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現実逃避不可
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その日の夜、
現実逃避…するつもりが、俺はやっぱり逃げることができず、美弥の話が頭から離れないままでいた。
彼女は、いまだに寺崎としていない…と言った。自分から誘っているのにいまだに、手を出してくれないのが悩みだと…
つまり…寺崎、いや、既にあの時はシュウだったのかもしれないが、あの夜、寺崎の気を逸らすために、俺が美弥とのことを持ち出したとき、「田口とはダメだった…」と言ったのは…性格的に合わないとかそういう意味で俺はとらえていたのだが、
つまりは…性的な意味でダメだったとか…そういうことなんだろうか…
そういう気になれないとか…もしくは、他の理由があるとか…?
ただ…それにしても一つ、俺には気になることがあった。
寺崎はともかく、シュウは俺との比較において、俺の方が田口よりいい、みたいなことをメールでよこしてきた…
だから俺はてっきり、シュウが自分の正体を隠してかどうかはともかく、田口と既に体の関係を持っていて…それであんなことを言ったのかと思っていたけど…どうやら、ちょっと話が違うらしい…
でもそれならなぜ、シュウは、俺にそんな風に言ったんだろうか…
俺はますます、シュウという人間がわからなくなってきていた。美弥のあの口ぶりからは、どうやらシュウは彼女の前にはまだ現れていない気がする…
ただ、寺崎のナカから美弥を見ているだけ…なのだろうか…
はあっ…
俺はため息をつく…
シュウの存在に、そもそも寺崎自身が気付いているのかも、今の段階では、よくわからない…一体俺は、ここから誰に、どういうアクションを起こしたらいいのか…皆目検討がつかない。
今日聞いた美弥の…セックスについての悩みも…シュウではなく、寺崎自身にしかわからないことだから、解決するには寺崎自身と話す必要があるし、寺崎が俺の冷たい態度に対し、ずっと悩んでいるのも…実はもうかなり、胸が痛い…
俺はもう…観念した。
顔を見るのがまだ…かなり怖くても…俺はシュウではなく、寺崎自身ときちんと話をしないと…何も解決しないみたいだ。
寺崎が、自分のナカの「シュウ」という悪魔のような存在に果たして気付いているのか。
美弥が…特に女として十分、魅力的な美弥が身体を投げ出して誘っているのに…応じないのはなぜか…
俺が寺崎に、寺崎の身体を利用してシュウから犯されたことを告白したら…寺崎はどう、思うか…
聞かなければならないこと、話さなきゃならないことは山積していて、しかも内容としてはあまりに重い…。
ただ、ここをクリアにしないと、俺も寺崎も…美弥も…誰も前に進めない…
俺は決意する。
寺崎と会って、全てを話そう…
奴はものすごいショックを受けるかもしれないし…もしかしたら、俺から…離れてしまうかもしれない。
だってそれは当然だ。シュウはともかく、寺崎は普通に可愛らしい女子である田口と付き合っている男。
それなのに、自分が記憶をなくしている間に、寺崎の身体は、シュウが操っていたとはいえ、男である俺と愛のないセックスをした… …強引に俺を…オンナ…に…したんだ。
この事実は十分…寺崎の男の尊厳を、根こそぎ…奪ってしまうだろう…
でも…もはや…寺崎と腹を割って話すしか、俺には道はない…俺は寝る支度を済ませ、布団に入った。
すると…また…メール。
これで、三度目だ。
俺はげんなりしながらも、
携帯を手にする。
現実逃避…するつもりが、俺はやっぱり逃げることができず、美弥の話が頭から離れないままでいた。
彼女は、いまだに寺崎としていない…と言った。自分から誘っているのにいまだに、手を出してくれないのが悩みだと…
つまり…寺崎、いや、既にあの時はシュウだったのかもしれないが、あの夜、寺崎の気を逸らすために、俺が美弥とのことを持ち出したとき、「田口とはダメだった…」と言ったのは…性格的に合わないとかそういう意味で俺はとらえていたのだが、
つまりは…性的な意味でダメだったとか…そういうことなんだろうか…
そういう気になれないとか…もしくは、他の理由があるとか…?
ただ…それにしても一つ、俺には気になることがあった。
寺崎はともかく、シュウは俺との比較において、俺の方が田口よりいい、みたいなことをメールでよこしてきた…
だから俺はてっきり、シュウが自分の正体を隠してかどうかはともかく、田口と既に体の関係を持っていて…それであんなことを言ったのかと思っていたけど…どうやら、ちょっと話が違うらしい…
でもそれならなぜ、シュウは、俺にそんな風に言ったんだろうか…
俺はますます、シュウという人間がわからなくなってきていた。美弥のあの口ぶりからは、どうやらシュウは彼女の前にはまだ現れていない気がする…
ただ、寺崎のナカから美弥を見ているだけ…なのだろうか…
はあっ…
俺はため息をつく…
シュウの存在に、そもそも寺崎自身が気付いているのかも、今の段階では、よくわからない…一体俺は、ここから誰に、どういうアクションを起こしたらいいのか…皆目検討がつかない。
今日聞いた美弥の…セックスについての悩みも…シュウではなく、寺崎自身にしかわからないことだから、解決するには寺崎自身と話す必要があるし、寺崎が俺の冷たい態度に対し、ずっと悩んでいるのも…実はもうかなり、胸が痛い…
俺はもう…観念した。
顔を見るのがまだ…かなり怖くても…俺はシュウではなく、寺崎自身ときちんと話をしないと…何も解決しないみたいだ。
寺崎が、自分のナカの「シュウ」という悪魔のような存在に果たして気付いているのか。
美弥が…特に女として十分、魅力的な美弥が身体を投げ出して誘っているのに…応じないのはなぜか…
俺が寺崎に、寺崎の身体を利用してシュウから犯されたことを告白したら…寺崎はどう、思うか…
聞かなければならないこと、話さなきゃならないことは山積していて、しかも内容としてはあまりに重い…。
ただ、ここをクリアにしないと、俺も寺崎も…美弥も…誰も前に進めない…
俺は決意する。
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奴はものすごいショックを受けるかもしれないし…もしかしたら、俺から…離れてしまうかもしれない。
だってそれは当然だ。シュウはともかく、寺崎は普通に可愛らしい女子である田口と付き合っている男。
それなのに、自分が記憶をなくしている間に、寺崎の身体は、シュウが操っていたとはいえ、男である俺と愛のないセックスをした… …強引に俺を…オンナ…に…したんだ。
この事実は十分…寺崎の男の尊厳を、根こそぎ…奪ってしまうだろう…
でも…もはや…寺崎と腹を割って話すしか、俺には道はない…俺は寝る支度を済ませ、布団に入った。
すると…また…メール。
これで、三度目だ。
俺はげんなりしながらも、
携帯を手にする。
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