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俺の領域

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「さ…突然だったからマジであんまり片付いてないけど、どうぞ。」
「あ…すみません、お邪魔します!」

岡田が少し緊張したような面持ちで、丁寧に靴を揃えて玄関先でお辞儀する。

アイツ…真中が家に上がり込んできた時とは、なんかえらい違いだ…
あの男は、遠慮とか微塵も感じさせず…、なんかもっと堂々としてたな…。
不意に、アイツの顔が頭に浮かび、すぐに打ち消す。

「はは…岡田…そんな、かしこまるなよ…別に大した部屋じゃない…こっちだ。」
「はい。」

「荷物、そのへんに置いといて…んで、そうだな。取り皿とか出すから、岡田はそのへんに座ってて。」

岡田をリビングへ通し、そう声をかける。

「あ…いや、俺もなんか手伝います…。」
岡田がすぐに立ち上がり、キッチンへ入ってくる。
キッチンにデカい男二人… 全然、座ってくれていていいのにと思いつつ、一応言葉に甘える。

「そうか…?じゃ、頼む。」

俺は冷蔵庫から氷を取り出し、大きなグラスにガラガラと音を立てて移す。

「取り皿適当に出すから、そこにあるトレイにのせて持ってって…」
「はい。」

デパ地下で買ってきた普段はあまり買うこともないデリ…とかいう、色とりどりの総菜を数種類、なんとなくそのままじゃ味気ないなと皿に盛りつけ、テーブルへ運ぶ。

そういえば、留美は時々こういう類のものを買ってきてくれたっけ…

ああ…ダメだ、さっき彼女に会ったことで、変なことを思い出してしまう…。

「よし…こんなものかな… 俺、デパ地下なんて久々に行ったけど、美味そうだな…岡田、お待たせ。」

「はい…ほんと、美味しそう…今日はありがとうございます。新名さん、それでは、乾杯!」

「ああ…かんぱ」


             ピンポーーーーーーン … 

                 ん?


「… …ん? …」
「…誰…ですかね…?」岡田が俺を見る。
「… … …」

 少しだけ、嫌な予感がした…が…  

「んー… 宅配かなんかかな…まあ、ボックスにいれてくれるから出なくていい…。」
「はい…じゃあ、あらためて、かん」

             ピンポン、ピンポン

              ピンポーーーン…

「… … … …」
「新名さん… この、鳴らし方…なんか、失礼、ですよね… 誰だ…こんな…」
「… … …」

はい… もう、答えはわかってます…アイツしかいない…

どうする、俺… 岡田が来ているんだ。できればまともに対応したくない…。
   

        どうする…?

         無視か‥とりあえず出て、適当にあしらうか…
                それとも、

          岡田が来ていることを言うべきか、否か…

           
             俺はぐるぐる思考を巡らせながら、
               岡田の顔を、見つめた…。




































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