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視線の先

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俺たちはその後、少しだけ今度行く旅行のことをパソコンで調べて、その部屋を後にした。

圭一は最初にいったとおり、あの後ほどなくして俺に対する行為をやめ、俺を解放してくれた。

ただ俺は…かなり中途半端な状態で投げ出されたような感じで…しばらく身体の火照りが取れなかった。
二人で歩きながらも
「先輩…まだ顔が赤いですよ…大丈夫ですか?」と圭一に聞かれたときは、一体誰のせいだっ…て、突っ込みたくなった。
圭一め…でもやっぱり可愛いからいつも許してしまうけど…

その後、俺たちは昼ごはんの店を探しに街をうろつきまわった。土曜日だからか街は人出が多かったが、お昼の時間をかなり過ぎていたためか、飲食店の中は比較的人が減ってきていた。
歩き疲れた俺らは、その中で見つけた少し小洒落た洋食屋に入った。

店内はまばらで、全体の半分ほどしか席が埋まっていない。だからか、2人なのに、窓際の4人席にゆっくり座れるよう店員さんが案内してくれた。

メニューを見ると、ランチは午後3時まで。
まだ2時過ぎだったので、二人とも適当なランチを注文して、くつろぎながら俺らはたわいない話をした。

圭一の勉強のこと、試験のこと、学校の出来事ほか…色々。

圭一がバイトを減らしているため、かなり接触回数が減ったこともあり、久々に俺らは顔をみて会話を楽しんだ…とはいえ、話しながらも、さっき圭一にされた濃厚なキスや行為を不意に思い出しては、頭の中だけで打ち消す…の繰り返しだった。まあ、圭一はもちろん、気付いていないと思うけど。

そうやって話をしている最中に不意に視線を感じた。

俺が奥の席に座っていて圭一には見えていない状態だったが、その先にいたのは… 

ああ…  なんで…  ここに…

…田口…と

 寺崎… がそこに…立っていた。

「…あ!やっぱり!…りょう…佐々木先輩だ…!こんにちわ…奇遇ですね…!」

この子また、俺を名前で…  呼びかけた…。

圭一がその声に、無言で後ろを振り返る…。

 「… …」

なんでこのタイミングで、この二人はこの店に入店してきたんだ…こんなに沢山、店がある、大都会で…


       あああああ…

     

    俺は内心で、頭を抱えた。




















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