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半個室
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ギッ…個室のドアが開く。
「先輩、お待たせしました…」圭一が両手にグラスを抱えた状態で、肘でドアを開ける。
昔の西部劇で見るような、片側が蝶番になっているドアで、弱い力で簡単に扉が開く。
俺は圭一を待っている間の緊張感に耐えられず、圭一が行ってから程なくしてネットを開き、今度の旅行先、由布院の観光スポットを検索しているところだった。
「あ…圭一、今度の由布院のさ…旅行で、観光地どこに行くか、調べてるとこ。おまえ、どっか気になる場所とか、行きたい店、あるか?」
圭一が無言でドリンクのグラスを2つ机に置き、俺の隣にあるペアシートの一つにギッと音をたてて腰掛ける。
「先輩…」圭一が至近距離から、俺を呼ぶ。
「あ…あのさ、俺…ここで乗れる馬車みたいなのが…あるみたいでさ、ちょっと気になってて…あ、でも、野郎二人で、馬車とか…多分、無理だな…」
俺がパソコンの画面を指差しながら圭一を横目で見ると、圭一の目線が俺に、絡みつく…気がした。
おもむろに、画面を指さしている俺の人差し指を、大きな手で包み込む圭一 …
「っ!… あ…っ、のさっ…」
俺が言葉を続けようと口を開くと、
「先輩…話は…後で全部聞きますから…まずは、俺に栄養補給、してください…キスしたいです。誰も見ていないし、ここでならいいでしょう…?たまには先輩から…キス、して欲しいです…」
そう言って、個室内の薄暗闇の中、ゆっくりと目を閉じる圭一。
俺から…キスとか…恥ずかし過ぎる…
それでも本当は俺自身、ずっと圭一とキスしたかった。
だから俺は、圭一の希望通りしてみようと心に決め、圭一の方を向き直り、圭一の両頬を両手で包みこみ、圭一の唇に、ちゅっと、自分の唇を触れさせた。
頑張っても…これが俺の、限界だった。
圭一は、おもむろに大きなため息をつき、
「先輩…全く、ダメですね…全然、足りない…そんなんで、俺が満足できるはず…ないじゃないですか…」
圭一が口を尖らせ、俺に突然のしかかりながら
その一方で、
ギッ… リクライニングの軋む音。
圭一が器用に、その逞しい身体で俺を押し倒しながら、そのシートの角度を平らに近くなるまで押し下げる。
「な…圭一、やめろっ…ここ…は、公共の場所だぞ…変なことしたら…だめっ… ん、んっ…!」
俺の抵抗の声は、圭一によってかき消された。
「んツ …ん ふ… ん んんっ…ん」
圭一の舌が俺の口内を全て舐め上げ、食い尽くすように、蠢き回る。
「っ…あ、んっや…やめっ… んっ んっ!」
一瞬、唇が離れた瞬間に、圭一に抵抗しようと腕をバタつかせ声をあげようとすると、
「…しっ!…先輩…静かにしてください…ここは、公共の場所ですから、そんな…いやらしい挑発するような声、あげちゃダメですって…人が来ちゃいますよ…静かに…、ね?」
そう言いながら、笑いかけ、また俺の唇を息もできぬほどに塞ぐ。
「っん、んん…ふ…んっ んー…」
ああ…もう…だめだ…
圭一にかかれば、俺の抵抗なんて、全く歯が立たない… というか…もう俺は、圭一の濃厚なキスに、多分本当に最初から、骨抜きにされていた…
ああぁ… キスだけでこんな状態の俺…
これで、圭一に抱かれる…とか…本当に俺、大丈夫なんだろうか…身が…もたないかもしれない…
俺はそう思いながら、無駄な抵抗をやめ、
圭一のキスに身を委ねた…
もちろん、
出来るだけ、声を殺して…
「先輩、お待たせしました…」圭一が両手にグラスを抱えた状態で、肘でドアを開ける。
昔の西部劇で見るような、片側が蝶番になっているドアで、弱い力で簡単に扉が開く。
俺は圭一を待っている間の緊張感に耐えられず、圭一が行ってから程なくしてネットを開き、今度の旅行先、由布院の観光スポットを検索しているところだった。
「あ…圭一、今度の由布院のさ…旅行で、観光地どこに行くか、調べてるとこ。おまえ、どっか気になる場所とか、行きたい店、あるか?」
圭一が無言でドリンクのグラスを2つ机に置き、俺の隣にあるペアシートの一つにギッと音をたてて腰掛ける。
「先輩…」圭一が至近距離から、俺を呼ぶ。
「あ…あのさ、俺…ここで乗れる馬車みたいなのが…あるみたいでさ、ちょっと気になってて…あ、でも、野郎二人で、馬車とか…多分、無理だな…」
俺がパソコンの画面を指差しながら圭一を横目で見ると、圭一の目線が俺に、絡みつく…気がした。
おもむろに、画面を指さしている俺の人差し指を、大きな手で包み込む圭一 …
「っ!… あ…っ、のさっ…」
俺が言葉を続けようと口を開くと、
「先輩…話は…後で全部聞きますから…まずは、俺に栄養補給、してください…キスしたいです。誰も見ていないし、ここでならいいでしょう…?たまには先輩から…キス、して欲しいです…」
そう言って、個室内の薄暗闇の中、ゆっくりと目を閉じる圭一。
俺から…キスとか…恥ずかし過ぎる…
それでも本当は俺自身、ずっと圭一とキスしたかった。
だから俺は、圭一の希望通りしてみようと心に決め、圭一の方を向き直り、圭一の両頬を両手で包みこみ、圭一の唇に、ちゅっと、自分の唇を触れさせた。
頑張っても…これが俺の、限界だった。
圭一は、おもむろに大きなため息をつき、
「先輩…全く、ダメですね…全然、足りない…そんなんで、俺が満足できるはず…ないじゃないですか…」
圭一が口を尖らせ、俺に突然のしかかりながら
その一方で、
ギッ… リクライニングの軋む音。
圭一が器用に、その逞しい身体で俺を押し倒しながら、そのシートの角度を平らに近くなるまで押し下げる。
「な…圭一、やめろっ…ここ…は、公共の場所だぞ…変なことしたら…だめっ… ん、んっ…!」
俺の抵抗の声は、圭一によってかき消された。
「んツ …ん ふ… ん んんっ…ん」
圭一の舌が俺の口内を全て舐め上げ、食い尽くすように、蠢き回る。
「っ…あ、んっや…やめっ… んっ んっ!」
一瞬、唇が離れた瞬間に、圭一に抵抗しようと腕をバタつかせ声をあげようとすると、
「…しっ!…先輩…静かにしてください…ここは、公共の場所ですから、そんな…いやらしい挑発するような声、あげちゃダメですって…人が来ちゃいますよ…静かに…、ね?」
そう言いながら、笑いかけ、また俺の唇を息もできぬほどに塞ぐ。
「っん、んん…ふ…んっ んー…」
ああ…もう…だめだ…
圭一にかかれば、俺の抵抗なんて、全く歯が立たない… というか…もう俺は、圭一の濃厚なキスに、多分本当に最初から、骨抜きにされていた…
ああぁ… キスだけでこんな状態の俺…
これで、圭一に抱かれる…とか…本当に俺、大丈夫なんだろうか…身が…もたないかもしれない…
俺はそう思いながら、無駄な抵抗をやめ、
圭一のキスに身を委ねた…
もちろん、
出来るだけ、声を殺して…
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