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女子の事情
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「実は私…」美弥が一瞬、言うのをためらったように隣の俺を見た後、すぐに前を向いたまま言葉を紡ぐ。
「実は私…いまだに…秋夜さんと…シテないんです…」
…???…何…!?
シテ…ないって…言ったか…!? 今 ……
俺はちょっと…いやかなり、驚く…
俺の…聞き間違いだろうか…
こんな清楚な雰囲気の女子が、してない…とか、そんな発言していいのか…?いや待て…そもそも、シテない…とは、なんぞや。
そう言われて、懐かしいことを思い出した。
俺が最初に圭一に言われたこと…
先輩とシテみたいと、同じ男の圭一に言われて俺は驚愕したんだった…。
それは手を繋ぐでもなく、キスでもなく…紛れもなく、セ…セックス…したい、という意味だった。
美弥のいう、シテないとは…その…意味なのか…
はたまた、見た目が清純女子っぽいから、もっともっと手前の…キスとか…胸を触るとか…昔でいう、A~Bのどちらか…程度の話だろうか…?
いやしかし…
寺崎と美弥と3人で学食で話したとき、初対面なのに彼氏の友人の俺の名前を僚介と呼びたがったり…ちょっと、グイグイ女子かな…っていう印象をその時俺が持ったのも確かだ…
じゃあやっぱり…そっちの意味なのか…
俺の頭が、美弥の「シテない発言」分析に時間を要していたころ、注文していたコーヒーと、なんちゃらパンケーキが出された。
「きゃー!美味しそう…!いただきます…!」
美弥がニッコリ微笑んでナイフとフォークでいそいそと、小さくパンケーキを切り分けていく。
…おいおい…俺に…とんでもない発言の分析をさせておいて、この子、パンケーキがきたらいきなり、そっち、行くのか…?詳しい説明…なし…?
ちょっとこの子、かなりのマイペース女子なのかもしんない、気を付けなきゃ…と、俺の内心でだけ。
「キャー!すごく美味しいっ…ふわふわですよ~先輩…」
うん…無邪気だね、君…
無邪気過ぎだね…
俺が彼女の嬉しそうな横顔を見て、若干肩を下げていると「ハイ…!ひとくち、どうぞ…!ホントに、ふわふわですよ~」と、あろうことか自分のフォークにパンケーキをひとかけら、乗せた状態で…俺に…俺に…いわゆる…アーンを…
「あ…大丈夫です…俺今、あんま食欲ないので」と丁重にお断りし、俺はもう…白旗を上げる。
やっぱり無理だ…俺はこの…タイプの子…
比較して悪いが、森林みたいなサバサバ女子の方が、俺にはやっぱり、向いているのかもしれない…実は俺の前に付き合っていた彼女は…こんな美弥みたいな…どちらかというと女子っぽい、今時で言うと男をまどわす小悪魔系女子…みたいな子だったんだ…
ああ…早く彼女の悩みに、仮に俺が助言出来るなら助言して、
すぐにこの場を立ち去ろう
俺は即座にそう、決めた。
「実は私…いまだに…秋夜さんと…シテないんです…」
…???…何…!?
シテ…ないって…言ったか…!? 今 ……
俺はちょっと…いやかなり、驚く…
俺の…聞き間違いだろうか…
こんな清楚な雰囲気の女子が、してない…とか、そんな発言していいのか…?いや待て…そもそも、シテない…とは、なんぞや。
そう言われて、懐かしいことを思い出した。
俺が最初に圭一に言われたこと…
先輩とシテみたいと、同じ男の圭一に言われて俺は驚愕したんだった…。
それは手を繋ぐでもなく、キスでもなく…紛れもなく、セ…セックス…したい、という意味だった。
美弥のいう、シテないとは…その…意味なのか…
はたまた、見た目が清純女子っぽいから、もっともっと手前の…キスとか…胸を触るとか…昔でいう、A~Bのどちらか…程度の話だろうか…?
いやしかし…
寺崎と美弥と3人で学食で話したとき、初対面なのに彼氏の友人の俺の名前を僚介と呼びたがったり…ちょっと、グイグイ女子かな…っていう印象をその時俺が持ったのも確かだ…
じゃあやっぱり…そっちの意味なのか…
俺の頭が、美弥の「シテない発言」分析に時間を要していたころ、注文していたコーヒーと、なんちゃらパンケーキが出された。
「きゃー!美味しそう…!いただきます…!」
美弥がニッコリ微笑んでナイフとフォークでいそいそと、小さくパンケーキを切り分けていく。
…おいおい…俺に…とんでもない発言の分析をさせておいて、この子、パンケーキがきたらいきなり、そっち、行くのか…?詳しい説明…なし…?
ちょっとこの子、かなりのマイペース女子なのかもしんない、気を付けなきゃ…と、俺の内心でだけ。
「キャー!すごく美味しいっ…ふわふわですよ~先輩…」
うん…無邪気だね、君…
無邪気過ぎだね…
俺が彼女の嬉しそうな横顔を見て、若干肩を下げていると「ハイ…!ひとくち、どうぞ…!ホントに、ふわふわですよ~」と、あろうことか自分のフォークにパンケーキをひとかけら、乗せた状態で…俺に…俺に…いわゆる…アーンを…
「あ…大丈夫です…俺今、あんま食欲ないので」と丁重にお断りし、俺はもう…白旗を上げる。
やっぱり無理だ…俺はこの…タイプの子…
比較して悪いが、森林みたいなサバサバ女子の方が、俺にはやっぱり、向いているのかもしれない…実は俺の前に付き合っていた彼女は…こんな美弥みたいな…どちらかというと女子っぽい、今時で言うと男をまどわす小悪魔系女子…みたいな子だったんだ…
ああ…早く彼女の悩みに、仮に俺が助言出来るなら助言して、
すぐにこの場を立ち去ろう
俺は即座にそう、決めた。
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