【BL・R18】優しくて残酷な男でも…幸せになれますか？

〜岡田〜

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なんだ…俺、どうした…
まだ、新名さんが何か話していたのに、電話…勢いで切ってしまった。

なんか、無性に、腹が立ってしまった。もちろん新名さんに対してじゃなく、あの男に対して…

っていうか、なんであの男…
真中裕之…
店からの折り返しの電話に気付かないんだ…
電源が切れてただと…？

だって自宅の鍵だぞ。
普通に考えて、大事な物だ…。
しかも新名さん、確か奴は引っ越してきたばかりだとか言ってた…

なのになんで、鍵の管理があんなにもずさんなんだ…
っていうか、自分から問い合わせしたんなら、せめて電話ぐらい出られるようにしとけよっていう…。

ああ…なんかマジで、イライラする…

そもそも、新名さん…なんであんな奴を簡単に家に入れてしまったんだろう…
駅前にホテルでもネカフェでも…いくらでもあるじゃないか…

男である新名さんに対して、好みだとかなんだとか堂々とほざきやがった、ふざけた奴…
職場でいくら好青年を気取っても、あの夜の様子を見た俺と新名さんは騙されないぞ…

きっと、あの優し過ぎる新名さんのことだ…

奴に泊めて欲しいって言われて断れなかったに違いない…
それか、あの男が新名さんに敢えてしょんぼりした姿を見せて、泣き落とした、とか…
絶対、そんなところだ。

新名さんの家になんて、一緒に仕事してる俺ですらまだ、お邪魔したこともないのに… 
部屋がたまたま隣になったからってどんだけ甘えてんだよアイツ…まだ新名さんのこと、何も知らないくせに…

本性はあのふざけたキャラだ…
それこそ助けてくれそうな女性がいくらでもいるはずなのに…

ああ…それにしても、このむかつきはなんだ… さっきからムカムカが止まらない…。

もう、今日のところは寝よう…
彼女からラインも来ているが、今日はごめん、未読スルーにさせて欲しい…

　　　　　飲みすぎた、かな…