【R18】弟くんの猛進

６

「美弥…　ごめん…　無理矢理あんなことして、ごめんな…」

「美弥…ごめん、身体、大丈夫だった…？ほんと、ごめん」

「美弥、美弥ちゃん…好きだ…好きなんだ、ごめん…あの日はほんとごめん、…」

「美弥、なんで無視、すんの…？もう、メッセージ読むことすらしてくんないの？」

「美弥、美弥…　俺、ヤバいよね…　なんかもう、ストーカーみたいだ…家、行っていい？ちゃんと、話したい…」

「美弥…　美弥…　好きだ。好き…　兄貴と結婚なんて…　やめて欲しい…　マジで、耐えらんない俺…」

「美弥…　お願いだからこれ、開くか、一度会って欲しい…謝らせて…会って直接話しさせて…頼む…」

「美弥…　会いたい…」

…　私は驚く…。


あの夜以降、こんなにも計人君は私に連絡をくれていたのに…
謝りたいって、書いてあるのに…。

私は読むことすら…しなかった…。

でも、それと同時に…
相手の…私の同意なく、無理矢理にあんなことをした計人君に対して…
誠実に応対しなきゃいけない義務なんて、ない…

そんな…暗い、感情も芽生えてしまう…。

でも、一斉に『既読』のマークを付けてしまった以上…
逃げも隠れも出来ない…。

私は震える手で、メッセージを打ち込む。

「計人君…　話、しよう…　来週隆仁さんが帰ってくるの…だからその前に、一度、計人君ときちんと、話しておきたい…。」

送信…。

ほんの1分程で、既読のマークがつく…。

「美弥…メッセージありがとう…わかった。美弥の言う場所に行くから、会ってください。」

それから私と計人君は、翌日の土曜の昼過ぎ、駅前のカフェで待ち合わせることにした。

きちんとしなければ…これから私は前に進めない…

　　　そう思って、私は身支度を始めた…。