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ドアの前
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俺は、閉じてしまった森林の部屋のドアを見つめる。
なんで… 俺は…
こんな大事なことを忘れてしまっていたんだろう…
森林の言うとおりだ。
自分のことを好きだと告白した相手に対して…
他の人間にその相手にチャレンジしてみろよと促すなんて…
無神経にもほどがある…
「はあ…」リビングの掛け時計を見ると、もう12時近い…
明日も早いし俺も寝ようと部屋に入ろうとした瞬間、背後から声を掛けられる。
「先輩…」
「う、わ…なんだ、…けい、いち … ビックリした…」
「なんか、眠れないんですよね…」
俺の部屋のドアの前で、俺をジッと見下ろす圭一。
相変わらずデカい圭一…
いつも、俺の身体をすっぽり包み込んでしまう逞しいその体格に、圭一とこんな関係になってしまった今でも、毎回ドキドキしてしまう…
「…っと、明日も早い…よな… なんとか渓谷…ってとこ、目指すんだろ…早く寝ないとな…」
「あの、今から先輩の部屋、…お邪魔しても、いいですか? 」
「え… ?」
「…入ってしまえば誰にも、バレませんよ。俺らが一緒にいるなんて…とりあえず、一緒に寝たい…」
「や、…でも… 見られたら…周りに、聞こえたら…」
「ドア…出入りの時は十分気を付けますんで… 声だって出さなければ大丈夫ですよ…」
「声…って、 なん… の…」
「…会話、…ですよ…先輩、何…考えてるんですか…あー-… まさか… 」
「う…!や、…別に、何も… …!!」
「そもそも森林は俺らのこと、知ってるんだし、寺崎さんにだって、別に…知られたって、構わないでしょう…」
「駄目だ!それは… … 」
「なんで…?」
「だって…男と男、だし… 変に思われたら… 」
「変って…そもそも… 寺崎さんだって、先輩に告白、してんじゃないですか…」
「う… … 」森林と同じだ… 圭一も全て、知っているのか…
俺は愕然としながらも、圭一に断りの言葉を放つ。
「だから、駄目だって…余計に駄目だ…な、圭一。俺と圭一二人きりの時間はこれからいつだって作れる…またにしよ。今回ばかりは駄目だ…」俺は手を伸ばして、圭一の頭を撫でる。
「ううう… わかりました… 今日は先輩のこと考えながら一人でします…声、漏れたらすみません…おやすみなさい!」
「え…馬鹿、…駄目だそんなの…早く行けっ… おやすみ!」
「おやすみ、なさい…」
ドアを閉め自分の部屋に入ってから、やっと…ほっと、息をする…。
なんで… 俺は…
こんな大事なことを忘れてしまっていたんだろう…
森林の言うとおりだ。
自分のことを好きだと告白した相手に対して…
他の人間にその相手にチャレンジしてみろよと促すなんて…
無神経にもほどがある…
「はあ…」リビングの掛け時計を見ると、もう12時近い…
明日も早いし俺も寝ようと部屋に入ろうとした瞬間、背後から声を掛けられる。
「先輩…」
「う、わ…なんだ、…けい、いち … ビックリした…」
「なんか、眠れないんですよね…」
俺の部屋のドアの前で、俺をジッと見下ろす圭一。
相変わらずデカい圭一…
いつも、俺の身体をすっぽり包み込んでしまう逞しいその体格に、圭一とこんな関係になってしまった今でも、毎回ドキドキしてしまう…
「…っと、明日も早い…よな… なんとか渓谷…ってとこ、目指すんだろ…早く寝ないとな…」
「あの、今から先輩の部屋、…お邪魔しても、いいですか? 」
「え… ?」
「…入ってしまえば誰にも、バレませんよ。俺らが一緒にいるなんて…とりあえず、一緒に寝たい…」
「や、…でも… 見られたら…周りに、聞こえたら…」
「ドア…出入りの時は十分気を付けますんで… 声だって出さなければ大丈夫ですよ…」
「声…って、 なん… の…」
「…会話、…ですよ…先輩、何…考えてるんですか…あー-… まさか… 」
「う…!や、…別に、何も… …!!」
「そもそも森林は俺らのこと、知ってるんだし、寺崎さんにだって、別に…知られたって、構わないでしょう…」
「駄目だ!それは… … 」
「なんで…?」
「だって…男と男、だし… 変に思われたら… 」
「変って…そもそも… 寺崎さんだって、先輩に告白、してんじゃないですか…」
「う… … 」森林と同じだ… 圭一も全て、知っているのか…
俺は愕然としながらも、圭一に断りの言葉を放つ。
「だから、駄目だって…余計に駄目だ…な、圭一。俺と圭一二人きりの時間はこれからいつだって作れる…またにしよ。今回ばかりは駄目だ…」俺は手を伸ばして、圭一の頭を撫でる。
「ううう… わかりました… 今日は先輩のこと考えながら一人でします…声、漏れたらすみません…おやすみなさい!」
「え…馬鹿、…駄目だそんなの…早く行けっ… おやすみ!」
「おやすみ、なさい…」
ドアを閉め自分の部屋に入ってから、やっと…ほっと、息をする…。
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