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~杉崎~
小心
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俺は…携帯を開いて、電話帳を開く。
『水無月さん』
そのままの名前を登録をしてあるボタンに、ゆっくりと指を伸ばす…。
「… …いや … 」
やはり… いきなりこんな時間に電話するのは失礼だろうか…。
土曜…週末の夜だ…
もしかして…
友人と食事を囲んでいる時間かもしれない…
もしくは…
彼女の実家は割と近いと話していたことを不意に、思いだす。
そうだ、もしかして…実家でゆっくりと家族と過ごしていることもあるかもしれない…。
さすがに…あの男と、会っている…なんてことは…
それは、ないと信じたい…
まさか…この前のあれで、それは、ないだろう…
「… やっぱり、先に …」
小心者の俺にはやはり、いきなりの架電はあまりにハードルが高く、
結局少し考えた後…メールを送ることにした。
メールであれば…すぐに読むも読まないも…返事するのもしないのも、相手の都合に委ねられる…。
俺は即座に、メールを打ち込んだ。
『こんばんは、水無月さん。今週も忙しかったね、お疲れ様でした。まだ、起きてる…?』
自分自身で、文面を読み返してみて…
なんだ、この内容のないメールはと思いつつも…
メールをすることが目的ではなく…本音は、彼女と話したいと思っているだけだから…
その第一歩としては、まあ…良いだろう…。
最後に、『電話して良いかな?』と文面を付け加えようかとも思ったが、
やはり、彼女の返信が来てからにしよう…。
とにかく、彼女の今の状況がわからない以上は、これがギリギリだ…。
本当に、メールの文面一つで、どれだけ悩んでいるのかと…自分自身を笑いたくなるほどだ…。
これまで、こんな場面が一度もなかったことに気付く。
それほどに、意識した相手がいなかったということに、今更ながらに気付かされる…。
いまどき、30も超えて、こんなことで悩む男がいるのだろうか…。
あまりに、遅すぎる、春だ…
まあ、いい…
年齢なんて、もはや気にしない…。
今夜はどうしても、彼女の声を聞きたい…。
… プッ …
俺は思い切って、送信ボタンを押した。
『水無月さん』
そのままの名前を登録をしてあるボタンに、ゆっくりと指を伸ばす…。
「… …いや … 」
やはり… いきなりこんな時間に電話するのは失礼だろうか…。
土曜…週末の夜だ…
もしかして…
友人と食事を囲んでいる時間かもしれない…
もしくは…
彼女の実家は割と近いと話していたことを不意に、思いだす。
そうだ、もしかして…実家でゆっくりと家族と過ごしていることもあるかもしれない…。
さすがに…あの男と、会っている…なんてことは…
それは、ないと信じたい…
まさか…この前のあれで、それは、ないだろう…
「… やっぱり、先に …」
小心者の俺にはやはり、いきなりの架電はあまりにハードルが高く、
結局少し考えた後…メールを送ることにした。
メールであれば…すぐに読むも読まないも…返事するのもしないのも、相手の都合に委ねられる…。
俺は即座に、メールを打ち込んだ。
『こんばんは、水無月さん。今週も忙しかったね、お疲れ様でした。まだ、起きてる…?』
自分自身で、文面を読み返してみて…
なんだ、この内容のないメールはと思いつつも…
メールをすることが目的ではなく…本音は、彼女と話したいと思っているだけだから…
その第一歩としては、まあ…良いだろう…。
最後に、『電話して良いかな?』と文面を付け加えようかとも思ったが、
やはり、彼女の返信が来てからにしよう…。
とにかく、彼女の今の状況がわからない以上は、これがギリギリだ…。
本当に、メールの文面一つで、どれだけ悩んでいるのかと…自分自身を笑いたくなるほどだ…。
これまで、こんな場面が一度もなかったことに気付く。
それほどに、意識した相手がいなかったということに、今更ながらに気付かされる…。
いまどき、30も超えて、こんなことで悩む男がいるのだろうか…。
あまりに、遅すぎる、春だ…
まあ、いい…
年齢なんて、もはや気にしない…。
今夜はどうしても、彼女の声を聞きたい…。
… プッ …
俺は思い切って、送信ボタンを押した。
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