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個人情報ダダ漏れ

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寺崎と焼肉に行った翌日の土曜日、俺はバイトもなかったので、家でダラダラ過ごしていた。

あの一件以来、圭一の家からも足が遠のいて、漫画も借りられず、なかなか暇だ…

仕方がないので、外にDVDでも借りに行こうかと財布とチャリのカギを手にして、出ようとしたまさにその時、携帯がなる。
 
出ると、圭一の番号。
ちょっとドキッとするものの、電話に出る。

「もしもし…」俺が出ると、数秒、無言が続く。…
「ん?圭一か…なんだ…?休みの日に…どうした?」
俺は尋ねる。

「先輩…今…、実は先輩のマンション…の下に来ています…突然ですが、今からそちらにお邪魔しちゃ…ダメですか?」

はー??? …今、何て言った? 
そもそも、圭一は、俺の家をしらないはずだ…

「え?…は…? 俺んちの下…?」

俺は戸惑いつつも、そのまま話しながらドアのカギを閉めて、外に出る。
マジで、圭一は…下?にいるのだろうか…

下に降りてエントランスに出る…本当に圭一がいた。

「ど…どうした…?お前、突然。…ってかお前、俺のうち、なんで知ってんだ?俺、教えてない…よな?」

ちょっとだけ…怖くなる。
  
本当に教えた覚えがなかった。
俺は圭一の家に漫画を借りに何度も行ったことがあるが、圭一が俺の家に来る用事は今まで特になかった。

来たいとも言われたことがなかったから、特に教えることもなかったのだが…。

「すみません…ちょっと聞いて教えてもらいました。店長に…」圭一がペコリと、頭を下げる。

おいおい…店長…個人情報…
もうちょっとちゃんと管理しろよ…と、言いたくなる。
 
ストーカーとか、色々犯罪が問題になっている世の中だ。仮に俺が女子従業員だったら、簡単に住所なんて男に教えることもなかったんだろうな、と、ふと考える。

「そう…か…なんか、急ぎの用か…?俺、今からレンタルショップに行こうかと思ってんだけど…」
 
俺は圭一の突然の訪問に、正直、戸惑う。

家に上げてやるべきなのか…でも…この前のことがあるし、本当は少し怖い…。いや、怖いだなんて、まだ高校生の年下に…そんな感情を持つなんて、恥ずかしい…しっかりしろ、俺。

「いえ…先輩が前に借りてった漫画の続き、持ってきたんですけど… ただ…それだけです…」

…でっかい犬コロが、紙袋を持ってうなだれていて、なんだか、かわいい…
うん、前にきちんと約束してるし…
        
   大丈夫か…な…

               
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