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「えっと…それで、相談っていうのは…何かな…」
俺たちは、そのスーパーから歩いてすぐのところにある公園のベンチに、並んで腰かけた。
互いに小さくはないスーパーの袋を下げていたため、さすがに喫茶店に入るのは少し気が引けたからだ。
「あのですね、相談というか…なんていうか… 」
相談ではないのか…?
少し歯切れが悪そうな田口に視線を送る。
「秋夜さん…なんだか、最近変なんです…連絡しても、ほとんど話をせずに電話切っちゃうし、この前相談した件もあのまま…ですし…」
この前の相談というと、あれか…
田口に手を出さない… 件…
女としてこんなにも魅力的な田口に、一才手を出さずに放っておくこと…
確かに普通に考えて、違和感しかないのだが…
ただ、寺崎が…俺のことを好きだと言ってきたことと…中にいるシュウが、田口に全く欲情しないと言い放ったことからすると、仕方がないことなのかも、しれない。
「…あの、佐々木さんは何かご存じないですか…秋夜さんの親しい友人…一番身近な存在だと思えるのが佐々木さんなので…もし何か知っていることがあれば、全部教えてほしいんです… 」
「 … ん … … 」
わかっていること…
まず、寺崎が二重人格だということ。
そして、もう一人の人格の名前はシュウ…この男はあまりにも残忍すぎる男で、俺に乱暴した以降も、手のつけようがないほどに危険な存在であるということ…そして常に、俺を…俺の身体を…狙っているということ…
そして、寺崎自身は俺を好きで、いること…
俺が寺崎について知っていることはこのくらいだ… だが…問題なのは、このどれをとっても、ことは重大で…田口にサラリと説明できる気がしないこと…
ただそう思う一方で、せめて、寺崎という善良でしかない人間の中に…ものすごく危険な別人格が存在しているということ…そのことだけは、もう俺の口から田口に言ってもいいのではないか…
この機会に説明しておいた方が田口のためになるのではないかと…そんなような気持ちが…ひしひしと俺の中に渦巻き始めていた…
あの男は、とても気紛れだ…
今は興味がないなどと言っているものの、突然欲望を露わにし、田口に襲いかかることだって、あるかもしれない…
その時、寺崎の秘密を知らない田口はどれほどの打撃を受けるだろう…
やはりどう考えても、話しておくべきだ…
「あ…のね、田口さん…実は、寺崎は…」
俺は意を決して、
彼女に、
遂に真実を打ち明けることにした。
俺たちは、そのスーパーから歩いてすぐのところにある公園のベンチに、並んで腰かけた。
互いに小さくはないスーパーの袋を下げていたため、さすがに喫茶店に入るのは少し気が引けたからだ。
「あのですね、相談というか…なんていうか… 」
相談ではないのか…?
少し歯切れが悪そうな田口に視線を送る。
「秋夜さん…なんだか、最近変なんです…連絡しても、ほとんど話をせずに電話切っちゃうし、この前相談した件もあのまま…ですし…」
この前の相談というと、あれか…
田口に手を出さない… 件…
女としてこんなにも魅力的な田口に、一才手を出さずに放っておくこと…
確かに普通に考えて、違和感しかないのだが…
ただ、寺崎が…俺のことを好きだと言ってきたことと…中にいるシュウが、田口に全く欲情しないと言い放ったことからすると、仕方がないことなのかも、しれない。
「…あの、佐々木さんは何かご存じないですか…秋夜さんの親しい友人…一番身近な存在だと思えるのが佐々木さんなので…もし何か知っていることがあれば、全部教えてほしいんです… 」
「 … ん … … 」
わかっていること…
まず、寺崎が二重人格だということ。
そして、もう一人の人格の名前はシュウ…この男はあまりにも残忍すぎる男で、俺に乱暴した以降も、手のつけようがないほどに危険な存在であるということ…そして常に、俺を…俺の身体を…狙っているということ…
そして、寺崎自身は俺を好きで、いること…
俺が寺崎について知っていることはこのくらいだ… だが…問題なのは、このどれをとっても、ことは重大で…田口にサラリと説明できる気がしないこと…
ただそう思う一方で、せめて、寺崎という善良でしかない人間の中に…ものすごく危険な別人格が存在しているということ…そのことだけは、もう俺の口から田口に言ってもいいのではないか…
この機会に説明しておいた方が田口のためになるのではないかと…そんなような気持ちが…ひしひしと俺の中に渦巻き始めていた…
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今は興味がないなどと言っているものの、突然欲望を露わにし、田口に襲いかかることだって、あるかもしれない…
その時、寺崎の秘密を知らない田口はどれほどの打撃を受けるだろう…
やはりどう考えても、話しておくべきだ…
「あ…のね、田口さん…実は、寺崎は…」
俺は意を決して、
彼女に、
遂に真実を打ち明けることにした。
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