124 / 363
混乱
しおりを挟む
「僚介…?おい、おーい…」
俺は目の前に寺崎がいるにも関わらず、軽く放心状態になっていた。
今…寺崎…いや、シュウが延々と俺の目の前で話し続けたことは、本当の話…なのか…?
寺崎が俺のことをどうとか…こうとか…
それとも、シュウが面白がって適当に作った話を俺に…?…デタラメ…にしては、話が具体的で田口の件も含めてなんとなく…筋が通っている…気もしてくる…
… …背筋に冷たい汗が、伝った。
俺は思わず、無言で寺崎を見返す。
目の前にいるのは、いつもの寺崎だ。
優しくて気さくで、友達思いの。
何か話さなければ…
頭ではそう思うのにうまく言葉が出てこない。
「僚介…俺、今また少し、記憶飛んでたみたいだな…サンドウィッチ、食べた覚え…ないし…
まさかまた、中の奴が現れておまえに、なんか言ったり…、したり…したの…か…?」
寺崎がこちらをみて真っ直ぐに尋ねてくるが、俺に今、スラスラと答える力は残っていなかった。
「ごめん…寺崎…ちょっと俺、急ぎのさ…用事思い出したから今日はちょっと、うん、やめとくわ。ごめん、こっちから声かけたのに…また、時間ある時に誘うな。」
不安そうな表情を浮かべている寺崎をその場に置き去りにして、俺はその場をそそくさと立ち去った。
早足で、家に向かう。
歩きながらも、シュウが話した内容が頭の中をグルグルと駆け巡る。
寺崎が…俺を…だと…?
まさか…
入学してからすぐ、友達のいなかった俺に声をかけてくれてから、ずっと、気のおけない仲良い友人…だと思っていた、寺崎が…
シュウのいうように…お…男の俺と…セックス…したいとか、そんな感情を俺に対して…抱いているとでもいうのか…
今、この1年半近くを思い返してみても、寺崎からそんな感情、ただの一度も、微塵にも…俺には感じることはできなかった。
唯一、圭一だけが、寺崎のことを危険な感じがするから気をつけろと…言っていたが、それはあくまで、寺崎の中のシュウという危険な存在を圭一が本能みたいなもので感じ取って、俺に告げた…んだと思っていたし…。
俺は…愕然とした、ただ…
あくまで、シュウの…言うことだ。
100%信じるのは、やっぱり…危険だ。
なにより、寺崎本人から、俺自身に対してそんな感情を吐露されていない以上…今までどおり寺崎と接していくより、ほかはない。
ただ…俺の中に…
シュウだけではなく、寺崎本人に対しても一種の警戒心みたいなものが生まれてしまったことは、やはり否めない…。
ごめんな…寺崎…おまえは…悪くない…けど、
もう少し考える時間と、おまえとの距離が欲しい…
圭一… 俺…どうしたらいいんだ…
どんどん…対処法が、わからなくなってきた…
俺は…
混乱する頭を抱えながら帰路につく。
俺は目の前に寺崎がいるにも関わらず、軽く放心状態になっていた。
今…寺崎…いや、シュウが延々と俺の目の前で話し続けたことは、本当の話…なのか…?
寺崎が俺のことをどうとか…こうとか…
それとも、シュウが面白がって適当に作った話を俺に…?…デタラメ…にしては、話が具体的で田口の件も含めてなんとなく…筋が通っている…気もしてくる…
… …背筋に冷たい汗が、伝った。
俺は思わず、無言で寺崎を見返す。
目の前にいるのは、いつもの寺崎だ。
優しくて気さくで、友達思いの。
何か話さなければ…
頭ではそう思うのにうまく言葉が出てこない。
「僚介…俺、今また少し、記憶飛んでたみたいだな…サンドウィッチ、食べた覚え…ないし…
まさかまた、中の奴が現れておまえに、なんか言ったり…、したり…したの…か…?」
寺崎がこちらをみて真っ直ぐに尋ねてくるが、俺に今、スラスラと答える力は残っていなかった。
「ごめん…寺崎…ちょっと俺、急ぎのさ…用事思い出したから今日はちょっと、うん、やめとくわ。ごめん、こっちから声かけたのに…また、時間ある時に誘うな。」
不安そうな表情を浮かべている寺崎をその場に置き去りにして、俺はその場をそそくさと立ち去った。
早足で、家に向かう。
歩きながらも、シュウが話した内容が頭の中をグルグルと駆け巡る。
寺崎が…俺を…だと…?
まさか…
入学してからすぐ、友達のいなかった俺に声をかけてくれてから、ずっと、気のおけない仲良い友人…だと思っていた、寺崎が…
シュウのいうように…お…男の俺と…セックス…したいとか、そんな感情を俺に対して…抱いているとでもいうのか…
今、この1年半近くを思い返してみても、寺崎からそんな感情、ただの一度も、微塵にも…俺には感じることはできなかった。
唯一、圭一だけが、寺崎のことを危険な感じがするから気をつけろと…言っていたが、それはあくまで、寺崎の中のシュウという危険な存在を圭一が本能みたいなもので感じ取って、俺に告げた…んだと思っていたし…。
俺は…愕然とした、ただ…
あくまで、シュウの…言うことだ。
100%信じるのは、やっぱり…危険だ。
なにより、寺崎本人から、俺自身に対してそんな感情を吐露されていない以上…今までどおり寺崎と接していくより、ほかはない。
ただ…俺の中に…
シュウだけではなく、寺崎本人に対しても一種の警戒心みたいなものが生まれてしまったことは、やはり否めない…。
ごめんな…寺崎…おまえは…悪くない…けど、
もう少し考える時間と、おまえとの距離が欲しい…
圭一… 俺…どうしたらいいんだ…
どんどん…対処法が、わからなくなってきた…
俺は…
混乱する頭を抱えながら帰路につく。
0
お気に入りに追加
425
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる