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受け身
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「… … … 」
俺はゆっくり、目を開ける…
だが、暗闇…
枕元に、ほんの少しの明かりが見える…。
そうだ、俺…風呂場で、… 圭一と… あんな…
「… けい…いち … 」
圭一の腕の上…
まさに、腕枕のような状態で俺は圭一に頭を委ねていた…。
「あ… 先輩… 起こしちゃいました…?」
圭一が、俺の顔を上からのぞき込む…。
その、何とも言えない優しい瞳に、胸が苦しくなるような感覚を覚える。
自分でここに…ベッドに移動した記憶が、ない…
ひょっとして、あの後意識を失って…圭一が… ?
「ごめん… もしかして、ここまで運んでくれた…?裸…だったし…服…」
「あ…先輩、あの後くた~ってなっちゃったんで…洗い流して脱衣所にあった部屋着、勝手に着せちゃいました」
「ご…ごめん、なんか…恥ずかし、過ぎだな…俺…はあぁ…」
あんな、恥ずかしいセックスの後…素っ裸で風呂場に…
もう、想像しただけで、どん底に恥ずかしい…
「全然、気にしないでください…先輩の裸、見放題で…俺的にはラッキーでしたから…」
「ばっ…か… 何、言って… ん、ぅっ… んんっ… 」
俺がまだ話している最中、唇を塞がれ、圭一の舌が口内へ滑り込む…。
生温かな圭一の舌が、執拗に俺の舌に絡んで中を何度もうごめいた後、名残惜し気に離れていく…。
「はあ… ヤバい、…好き、過ぎる… 」
「は… ?」
「… 俺、先輩のこと…好き過ぎるんですよ… 最近マジで、制御不能…」
「何、言って… 」
「先輩にはきっとわからないと思います… なんか、温度差、感じますもん…先輩は…俺のこと、好き…?」
「それは…もちろん、… 」
「ほら… はっきり言わないし…そもそも俺が聞いたら答えてくれるけど、先輩の方から好きだって言われたことないし…」
「… そ、 そんなこと… 」
そうだな…
確かに、それはある…
いつも受け身な俺… 自覚はある。
俺はもともと、自分の気持ちを…自分から言うのが、苦手だ…
唯一、最初の頃に…
圭一に、俺も好きだと、伝えたあの日…
あの時くらいかもしれない…自分発信で人に何かを伝えるのは…
遊びに行こうとか…ご飯に行こうとかも、なかなか言えない…
相手が応じてくれたとしても本当は、嫌がってるんじゃないか…とか、色々想像してしまって…
結局、何も言えないことの方が多い…。
「馬鹿… ちゃんと、好きだよ… おまえのこと… 」
俺的には本当に頑張って、なんとかそう答えると…
「…なんか、すみません…俺、女々しいですよね…?女の子が彼氏に迫って、私のことちゃんと好きって言ってよ~みたいなの、たまにありますよね…あっち側の気持ちがわかるっていうか、なんていうか…なんかヤバいな…気を付けます…あ、…まだ、4時過ぎですね…寝ましょう…」
圭一が苦笑しながら、俺の髪を優しく撫でつける…。
「 ん… おやすみ、圭一… 」
その時、寺崎からきたラインのことが頭をよぎったが…
今、深夜だし…圭一もいるし… 朝には絶対、見よう…
そんな風に、先延ばしにした…
翌朝、圭一が寝ているのを確認してから俺は初めて、携帯を開いた…。
そこにある内容は、何と言っていいか、わからない…
わからないが…
なんだか…心をざわつかせる内容で、俺は途端に、寺崎のことが心配になった…。
俺はゆっくり、目を開ける…
だが、暗闇…
枕元に、ほんの少しの明かりが見える…。
そうだ、俺…風呂場で、… 圭一と… あんな…
「… けい…いち … 」
圭一の腕の上…
まさに、腕枕のような状態で俺は圭一に頭を委ねていた…。
「あ… 先輩… 起こしちゃいました…?」
圭一が、俺の顔を上からのぞき込む…。
その、何とも言えない優しい瞳に、胸が苦しくなるような感覚を覚える。
自分でここに…ベッドに移動した記憶が、ない…
ひょっとして、あの後意識を失って…圭一が… ?
「ごめん… もしかして、ここまで運んでくれた…?裸…だったし…服…」
「あ…先輩、あの後くた~ってなっちゃったんで…洗い流して脱衣所にあった部屋着、勝手に着せちゃいました」
「ご…ごめん、なんか…恥ずかし、過ぎだな…俺…はあぁ…」
あんな、恥ずかしいセックスの後…素っ裸で風呂場に…
もう、想像しただけで、どん底に恥ずかしい…
「全然、気にしないでください…先輩の裸、見放題で…俺的にはラッキーでしたから…」
「ばっ…か… 何、言って… ん、ぅっ… んんっ… 」
俺がまだ話している最中、唇を塞がれ、圭一の舌が口内へ滑り込む…。
生温かな圭一の舌が、執拗に俺の舌に絡んで中を何度もうごめいた後、名残惜し気に離れていく…。
「はあ… ヤバい、…好き、過ぎる… 」
「は… ?」
「… 俺、先輩のこと…好き過ぎるんですよ… 最近マジで、制御不能…」
「何、言って… 」
「先輩にはきっとわからないと思います… なんか、温度差、感じますもん…先輩は…俺のこと、好き…?」
「それは…もちろん、… 」
「ほら… はっきり言わないし…そもそも俺が聞いたら答えてくれるけど、先輩の方から好きだって言われたことないし…」
「… そ、 そんなこと… 」
そうだな…
確かに、それはある…
いつも受け身な俺… 自覚はある。
俺はもともと、自分の気持ちを…自分から言うのが、苦手だ…
唯一、最初の頃に…
圭一に、俺も好きだと、伝えたあの日…
あの時くらいかもしれない…自分発信で人に何かを伝えるのは…
遊びに行こうとか…ご飯に行こうとかも、なかなか言えない…
相手が応じてくれたとしても本当は、嫌がってるんじゃないか…とか、色々想像してしまって…
結局、何も言えないことの方が多い…。
「馬鹿… ちゃんと、好きだよ… おまえのこと… 」
俺的には本当に頑張って、なんとかそう答えると…
「…なんか、すみません…俺、女々しいですよね…?女の子が彼氏に迫って、私のことちゃんと好きって言ってよ~みたいなの、たまにありますよね…あっち側の気持ちがわかるっていうか、なんていうか…なんかヤバいな…気を付けます…あ、…まだ、4時過ぎですね…寝ましょう…」
圭一が苦笑しながら、俺の髪を優しく撫でつける…。
「 ん… おやすみ、圭一… 」
その時、寺崎からきたラインのことが頭をよぎったが…
今、深夜だし…圭一もいるし… 朝には絶対、見よう…
そんな風に、先延ばしにした…
翌朝、圭一が寝ているのを確認してから俺は初めて、携帯を開いた…。
そこにある内容は、何と言っていいか、わからない…
わからないが…
なんだか…心をざわつかせる内容で、俺は途端に、寺崎のことが心配になった…。
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