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逆鱗
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「あ…あのさ…前にほら、随分前にほら、あの…おまえが何度もラインくれてた…あの、久々にゼミの飲み会に行くんだって話したあの日…あの日の夜にさ…俺、めちゃくちゃに…酔っぱらってさ…歩けなくなって、記憶も飛んだりして…気付いたら、あの…さ…」
そこまで話して、横に座る、岩のように固まっている圭一を見る。
「… … …」 圭一が何か呟く。
「え…?」なんて言ったのかわからなくて、聞き返す俺。
「殺す…」
…恐ろしいほどに低い、圭一の声…
「… ぶっ…殺す… 」言いながら、目に見えて、小刻みに震えだす圭一。
握っている俺の手に、さらに圭一の力が加わる…痛い…
ああ…抑えろ…落ち着け圭一…心の中ではそう思っても、口には出せなかった…
「あ…相手は…そのふざけたゲスな男…は、誰…なんです…?まさか…俺の知ってる奴…だったり…します…?」
ぶっ殺す…
ゲスな男…
そのキーワードは…普段、圭一が絶対に口にしない、そんなたぐいのものだった…
たとえふざけている場面でも、圭一があえてそんな負の感情を招く言葉を口にすることは滅多にない。
普段は優しくて懐っこくて、犬コロのように可愛い…そんな奴。
その圭一が、今…静かに怒っている…
今はまだ感情をむき出しにしていないけど…抑えているだけだ…
俺はそう思いながらも、圭一の質問に答えるべく、もう一度圭一に向き直る。
「あ…相手は…おまえの知って…る奴で…あ…の…」
俺の言葉が意図せず途切れる…
圭一がピクリと反応する。
ああ…寺崎の名を言いたくない…
でも、言わなきゃ…言わなくちゃ…
俺はなんとか口を開く。
「相手は…て、寺崎だ…。
…でも、これにはワケがある…それを今から…説明っ…、あっ…」
圭一の顔が、一瞬で苦痛に歪む。
再び、俺はソファーに乱暴に押し倒される…。
「けっ…圭一っ…お、落ち着け…っ!!まだ、話…続き…んっ、うっ…んンっ…」
舌を無理矢理に…ねじ込まれ… 唇を塞がれる…
熱い舌が口内を這いまわり…俺の逃げるように動く舌に、何度も絡められる…
「んん… 」 息が出来ない… 苦しい…
その後、圭一の大きな手が俺の身体を乱暴に這いまわり、俺の上の服は瞬く間に脱がされ、その服で両腕を縛られるような格好に…なる…
え…?…け…圭一…
「んンっ …う」…俺は首をねじるようにして圭一の唇からやっと離れ、小さく叫ぶ。
「圭一っ! や…落ち…着けっ…な…何すんだ…これ、こういうの、や…だっ…離せ…いやだ…」
「……」圭一は答えない。
つい数分前の…キラキラした目とは程遠い…暗い目で、俺を見降ろす。
ああ…駄目だ…
とても話を、冷静に聞いてもらえそうにない…
どうやら俺は、圭一の逆鱗に触れた…みたいだ…。
そこまで話して、横に座る、岩のように固まっている圭一を見る。
「… … …」 圭一が何か呟く。
「え…?」なんて言ったのかわからなくて、聞き返す俺。
「殺す…」
…恐ろしいほどに低い、圭一の声…
「… ぶっ…殺す… 」言いながら、目に見えて、小刻みに震えだす圭一。
握っている俺の手に、さらに圭一の力が加わる…痛い…
ああ…抑えろ…落ち着け圭一…心の中ではそう思っても、口には出せなかった…
「あ…相手は…そのふざけたゲスな男…は、誰…なんです…?まさか…俺の知ってる奴…だったり…します…?」
ぶっ殺す…
ゲスな男…
そのキーワードは…普段、圭一が絶対に口にしない、そんなたぐいのものだった…
たとえふざけている場面でも、圭一があえてそんな負の感情を招く言葉を口にすることは滅多にない。
普段は優しくて懐っこくて、犬コロのように可愛い…そんな奴。
その圭一が、今…静かに怒っている…
今はまだ感情をむき出しにしていないけど…抑えているだけだ…
俺はそう思いながらも、圭一の質問に答えるべく、もう一度圭一に向き直る。
「あ…相手は…おまえの知って…る奴で…あ…の…」
俺の言葉が意図せず途切れる…
圭一がピクリと反応する。
ああ…寺崎の名を言いたくない…
でも、言わなきゃ…言わなくちゃ…
俺はなんとか口を開く。
「相手は…て、寺崎だ…。
…でも、これにはワケがある…それを今から…説明っ…、あっ…」
圭一の顔が、一瞬で苦痛に歪む。
再び、俺はソファーに乱暴に押し倒される…。
「けっ…圭一っ…お、落ち着け…っ!!まだ、話…続き…んっ、うっ…んンっ…」
舌を無理矢理に…ねじ込まれ… 唇を塞がれる…
熱い舌が口内を這いまわり…俺の逃げるように動く舌に、何度も絡められる…
「んん… 」 息が出来ない… 苦しい…
その後、圭一の大きな手が俺の身体を乱暴に這いまわり、俺の上の服は瞬く間に脱がされ、その服で両腕を縛られるような格好に…なる…
え…?…け…圭一…
「んンっ …う」…俺は首をねじるようにして圭一の唇からやっと離れ、小さく叫ぶ。
「圭一っ! や…落ち…着けっ…な…何すんだ…これ、こういうの、や…だっ…離せ…いやだ…」
「……」圭一は答えない。
つい数分前の…キラキラした目とは程遠い…暗い目で、俺を見降ろす。
ああ…駄目だ…
とても話を、冷静に聞いてもらえそうにない…
どうやら俺は、圭一の逆鱗に触れた…みたいだ…。
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