【完結(続編)ほかに相手がいるのに】

もえこ

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~困惑~

未読

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杉崎さんの立場になれば私だって、きっと…面白くない…。

というか、嫌だ… 
我儘だとはわかっていても…
杉崎さんが…恋人である林さんと…そんなことをしている姿を想像するだけで、嫌な気持ちになる…。

現に、前にホテルであったあの人…あの女性の発言がいまだに、心の奥底に残っているくらいだ…。
今さら、どうしようもないことなのに…杉崎さんの過去の相手にさえ、嫉妬してしまいそうな自分がいる…。

         カチャン… 

洗い物が終わり、私は力なくソファに座り込んだ…

もう、かなり時間も遅い… お風呂に入る気力もない…  
明日は休みだから… いっそ、このまま…ここで寝てしまおうか…

そう思った矢先、テーブルの上の携帯が目に入った。

「あ… … 」

いけない… 
いつもの癖で、帰宅した後にテーブルの上に無造作に置いたまま、確認すらしていなかった…。

手に取って見ると、既にいくつかのメッセージが来ていた。
未読の表示ランプが光を放っている。

実家と…  拓海から…  

拓海から、久しぶりに連絡がきていることに、心が、なんとなく構えてしまう…。
あまり、読みたくない…。

恐る恐るその中身を読んで…即座に気分が悪くなった。

それと同時に、なんでこんなナイーブな内容をメールなどに直接的に書いてしまうのか…
拓海の子供っぽさに…あまりのデリカシーのなさに、今更ながらに愕然とする…。

そして…その連絡が来ていた時間を確認した瞬間…とても嫌な想像が、私の頭によぎってしまった。

私がちょうど、キッチンに立っていた時間…
サイレントにしていて、全く気づかなかったけど…

もしかして、杉崎さんが… 

これを…このメールを偶然、目にしたのではないか…

杉崎さんは何も言わなかった…
全く、このことには触れなかった… 
 
だけど… 態度が明らかにいつもと違った… 

もしかして、これを見たから…?

   まさか…    や、だ… 

こんなことを…杉崎さんに知られたくはない…
どうか、この想像は… 私の勘違いであって欲しい…  

拓海の馬鹿… 最低… 

もし、そうだとするならば…最悪な、タイミングだ… 

私は無言で… 携帯を握りしめた…。     













  





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