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寺崎の問い
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「ありがとうございました~」
笑顔の店員に見守られて、二人で焼肉店を出る。
店先ではサラリーマンらしきスーツ姿の男達が酔っぱらった様子で楽しそうに話している。
それを横目に見ながら、俺たちは無言で夜の道を歩く。
寺崎の方を、まともに見ることが出来ない俺…
そして店を出てから、寺崎は一言も言葉を発しないまま…
沈黙はつらい…
気まずいけど、この状況は想像が出来ていた…
寺崎に聞かれるがままに、同じ男である圭一と付き合っていることを伝えたのだから、こんな空気になるのは当然だ…
でも…寺崎とは普通の友人として、できればこれからも続けていきたい。
都合の良いことかもしれないが俺はそう思っていた。
「うまかったな…焼肉。また、行こーな…」
「うん…そうだね、また…」
…寺崎の声は沈んでいて、やっぱり元気がない。
公園に差し掛かった頃、
「あのさ…僚介…、もういっこ、聞いてもいいか…?」寺崎が俺を見る。
「う…ん、なんだ…?」
質問は怖い…
でも、今日は寺崎の質問にできるだけ誠実に答えたいと思っていた俺は、寺崎を見上げる。
「奥村…より先に…
もしもだけど…奥村より先に、俺がおまえに好きだって言えていたら…おまえは…俺を好きになってくれたのかな…それともやっぱ…告白の…順番とか関係なく…」
寺崎の問いに、俺はあらためて、考える。
笑顔の店員に見守られて、二人で焼肉店を出る。
店先ではサラリーマンらしきスーツ姿の男達が酔っぱらった様子で楽しそうに話している。
それを横目に見ながら、俺たちは無言で夜の道を歩く。
寺崎の方を、まともに見ることが出来ない俺…
そして店を出てから、寺崎は一言も言葉を発しないまま…
沈黙はつらい…
気まずいけど、この状況は想像が出来ていた…
寺崎に聞かれるがままに、同じ男である圭一と付き合っていることを伝えたのだから、こんな空気になるのは当然だ…
でも…寺崎とは普通の友人として、できればこれからも続けていきたい。
都合の良いことかもしれないが俺はそう思っていた。
「うまかったな…焼肉。また、行こーな…」
「うん…そうだね、また…」
…寺崎の声は沈んでいて、やっぱり元気がない。
公園に差し掛かった頃、
「あのさ…僚介…、もういっこ、聞いてもいいか…?」寺崎が俺を見る。
「う…ん、なんだ…?」
質問は怖い…
でも、今日は寺崎の質問にできるだけ誠実に答えたいと思っていた俺は、寺崎を見上げる。
「奥村…より先に…
もしもだけど…奥村より先に、俺がおまえに好きだって言えていたら…おまえは…俺を好きになってくれたのかな…それともやっぱ…告白の…順番とか関係なく…」
寺崎の問いに、俺はあらためて、考える。
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