【BL・R18】俺とシテみたいって・・・何をですか？

10分前

淫乱…

まるで、男なら誰でもいいかのような口ぶり…
俺が圭一以外の男と簡単に遊ぶような、いやらしい、言い方…ありえない…

「違う！…そんな、つもりはっ…！」シュウの言い方にカッとなり、反論を加えようとすると、

「…先輩…なんで…　？そんな…こと…」圭一の、震える声

「…　け…圭一　…」俺は言葉を…再び、失う…　

圭一の目が潤んでいる…　
いつもは男らしい切れ長の目から
今にも、涙がこぼれそうに見えるほどに…潤んで見えるのは、気のせいだろうか…　
あまりにも、悲痛な視線…俺の心臓も痛い…
どんどんと、鼓動が、早くなる…　

そうだ…　抱き締めて、キス…　駄目だ…　だめな、ことだった…
そのことで圭一に…　こんなにも悲しい目を…　
こんな顔を、させてしまった…　
圭一のこの表情は…
俺が…シュウにやられたって告白した時と同じ…それに、近い表情…

「あー－－あ…　おまえ、さいってい…いたいけな高校生男子、泣かせるとかさ～～大概にしろよ…でも、おまえもおまえだよな…大の男が…いや、マジで、てめえみたいにデカい男が…好きな男が他の奴と抱き合って、狂おしくチューしたくらいで…泣くなよ…弱すぎ…　くく…」

ガンと…　テーブルをたたく音…
「うるさい…おまえが言うな…もう、黙って…」圭一が下を向き、震え始める…

ヤバい…もう、ダメだ…今すぐにここを出ないと…　店にも迷惑が…

そう思った矢先…

「お客様…お話中大変申し訳ありませんが、あと10分ほどで閉店の時間となります…追加のご注文はございますか？」また、さきほどと同じ店員が、そんな説明を加える。
ちょうどいい…とにかく早く店を出て、コイツ抜きで…圭一と二人きりで話したい。

「いや、追加…って、あるわけないだろう…くく…おもしれえ…了解了解、あと10分な」

「失礼します…」店員は言うだけのことを言って、また軽やかにキッチンに消え去る。

「さあ、どうする…？とりあえず、邪魔者が…先に消えようか…？」

そうだ、邪魔だ…　お前は、今すぐに帰れ…　
そんな気持ちで…
俺は、いまだ俺の横に張り付いて離れないシュウを、精一杯睨みつけた…