【BL・R18】優しくて残酷な男でも…幸せになれますか？

お仕事

3

俺だけじゃなく…

岡田も…驚いた表情で突然現れたその男二人を見つめている。

…なんで…　
うちの会社に…　こいつらが…？
偶然か…？…　　しかも、2人…　一緒に…？

主任に紹介されていた黒髪の…真中…らしき男が、ふと、こちらに気付く。
俺と岡田を見た…その瞬間、やはり驚いたのか目を見開いたのが、わかった…。

どうやら完全に、偶然らしい…
真中の隣にたたずむちっこい眼鏡男子も、俺と岡田に気付いたのか、一瞬俺たちを二度見するような態度を見せ…怯えた表情で視線を逸らした…。
　
「…んー…二人の指導係は…そうだな…二人、いるし…まあ…新名と岡田あたりに頼んで良いかな…？」

「え…！？っと、それは困っ…！」
「えっ…！？」岡田も俺と同じ反応…　そりゃ、そうだよな…

指導係なんて、困る！！　俺は拒否の言葉をすぐに口にしそうになる…
皆がいる前で拒否するなんて良くない…　とは、頭の隅で思ったものの…指導係なんてとんでもない…　もうアイツには一ミリも近付きたくないのに…

主任が俺と岡田の反応を見て察したのか、先回りして言葉を発する。

「…ああ、もちろん、君たち二人だけに託すわけじゃないから安心しろ…他、周りも皆、彼らをフォローするように…とにかく少し前まで学生さんだったんだから…新人以上に新人だと思って、仕事は細かく丁寧に説明するように頼むな、何事も、最初が肝心だからな…」

指導係…
なんで…よりによって、俺と岡田なんだ…　　　最低だ…
俺は絶望を感じつつ、立ち尽くす…。

「じゃあ、2人…自己紹介をしてもらえるかな？固くならなくていいよ…」
主任に促され、真中が一歩前に出た…。

何を言う気だ…　
またあの居酒屋の時のように、ふざけた態度を取るつもりか…？

俺は固唾を飲んで、奴の様子を見守った…。