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~決意~

限定

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島のメンバーが全部そろったのを確認して、主任がいつものように口を開く。

「じゃあ、始めようか、おはようございます。」

いつもの朝ミーティングが始まる。

隣…杉崎さんとの空間が、なんとなく気まずい…
だけど、ここは職場だ…今は、何も話せないし、何一つ聞けない…。

「…じゃあ、そういうことで…今日も頑張りましょう。俺は定例会議に行ってきます~あ~めんどくさいな~毎週毎週…誰か代わりに行ってくれんかな~杉崎さんはどう…?」
主任が、笑って杉崎さんを見る…。

「いえいえ、出たいのはやまやまですが…権限ないので…主任、頑張って来てください」

「は~~やだやだ…」

主任はブツブツとぼやきながら、重たい足取りで部屋を出て行く。

その後、石田さんがお湯呑を片手に席を立ってしまい、私は動揺する。
石田さんは離席の時間がたまに長い…。

向こうに社員がいると言っても、いきなりデスクで…杉崎さんと二人きりになってしまった…。
何か、仕事を…と、慌ててファイルを手にしようとした瞬間、杉崎さんがぼそりと囁いた。

「…水無月さん…この前はお邪魔しました…あのね、珈琲のお礼…といっては、なんだけど…」

「え… … ?」

「はい、これ…お昼か、休憩時間にでも食べて…コンビニのもので申し訳ないけど、○○社とのコラボ…クリスマスまでの限定チョコムースなんだって…」

「あ… ……」がさりと、小さな袋を渡される。

もしかして…これを買うために、杉崎さんはいつもより遅かったのだろうか…
朝、コンビニに寄った… きっと、そうだ…。 

「あの、うちのデザートとの比較にもなるかなって… …」
杉崎さんが慌てたように言葉を付け加えるが、その気持ちが、ただただ嬉しい… 

「ありがとう、ございます…すみません、わざわざ…」

「いや、全然…あ、今のうちに冷蔵庫にしまって…石田さんとかに見られたら絶対うるさいから…俺の分はないのかとか、どうとか… 」

「あっ… はい!… ありがとうございます。」

私は即座に、部屋の隅にある小さな冷蔵庫にそのデザートをそっとしまう。

「じゃあ、今日もぼちぼち頑張ろう…ね…」

「はい… 」

いつもと変わらない優しい瞳が私を見つめてきて、私はそれだけで胸がいっぱいになった。

だけど、その日のお昼に… 
その、美味しそうなデザートとともに…

私が今、もっとも苦手とする人物に、捕獲されることになるとは、予想もしていなかった…。




 



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