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優しい声
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「えっと… まあ、そこ…座って」
各々の部屋は、木製の小さな机といす、それとベッドだけが配置されたシンプルなものだった。
座る場所と言えば、ベッドのシーツの上か、もしくは一つだけある椅子…。
俺は当然のことながら、椅子に寺崎を促した。
「ああ…ごめんね」
周りの気配を気にしてか、小さな声でつぶやいて、寺崎がその椅子に腰かける。
リビングでもなく、部屋に冷蔵庫すらない…寺崎にお茶を出すことすらできない。
しかもこの時間だ…
圭一の訪問を断っておいて、理由はどうあれ寺崎を部屋に入れていることに少しの罪悪感を感じ始めた俺は、本当に話だけ聞いて早目に帰ってもらおうと考えていた。
「んで…話 って… 何…森林の、ことって… ?」
寺崎の方から、話し出さない限り、俺の方からは何も言えない…
森林がどこまで… 寺崎に話しているのか…
つまり、森林が寺崎に…俺や圭一に寺崎のことでなにかしら相談していると話しているとは、限らないからだ…
「… 聞いてない…?森林の話…僚介は… 」寺崎と視線がぶつかる。
「ん… …何… ?」そんな風に、真っすぐ見つめられて言われると、心臓がなる…
昔から、嘘をつくのがうまくないと自覚のある俺は、思わず寺崎から視線を逸らす。
「知ってたんだよね…?森林が今回、俺に告白しようとしてたこと…僚介と奥村にはチラッと相談したって、さっき森林に聞いて、驚いたんだよね、 俺…」
「… … … … …」
そう、か… 森林はそんな風に、はっきり寺崎に説明していたのか…
なら、話は早い…俺が口を開こうとした瞬間、
「なんで… … ?」いつも通りの優しい声音、だが…
少し、震えたような、寺崎の声が耳に届き、ドキリとした。
各々の部屋は、木製の小さな机といす、それとベッドだけが配置されたシンプルなものだった。
座る場所と言えば、ベッドのシーツの上か、もしくは一つだけある椅子…。
俺は当然のことながら、椅子に寺崎を促した。
「ああ…ごめんね」
周りの気配を気にしてか、小さな声でつぶやいて、寺崎がその椅子に腰かける。
リビングでもなく、部屋に冷蔵庫すらない…寺崎にお茶を出すことすらできない。
しかもこの時間だ…
圭一の訪問を断っておいて、理由はどうあれ寺崎を部屋に入れていることに少しの罪悪感を感じ始めた俺は、本当に話だけ聞いて早目に帰ってもらおうと考えていた。
「んで…話 って… 何…森林の、ことって… ?」
寺崎の方から、話し出さない限り、俺の方からは何も言えない…
森林がどこまで… 寺崎に話しているのか…
つまり、森林が寺崎に…俺や圭一に寺崎のことでなにかしら相談していると話しているとは、限らないからだ…
「… 聞いてない…?森林の話…僚介は… 」寺崎と視線がぶつかる。
「ん… …何… ?」そんな風に、真っすぐ見つめられて言われると、心臓がなる…
昔から、嘘をつくのがうまくないと自覚のある俺は、思わず寺崎から視線を逸らす。
「知ってたんだよね…?森林が今回、俺に告白しようとしてたこと…僚介と奥村にはチラッと相談したって、さっき森林に聞いて、驚いたんだよね、 俺…」
「… … … … …」
そう、か… 森林はそんな風に、はっきり寺崎に説明していたのか…
なら、話は早い…俺が口を開こうとした瞬間、
「なんで… … ?」いつも通りの優しい声音、だが…
少し、震えたような、寺崎の声が耳に届き、ドキリとした。
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