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後悔先に立たず
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俺は、痛む身体に鞭打つようにして、なんとか自宅までたどり着いた。
ドアノブを回し家の中に入って内側からカギをかけた途端に、その場に崩れ落ちる。
力が全然、面白いほどに、出てこない…
頭の中がグチャグチャで、考えも全然、まとまらない…
今日は何日なのか、今、何時なのか… 座り込んだまま、鞄から携帯を取り出す。
8月22日土曜日の午後2時過ぎ…
朝か昼かもさっぱりわからない状況で帰ってきたので、やっと時間の経過を把握する。
スマホを見ると… 昨夜は気付かなかったが、圭一からのラインが5通ほど未読のまま残されており、電話も一度なったようだが…俺は全然、気づけなかった…
ラインを今すぐに開く勇気がない…
既読にすると、すぐさま圭一に返事をしなきゃと、考えてしまう。
俺はため息をつき、のろのろと身体を起こした。
「いっ…!」…
身体の中心部に、するどい激痛が走る… ああ…もう…、…嫌だ…
俺は、鞄を床に乱暴に投げ出し、本当はすぐに布団に逃げ込みたかったが、奴に触れられたところを全て完全に綺麗に…何事もなかったかのように…洗い流したかった。
なんとか浴室まで這うように歩き、服を脱ぎ捨て、シャワーを頭から浴びる。
ぬるま湯のはずなのに、やけに、身体のところどころにお湯が…染みて痛む。
奴に残酷に犯され続けた場所そのものはもちろん、奴に狂ったように激しく突かれながら同時に噛みつかれた胸や腹、腕…俺が弱い力で抵抗して結局奴にかなわず押さえつけられたときにできた傷…
色々な傷に、シャワーのぬるま湯が痛みを与えてくる…
痛い…痛い…痛くて…たまらない…
俺が本当に、馬鹿だった…
本当に、馬鹿の中の、大馬鹿だ…
あの時、あんなに飲みすぎなければ…
あの時、記憶を無くさなければ…
あの瞬間、たとえ深夜で具合が悪くても、大雨の中でも、寺崎の家から…帰っていれば…
あの場所を、すぐにでも出ていれば… いや、絶対に、出るべきだったんだ…
今更後悔しても、どうしようもないけど、
こうすればよかった、ああすればよかったと…俺の中に、後悔の波が、次から次に押し寄せてくる。
圭一 …
お前の言う通り、お前が警戒したとおり、奴は…寺崎は本当に危険な男…だった…。
あんなヤバいやつと、今まで俺は普通に友達として接してきていたなんて…恐怖でゾッとする。
あ …
いやだ…今は何も考えたくないし、思い出したくもない、
昨夜の行為も、何もかも…
俺はシャワーで身体中を、隅から隅まで、まるで皮膚をこすり取るように丹念に洗い流し、浴室を出る。
とにかく今は何も、考えたくない、これからのこと、圭一とのこと、何も…考えられない。
俺は部屋着に着替え、ベッドに潜りこんで、傷付いた獣のように丸くなった。
圭一が心配しているかもしれないと思い、意を決してスマホを手にする。
このラインにとにかく返事をしてから、とりあえず…寝てしまおう…
俺はそう思って、
ラインを開いた。
ドアノブを回し家の中に入って内側からカギをかけた途端に、その場に崩れ落ちる。
力が全然、面白いほどに、出てこない…
頭の中がグチャグチャで、考えも全然、まとまらない…
今日は何日なのか、今、何時なのか… 座り込んだまま、鞄から携帯を取り出す。
8月22日土曜日の午後2時過ぎ…
朝か昼かもさっぱりわからない状況で帰ってきたので、やっと時間の経過を把握する。
スマホを見ると… 昨夜は気付かなかったが、圭一からのラインが5通ほど未読のまま残されており、電話も一度なったようだが…俺は全然、気づけなかった…
ラインを今すぐに開く勇気がない…
既読にすると、すぐさま圭一に返事をしなきゃと、考えてしまう。
俺はため息をつき、のろのろと身体を起こした。
「いっ…!」…
身体の中心部に、するどい激痛が走る… ああ…もう…、…嫌だ…
俺は、鞄を床に乱暴に投げ出し、本当はすぐに布団に逃げ込みたかったが、奴に触れられたところを全て完全に綺麗に…何事もなかったかのように…洗い流したかった。
なんとか浴室まで這うように歩き、服を脱ぎ捨て、シャワーを頭から浴びる。
ぬるま湯のはずなのに、やけに、身体のところどころにお湯が…染みて痛む。
奴に残酷に犯され続けた場所そのものはもちろん、奴に狂ったように激しく突かれながら同時に噛みつかれた胸や腹、腕…俺が弱い力で抵抗して結局奴にかなわず押さえつけられたときにできた傷…
色々な傷に、シャワーのぬるま湯が痛みを与えてくる…
痛い…痛い…痛くて…たまらない…
俺が本当に、馬鹿だった…
本当に、馬鹿の中の、大馬鹿だ…
あの時、あんなに飲みすぎなければ…
あの時、記憶を無くさなければ…
あの瞬間、たとえ深夜で具合が悪くても、大雨の中でも、寺崎の家から…帰っていれば…
あの場所を、すぐにでも出ていれば… いや、絶対に、出るべきだったんだ…
今更後悔しても、どうしようもないけど、
こうすればよかった、ああすればよかったと…俺の中に、後悔の波が、次から次に押し寄せてくる。
圭一 …
お前の言う通り、お前が警戒したとおり、奴は…寺崎は本当に危険な男…だった…。
あんなヤバいやつと、今まで俺は普通に友達として接してきていたなんて…恐怖でゾッとする。
あ …
いやだ…今は何も考えたくないし、思い出したくもない、
昨夜の行為も、何もかも…
俺はシャワーで身体中を、隅から隅まで、まるで皮膚をこすり取るように丹念に洗い流し、浴室を出る。
とにかく今は何も、考えたくない、これからのこと、圭一とのこと、何も…考えられない。
俺は部屋着に着替え、ベッドに潜りこんで、傷付いた獣のように丸くなった。
圭一が心配しているかもしれないと思い、意を決してスマホを手にする。
このラインにとにかく返事をしてから、とりあえず…寝てしまおう…
俺はそう思って、
ラインを開いた。
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