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おかしな話

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「はーーー… 食った食った… って、何…おまえ、それ…食わねえの… ?食わねえなら、俺が食おうか…?」

「…  … … 」

「ダンマリかよ…  ちっ…そんなブータれた顔、俺に見せんなよ…せっかくの飯が、不味くなんじゃん…」

もともと、お前なんかと食事に来た覚えはない…
俺は寺崎とここに…
おまえじゃなく、寺崎と話したかっただけだ…

そもそも…なんで、このタイミングで…

最近、前よりも更に頻繁に、シュウが表に出てきているような気がするのは、気のせいだろうか…

「あ!すみません、店員さーーん…!!」

いきなり、シュウが大きな声で、遠くにいる店員を呼ぶ。 
おい…声がでか過ぎだ…   恥ずかしい…

「あ、はいっ…ただいま…!!」
先ほど食事を持ってきた時と同じ店員が、慌てたように、テーブルに駆け寄る。

「ホット珈琲一つ…  …
…    あ、おまえも、飲むか…?」

「… … …」

「ちっ…  無視かよ…、珈琲二つ、頼む。」

「はい、かしこまりました!」
店員がレシートを片手に、この場の空気を感じ取ったのか、素早い動きで厨房に引っ込む…

「さておまえら、何、俺がいない間に、こそこそ、やってんの…?」

「は…?コソコソ、なんてしてない…ただ、話を… 」
「あれだろ…?くくくっ…」

まだ俺が続けているのに言葉をかぶせてくるシュウ… 
相変わらず、最高に…自己中な男だ…

「昨夜のことだろ…あの後、自分が何しちまったのか、お前に聞きたかったんだろうな…中の奴…くくっ…  俺と違って、消えた後に自分が何してるかわからないってさ… マジで可哀想… 気持ちを伝えてもお前は振り向かんし…  ほんと、考えれば考えるほど不憫な奴だよな… 」

「… … うるさい… … 」

本当に、嫌な奴だ…  虫唾が走る…

「そうそう、俺…ちょっとおまえに面白い話、しとこうと思ってさ…
昨日は邪魔が入ったし…  俺、思ったんだけど…やっぱりこの身体… さ…」

嫌な笑みを浮かべて、俺を見るシュウ… 
 
なんだ… 何が、言いたい…?

「… … なん…だよ… 」声が小さくなる…

「実は、よ…前から思ってたんだが…実は、
俺の方が、本体なんじゃねえかって話…コイツ…そのうち、跡形もなく…消えるんじゃねえ…? くくっ…」

      「は…  … … ?」

男が…藪から棒に…
   訳のわからないことを、言う…
      おかしな、話だ…


俺は無言で…
 不敵に笑う、
     目の前の男を見つめた…
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