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圭一の苦悩
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なんてことだ…
俺は暗闇の中、隣で眠る先輩を見る。
信じられない…
信じたくない…
でも…少し…ほんの少しだけ、妙に納得している自分がいた。
寺崎先輩…
俺は実はずっと前から…どこがとは言えないけど…寺崎先輩の何かが…どこかが…おかしいと思っていた…
初めてバイト先に、先輩が寺崎先輩を連れて来た日…
その時は普通に、
優しそうで驚くほどに美形な…綺麗な男だなって、そんな風に思った。
物言いも優しくて、穏やかで…そのくせ、茶目っけもあって冗談も通じそうな…そんな感じだった。
だけど…何かが…
まあ、これは単なる俺の勘違いかもしれないし、そもそも俺だって自分の先輩に対する感情に戸惑って好きだと告白もできていなかった段階だったから、わざわざ先輩に言ったこともなかったけど…
ある日のバイトで、寺崎先輩の先輩を見る目つきが…なんかヤバい…
確かに、俺がそんな風に思った瞬間があった。
奴の、先輩の後ろ姿を追う視線が…
先輩の頭の先から脚の先まで隈なく、全身にまとわりつくような感じで…なんとなく…嫌な感じがして、
先輩は多分、背後からだったせいか、
もしくはそもそも、人を疑わない優しくて平和主義の…少し天然が入ってる?くらいのぼやんとした性格の先輩だからか…
全然…本当にそういったことに全くなんにも気付いていない様子だったから、俺も先輩の不安をわざわざ煽りたくはなく、その時すぐには言わなかったけど…
まさかの… … 二重人格… だと… ?
そうか…
それならばと…妙に、腑に落ちた。
普段の寺崎先輩と…その視線を投げていた人物は…
恐らくは…別人格、だったのだろう…。
きっとその寺崎先輩の中に潜むシュウとかいう男は、
先輩の前では巧妙にその姿を隠しながら、今か今かと、先輩を襲うチャンスをうかがっていたに違いない…
最悪だ…
俺は…馬鹿だ…
先輩のことが、ずっと…ずっと前から、こんなにも好きで…
好きで好きで…たまらなくって、やっと告白して…
やっと俺の気持ちを受け入れてもらって…
やっと…この前、先輩と一つに…なれた…のに…
最高に…幸せを感じた…
男同士で、受け入れてもらえないと思っていた先輩と…好きな人と、やっと…結ばれて、
今まで生きてきて本当に1番の幸福を感じて…最高に…幸せな気分だったのに…
なんてことだ…
俺は馬鹿だ…駄目な男だ…
のほほんと…先輩を手に入れて有頂天になって自分の幸せに浸り…
先輩が…残忍な男…シュウに、とっくの昔に、乱暴されていたことに全く気付かず…
ああ…思えばあの日、
俺が先輩に、週末の参考書を買いに付き合ってもらったあの日…
あの日、確かに先輩の顔色が途中かなり悪かったが…二日酔いという先輩の言葉を、疑うことなく…先輩の苦しみに…気付かなかった馬鹿な俺…
最悪だ…自分をぶん殴りたい…
こんなんで、彼氏って言えるか……
俺は隣に眠る先輩を見る…
スヤスヤと綺麗な顔で眠る先輩…
守らなきゃ…
二重人格だかなんだか知らないが、その、シュウという男、絶対に許さない…
ああ…
そして寺崎先輩…も、先輩のことを…
どうすればいい…
これからどうするべきか…わからない…けど、
俺はまだ、混乱する思考をなんとか落ち着かせながら、ゆっくりと先輩に近寄り、その可愛い小さな唇にキスをした。
「…んっ…」
小さな声をあげ身じろぐ先輩…
もう、絶対に離さない…
俺はそう、心に誓って、目を閉じた…
俺は暗闇の中、隣で眠る先輩を見る。
信じられない…
信じたくない…
でも…少し…ほんの少しだけ、妙に納得している自分がいた。
寺崎先輩…
俺は実はずっと前から…どこがとは言えないけど…寺崎先輩の何かが…どこかが…おかしいと思っていた…
初めてバイト先に、先輩が寺崎先輩を連れて来た日…
その時は普通に、
優しそうで驚くほどに美形な…綺麗な男だなって、そんな風に思った。
物言いも優しくて、穏やかで…そのくせ、茶目っけもあって冗談も通じそうな…そんな感じだった。
だけど…何かが…
まあ、これは単なる俺の勘違いかもしれないし、そもそも俺だって自分の先輩に対する感情に戸惑って好きだと告白もできていなかった段階だったから、わざわざ先輩に言ったこともなかったけど…
ある日のバイトで、寺崎先輩の先輩を見る目つきが…なんかヤバい…
確かに、俺がそんな風に思った瞬間があった。
奴の、先輩の後ろ姿を追う視線が…
先輩の頭の先から脚の先まで隈なく、全身にまとわりつくような感じで…なんとなく…嫌な感じがして、
先輩は多分、背後からだったせいか、
もしくはそもそも、人を疑わない優しくて平和主義の…少し天然が入ってる?くらいのぼやんとした性格の先輩だからか…
全然…本当にそういったことに全くなんにも気付いていない様子だったから、俺も先輩の不安をわざわざ煽りたくはなく、その時すぐには言わなかったけど…
まさかの… … 二重人格… だと… ?
そうか…
それならばと…妙に、腑に落ちた。
普段の寺崎先輩と…その視線を投げていた人物は…
恐らくは…別人格、だったのだろう…。
きっとその寺崎先輩の中に潜むシュウとかいう男は、
先輩の前では巧妙にその姿を隠しながら、今か今かと、先輩を襲うチャンスをうかがっていたに違いない…
最悪だ…
俺は…馬鹿だ…
先輩のことが、ずっと…ずっと前から、こんなにも好きで…
好きで好きで…たまらなくって、やっと告白して…
やっと俺の気持ちを受け入れてもらって…
やっと…この前、先輩と一つに…なれた…のに…
最高に…幸せを感じた…
男同士で、受け入れてもらえないと思っていた先輩と…好きな人と、やっと…結ばれて、
今まで生きてきて本当に1番の幸福を感じて…最高に…幸せな気分だったのに…
なんてことだ…
俺は馬鹿だ…駄目な男だ…
のほほんと…先輩を手に入れて有頂天になって自分の幸せに浸り…
先輩が…残忍な男…シュウに、とっくの昔に、乱暴されていたことに全く気付かず…
ああ…思えばあの日、
俺が先輩に、週末の参考書を買いに付き合ってもらったあの日…
あの日、確かに先輩の顔色が途中かなり悪かったが…二日酔いという先輩の言葉を、疑うことなく…先輩の苦しみに…気付かなかった馬鹿な俺…
最悪だ…自分をぶん殴りたい…
こんなんで、彼氏って言えるか……
俺は隣に眠る先輩を見る…
スヤスヤと綺麗な顔で眠る先輩…
守らなきゃ…
二重人格だかなんだか知らないが、その、シュウという男、絶対に許さない…
ああ…
そして寺崎先輩…も、先輩のことを…
どうすればいい…
これからどうするべきか…わからない…けど、
俺はまだ、混乱する思考をなんとか落ち着かせながら、ゆっくりと先輩に近寄り、その可愛い小さな唇にキスをした。
「…んっ…」
小さな声をあげ身じろぐ先輩…
もう、絶対に離さない…
俺はそう、心に誓って、目を閉じた…
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