、私は、こんな…ことを…

「 え…、…何…言って」

「わ…私…珈琲…に、負けちゃうんですね…私…私は…会えて…杉崎さんに会えて、今、すごく嬉しい…のに…」

「水無月さん…」

「杉崎さん…この前も…途中で…やめようって…あんな…中途半端に…あんな風に…投げ出されて、…私… 」

「… つっ… 」

杉崎さんが…息を飲むのがわかった…。

私の馬鹿…最低だ…  

油断すれば、泣いてしまいそうなほどに…胸が熱い… きりきりと、痛い…
これでは… なぜ、あの夜…最後まで、してくれなかったのかと…責めて…
杉崎さんに、無言の圧力をかけているようなものだ…。

拗ねた…まだ未熟な女… 
あまりにも恥ずかし過ぎる、発言だ… まるで、苦情…  

ここに…穴があったら…
大きな、穴があったら…本当に今すぐに入って、消えてしまいたい…。

「あの、ごめんなさい…なんでも、ないです…あの…珈琲っ、ですね… ン、んっ…! んーっ」

すかさず、杉崎さんの唇が私の唇を塞ぎ…舌が、口内に滑り込む… 
奥深くまで…何度も何度も入ってきて、口内を暴れるように動き出す…息すら、ままならない…。

「 んっ…、んぅっ … んっ! は、ぁっ …」

激しいキスの後、杉崎さんが私を見下ろす。

「…必死に…これでも必死に…自制してた…でも君がそうなら…もう本当に遠慮しない。それはつまり…君を抱いていい…俺の好きにしていいって、ことかな…?」

杉崎さんの瞳が、鋭く私に突き刺さるようだ…だけど、その視線すら心地よい。

      好きにして、いい… ? 

そうだ…

私は、最初から…この人に…好きにされたい…
願いは、それだけだ…。

「はい…杉崎さんのしたいように、してください…私は、そうして…欲しいです」

やっと、言えた…
 
やっと、素直に…本音を告げることが出来た…。

「…わかった…そうさせて、もらうね…」 
セクシーで低い声に、身体が震える…。

私はゆっくりと、目を閉じる…。

   彼が、ベッドから起き上がる音……

 すぐに、ばさりと…衣擦れの音がした…



















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