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逆効果
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この状況が情けなくて、怖くて、涙が出そうになるが、なんとか耐えながら、寺崎の答えを待つ。
寺崎は俺を見て、自虐的な表情で笑う。
「田口…?彼女はやっぱり、無理だった…
僚介、俺はずっと…お前が欲しかった… 何度も、おまえは男だと…自分を抑えようとしたけど…
今、誰も好きな奴、いないって言ってたろ…?それなら…な… 」寺崎が俺をまっすぐに見据える。男の真剣な目…視線を逸らすことができない。
俺は迷った。
本当は、好きな奴がいる…というべきなのか、否か。
本音を言えば…諦めてくれるのだろうか…
状況が変わらない以上、藁にもすがる思いで声を発する。
「実は…いるんだ… す、好きな奴…ていうか、もう実は、付き合ってるんだ…だからごめん… お前とは、どうしても…無理なんだ…」
すぐに、寺崎の目の色が…変わる。
「…誰…? 俺が知ってる奴、なのか…?どこの女…だ…
…まさか…まさか…とは思うが… 奥村…とかじゃ、ないよな…?」
俺は内心で、声をあげる…
嘘だろう…
普段、細心の注意を払って普通に…している…はずなのに…
まさか…見抜かれていた…のか…?
俺の様子だけを見て、答えを見出したのか、寺崎の表情が変わる。
「…へえ… そう…なんだ…
それなら、尚更…いい…な…?」
奴の言っている意味が…俺にはもうよくわからない。
自分でも今、気が動転しているのがわかる。
寺崎はもう、俺を逃してくれない…そんな気がした。
寺崎のいつも綺麗で優しげな顔が、一瞬で、
冷酷な顔になった。
俺はゾクリと…寒気を覚えた。
寺崎は俺を見て、自虐的な表情で笑う。
「田口…?彼女はやっぱり、無理だった…
僚介、俺はずっと…お前が欲しかった… 何度も、おまえは男だと…自分を抑えようとしたけど…
今、誰も好きな奴、いないって言ってたろ…?それなら…な… 」寺崎が俺をまっすぐに見据える。男の真剣な目…視線を逸らすことができない。
俺は迷った。
本当は、好きな奴がいる…というべきなのか、否か。
本音を言えば…諦めてくれるのだろうか…
状況が変わらない以上、藁にもすがる思いで声を発する。
「実は…いるんだ… す、好きな奴…ていうか、もう実は、付き合ってるんだ…だからごめん… お前とは、どうしても…無理なんだ…」
すぐに、寺崎の目の色が…変わる。
「…誰…? 俺が知ってる奴、なのか…?どこの女…だ…
…まさか…まさか…とは思うが… 奥村…とかじゃ、ないよな…?」
俺は内心で、声をあげる…
嘘だろう…
普段、細心の注意を払って普通に…している…はずなのに…
まさか…見抜かれていた…のか…?
俺の様子だけを見て、答えを見出したのか、寺崎の表情が変わる。
「…へえ… そう…なんだ…
それなら、尚更…いい…な…?」
奴の言っている意味が…俺にはもうよくわからない。
自分でも今、気が動転しているのがわかる。
寺崎はもう、俺を逃してくれない…そんな気がした。
寺崎のいつも綺麗で優しげな顔が、一瞬で、
冷酷な顔になった。
俺はゾクリと…寒気を覚えた。
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