【BL・R18】優しくて残酷な男でも…幸せになれますか？

俺の領域

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「おい…冗談、…やめ…岡田っ…」

岡田の目は、完全に笑っていなかった…
仕事をしている時のような真剣な視線…が、今まさに俺に…間違いなく注がれていて…

とても直視できずに、俺は思わず横を向く…。

でも、岡田にすぐに両頬を包み込むようにして、上を向かされる…
その手つきは、されていることに反して、恐ろしく優しい…

岡田が…
　　　　　　なんで…こんな…

絶対、真中のせいだ… 俺は確信する。

「…ほんと、すみません…新名さん…」
見上げると申し訳なさそうな、岡田の表情…

「…なんで…岡田…？なんで、こんなことするんだ…おまえは、違う…はずだ… 違う、だろう…？」
声が震えてしまうのを、止めることができない…

「…ここ数日、ずっと考えていました…
真中が新名さんにちょっかい出し始めてからですけど…。

なんか、心の中がざわざわし始めて… 真中が鍵無くして新名さんちに泊まるって聞いた時は…イラついて…なんでこんな嫌な気持ちになるんだろうって… ずっと…ずっと・・・」

「… … …」

見上げると、岡田が辛そうに顔を歪めていた…。

「新名さんが彼女に振られたって聞いた時すら、別になんとも思わなかったんです… また、次の良い出会いが新名さんに訪れたらいいなって…新名さんは男の俺からみても普通にかっこいいし…まじで、綺麗だし…すぐにいい人が現れるだろって…思ってたんですけど…」

「…けど…？　…なん…だよ… …」

「真中が現れて…新名さんの周りをちょろちょろし始めて…なんか、俺…変になってきたんです…ムカついてきて…新名さんに気安く近づくなよって…思うようになっていきました…。
しまいには…彼女がどうとかっていうより…新名さんのことばかり…」

岡田の視線が、ゆらゆらと定まらない…。