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迷走
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バイトの日。
圭一からの連絡もしばらく無視しているし、顔をあわせづらかったが、バイトはさすがに連続して休めない。
俺は大学の講義を終え、とぼとぼとバイト先に向かう。
確か今日は、圭一とシフトが丸かぶりだ…
気が重いけど、これ以上グダグダ引きずっても仕方がない。
だから俺も、圭一の何かしらの反応に、大人の対応をしようと決意する。
制服に着替えたが、開始までまだ時間があった。
俺がまかない用のコーヒーを飲みながら控え室のソファで携帯をいじっていると、ガチャリとドアが開く。
圭一が入ってきた。
「あっ…」
圭一が、俺を見て、みるからに動揺する。
…わかりやすい奴だな…よし、俺から会話をと、口を開こうとしたら、
「この前は、先輩、ホントにすみませんでした!」
…圭一が、座ってコーヒーを片手にした俺に、立ったまま深々と頭を下げる。
なんか…俺、すごく、悪い奴みたいだ…
「あの時…俺っ、おれ…」
圭一が続けようとすると、ガチャ、またドアが開く。
「あれ…あ、、取り込み中ですか?すみません、ちょっとすぐ、通りますー…」
今度は俺達と交代でバイトあがりの、森林久美が顔を出す。
俺たちがいる控室の奥に、男女別の更衣室があるため、ただ通過するだけなのだが、やはり変な空気を感じたのか、森林は、そそくさと俺たちの間を通過していく。
脱線するが、この森林は密かに圭一を想ってるんじゃないかと、俺は踏んでいる。
圭一より一つ年下で、同じ高校の先輩後輩にあたるらしい。
圭一に対する彼女の目線や話し方が、特別な人に対するものに、俺にはみえてしまうのだ。恋する乙女の意思表示は、やはり外から見ていてわかりやすい。
森林は奥の部屋に入ったものの、話を聞かれたら、相当まずい。
もうあまり時間がないな…と、俺の方から話を回避しようとしたら、圭一の方から
「先輩、もう俺、着替えなきゃなんで…すみませんが今日バイト上がってから、少しだけで良いので時間もらえませんか…?公園にいます。」と提案される。
しかし、俺は…できれば公園を避けたかった。
まだちょっと本当は、圭一とそのような場所で二人きりになるのが…怖かったからだ。
奴には絶対にそんなこと、言えないし、言う気もないのだが。
だから俺はバイト先近くにあるカフェを指定し、圭一にバイト終わりにそこで待ってもらうことにした。
俺たちはこの先、どうしたら良いのか…
答えは全然、見つからないままだった。
圭一からの連絡もしばらく無視しているし、顔をあわせづらかったが、バイトはさすがに連続して休めない。
俺は大学の講義を終え、とぼとぼとバイト先に向かう。
確か今日は、圭一とシフトが丸かぶりだ…
気が重いけど、これ以上グダグダ引きずっても仕方がない。
だから俺も、圭一の何かしらの反応に、大人の対応をしようと決意する。
制服に着替えたが、開始までまだ時間があった。
俺がまかない用のコーヒーを飲みながら控え室のソファで携帯をいじっていると、ガチャリとドアが開く。
圭一が入ってきた。
「あっ…」
圭一が、俺を見て、みるからに動揺する。
…わかりやすい奴だな…よし、俺から会話をと、口を開こうとしたら、
「この前は、先輩、ホントにすみませんでした!」
…圭一が、座ってコーヒーを片手にした俺に、立ったまま深々と頭を下げる。
なんか…俺、すごく、悪い奴みたいだ…
「あの時…俺っ、おれ…」
圭一が続けようとすると、ガチャ、またドアが開く。
「あれ…あ、、取り込み中ですか?すみません、ちょっとすぐ、通りますー…」
今度は俺達と交代でバイトあがりの、森林久美が顔を出す。
俺たちがいる控室の奥に、男女別の更衣室があるため、ただ通過するだけなのだが、やはり変な空気を感じたのか、森林は、そそくさと俺たちの間を通過していく。
脱線するが、この森林は密かに圭一を想ってるんじゃないかと、俺は踏んでいる。
圭一より一つ年下で、同じ高校の先輩後輩にあたるらしい。
圭一に対する彼女の目線や話し方が、特別な人に対するものに、俺にはみえてしまうのだ。恋する乙女の意思表示は、やはり外から見ていてわかりやすい。
森林は奥の部屋に入ったものの、話を聞かれたら、相当まずい。
もうあまり時間がないな…と、俺の方から話を回避しようとしたら、圭一の方から
「先輩、もう俺、着替えなきゃなんで…すみませんが今日バイト上がってから、少しだけで良いので時間もらえませんか…?公園にいます。」と提案される。
しかし、俺は…できれば公園を避けたかった。
まだちょっと本当は、圭一とそのような場所で二人きりになるのが…怖かったからだ。
奴には絶対にそんなこと、言えないし、言う気もないのだが。
だから俺はバイト先近くにあるカフェを指定し、圭一にバイト終わりにそこで待ってもらうことにした。
俺たちはこの先、どうしたら良いのか…
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