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~智花~

一回

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「そこ、座って… 珈琲淹れるから…」

「…智花さんてさ…なんでそんな、鉄仮面みたいな顔で返答するんですか~少しは俺に、興味示してくださいよ~嫉妬とかさ~」

「なんで、私が嫉妬…、んっ… や、…」
いきなり、背後からフッと、首筋あたりに息をふきかけられ、ビクンと身体が跳ねそうになる。

「智花さん、耳元、ふって、されるの、ほんと弱いですよね…かーわいいなあ~… くくっ…」

背後から強い力で抱き締められ、おもむろに両手で胸を強めに揉まれて、おかしな声を出してしまう…。

「あ… んっ…駄目っ…、みつはし、くん… 先に、珈琲… あっ… ん… 」

「… やだ… てかさ、…先に珈琲って、言い方… ふふ…」

「…えっ…? ああ ん、… や、… 」ぐにゅぐにゅと遠慮なしに胸を揉まれ、反応を抑えられない…。

「珈琲が、先でさ…後に…何、する…つもりなんですか… ?」

「あっ… あ ん、 … 」
途端に、自分の発言を指摘され、身体が熱くなる…。

「…俺、珈琲は後でいいです…先に、智花さんがいい…智花さんが欲しい…。一回、やらせて…」

「…また… 三橋くん、いつもっ… そんなこと、言っ… ん、んぅっ … ! んんっ…」

振り向きざま、いきなり唇を塞がれる…。  

激しく、舌を絡められ…それと同時に彼の手が、私のシャツのボタンに伸びる…

「 ん…  ん… 」
くちゅ… 
舌がまとわりつく感触に、頭がぼうっとしてくる…。

「…はっ…色っぽい顔…智花さん、ヤバいね…そんなに、俺の、これが欲しいの… くくっ… 」 

突然私の手をつかみ、彼が自身の下半身に私の手をあてがう…。

「あ… …  あ… 」

堅くて、逞しい… 

布地の上からでもわかるほどに屹立した三橋君の、男のそれ… 
どくどくと脈動しているのがわかるほどに、熱を感じる…。

ああ… 駄目だ…    
 そもそも … 一回、やらせて…だなんて…

なんて、下品な言い方で、女を誘うのだろう… 

修哉さんには絶対にない発言… 
修哉さんには100パーセントない、横柄な態度…。

でも… 駄目だ… 断ることができない…。

また、流されていく…  

彼の強引な態度に流されるのはこれで、何度目だろう…。

遊びだとわかっているのに、今夜も、断ることが出来ない… 

    私は、静かに、目を閉じた…。
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