【BL・R18】俺とシテみたいって・・・何をですか？

シュウとの対峙

「おー　…　一応、初めまして、だよな…。俺はシュウ…まあ、とっくに知ってっか…くく…」

シュウが最初に口を開く。

「…　…」圭一は答えない。

「…んだよ…面白くねぇ…無反応か…おいおまえ…さっきも言ったけど、邪魔すんなよ…イイとこだったのに…俺はいつも表に出てこられるわけじゃねーんだよ…少しくらい譲れよ…おまえもあんま一人に執着すると、うぜえぞ…」

「…うるさい…　…　…黙れ…」

圭一の低い声…。

声音からして、ものすごく怒ってる…　
怒りを、必死に抑えているのがわかる…。

「なんだよおまえ…怒ってんなら…遠慮なくかかって来い…言っとくけど、俺は強いぞ…寺崎は動きがのろくて駄目だけど、…俺は違う…　おまえが俺とやりあおうってんなら、とことんやるぞ…潰す…」

シュウがそう言いながら、圭一を挑発するかのように、手のひらで招くような素振りをする…

「圭一…　、もういい…コイツの言うことなんて、聞くな…」

俺はそう言って、バッグを握りしめ、圭一のそばに即座に駆け寄る。
今なら…二人でなら、なんとか逃げ出せる…。

「な…圭一、もう、とりあえず今日は遅いし帰ろう…ごめんな、携帯、出れなくて…ほら、な…」

圭一の腕を引くようにすると、少し乱暴に振り払われる…。

「先輩…先輩は、ちょっとすみません…黙ってて、ください…俺、コイツに用があるんで…」

圭一の眼が…鋭く光っている…。
何をするつもりなんだ…言葉で何か言うのはいいとしても、シュウと、力でやりあう…喧嘩をすることだけは避けさせたかった…。

俺の直感だが、圭一とシュウ…体格はほぼ同じくらいだが…シュウの方が少しウェイトがある…腕も少し太い…
喧嘩も慣れていそうだ…　きっとまともにやりあうと、圭一の方が怪我をする…きっと、負けてしまう…。

シュウは後先を考えていない分、かなり…危険すぎる男だ。

学生の…しかも受験生の圭一に、こんなことで大きな傷を追わせたくない…絶対に…。

「用って…なんだよ…お願いだ、圭一…。俺の言うことを聞いて…今日は…今日だけは帰ろう…」

　　　　　　　圭一は答えない…。