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迷惑
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俺は呆然とした。
今、この二人に会いたくはなかった。
考えなきゃいけないことは山積しているが、とりあえず逃げ出したかったのに…よりにもよって、なんで離れたかった相手に、今この場所で鉢合うなんて…
俺は一瞬、言葉に詰まったものの、気付けば発声していた。
「ああ…奇遇…だな、寺崎と田口、さん…デート?俺と圭一はまあ、買い物、みたいな。」
俺らのことは聞かれてもいないけど…先手必勝だ。余計な勘ぐりをされる前に、説明しておきたかった。
「そうなんですね!私たちは、そう、デートです。ちょっと私が買い物し過ぎちゃって、お昼食べ損ねて…ほら、こんなに、買っちゃいました。」
田口はそういって、俺は全然詳しくないが、どこぞのブランドかなんか?の紙袋をいくつか少し上に掲げる。
寺崎は…表情がちょっと固い、うっすら笑みを浮かべているが、この前俺が逃げるように学食を去ったことを…気にしているか、怒っているのかもしれない。
圭一は、後ろを振り返ったまま、二人に軽く会釈した。田口は初対面だが、圭一は特に自己紹介もしないスタンスのようだ。
かなり、気まずい…
一応の挨拶は済ませた。どうでもいいから、早く立ち去ってほしい。できるだけ、俺らから遠くの席へ。
二人が立ち往生しているように見えたのか、はたまた知り合いで最初からの約束だと思ったのか、店内に案内した店員さんらしき人がお水を二人分、お盆にのせて近くまできていた。
「お客様、ご一緒でよろしいですか?
お席、狭いかもしれませんので、もしよろしければ、お荷物をこちらのかごへどうぞ。」
そう言ってコップをテーブルに置いたあと、床上にあるカゴを差し出し説明を加える。
…冗談じゃない…
…この二人と、相席なんてできるわけがない…
俺はすぐに口を開く。
「あ!…一緒じゃないです。別々ですから、分けて…」と言うのを遮るように、この…美少女は…全く空気を読んでくれない、発言をする。
「良かったらですけど4人で同席、できませんか…?もしかして遅めのランチなら私たちと一緒ですし。…ね、秋夜さん、佐々木先輩…ダメですか…?
あ、そちらの方も…もし良ければ、ですけど…」
…ありえない…こんな組み合わせで食事なんて俺は絶対、楽しめない…せっかくの圭一との楽しいトークとランチが…台無しになる。
俺が口を開こうとしたら、圭一が口を開く。
「あ、俺は全然、よいですよ…相席。
先輩と二人では、いつでも行けるし。
もちろん、寺崎さんと先輩がよければ、ですけど。」
… 圭一 … なんで、断る方向に動いてくれない。
俺はすがるように圭一を見るが、
なんだかいつものように反応してくれない…
俺は慌てて口を開く。
「あ、でも二人のデートの邪魔になるよな?ま、また落ち着いてからで、良くない…かな?」
落ち着いてこの四人で食事なんて、一生ありえない…
そうわかってはいながら、俺が必死に別々での着席を促したが、最後の頼みの綱の寺崎の回答が…
「じゃあ…まあ、僚介たちが…迷惑じゃないなら…」
…迷惑です…大迷惑… 死ぬほど…
お願いだから君たち、遠くで…食事してください…
…なんて、俺に言えるはずもなく、
最悪なことに…
俺らは4人で、ランチを楽しむことになっちまった。
あーあ…なんなんだ一体…
今、この二人に会いたくはなかった。
考えなきゃいけないことは山積しているが、とりあえず逃げ出したかったのに…よりにもよって、なんで離れたかった相手に、今この場所で鉢合うなんて…
俺は一瞬、言葉に詰まったものの、気付けば発声していた。
「ああ…奇遇…だな、寺崎と田口、さん…デート?俺と圭一はまあ、買い物、みたいな。」
俺らのことは聞かれてもいないけど…先手必勝だ。余計な勘ぐりをされる前に、説明しておきたかった。
「そうなんですね!私たちは、そう、デートです。ちょっと私が買い物し過ぎちゃって、お昼食べ損ねて…ほら、こんなに、買っちゃいました。」
田口はそういって、俺は全然詳しくないが、どこぞのブランドかなんか?の紙袋をいくつか少し上に掲げる。
寺崎は…表情がちょっと固い、うっすら笑みを浮かべているが、この前俺が逃げるように学食を去ったことを…気にしているか、怒っているのかもしれない。
圭一は、後ろを振り返ったまま、二人に軽く会釈した。田口は初対面だが、圭一は特に自己紹介もしないスタンスのようだ。
かなり、気まずい…
一応の挨拶は済ませた。どうでもいいから、早く立ち去ってほしい。できるだけ、俺らから遠くの席へ。
二人が立ち往生しているように見えたのか、はたまた知り合いで最初からの約束だと思ったのか、店内に案内した店員さんらしき人がお水を二人分、お盆にのせて近くまできていた。
「お客様、ご一緒でよろしいですか?
お席、狭いかもしれませんので、もしよろしければ、お荷物をこちらのかごへどうぞ。」
そう言ってコップをテーブルに置いたあと、床上にあるカゴを差し出し説明を加える。
…冗談じゃない…
…この二人と、相席なんてできるわけがない…
俺はすぐに口を開く。
「あ!…一緒じゃないです。別々ですから、分けて…」と言うのを遮るように、この…美少女は…全く空気を読んでくれない、発言をする。
「良かったらですけど4人で同席、できませんか…?もしかして遅めのランチなら私たちと一緒ですし。…ね、秋夜さん、佐々木先輩…ダメですか…?
あ、そちらの方も…もし良ければ、ですけど…」
…ありえない…こんな組み合わせで食事なんて俺は絶対、楽しめない…せっかくの圭一との楽しいトークとランチが…台無しになる。
俺が口を開こうとしたら、圭一が口を開く。
「あ、俺は全然、よいですよ…相席。
先輩と二人では、いつでも行けるし。
もちろん、寺崎さんと先輩がよければ、ですけど。」
… 圭一 … なんで、断る方向に動いてくれない。
俺はすがるように圭一を見るが、
なんだかいつものように反応してくれない…
俺は慌てて口を開く。
「あ、でも二人のデートの邪魔になるよな?ま、また落ち着いてからで、良くない…かな?」
落ち着いてこの四人で食事なんて、一生ありえない…
そうわかってはいながら、俺が必死に別々での着席を促したが、最後の頼みの綱の寺崎の回答が…
「じゃあ…まあ、僚介たちが…迷惑じゃないなら…」
…迷惑です…大迷惑… 死ぬほど…
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…なんて、俺に言えるはずもなく、
最悪なことに…
俺らは4人で、ランチを楽しむことになっちまった。
あーあ…なんなんだ一体…
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