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過剰な反応
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うー!… やっと終わった。
今日の店は、なんだかやたら客が多かった。
週末だからか、カップルやら家族やら、仲の良さそうな老夫婦が珈琲だけ飲みに来たり…で、なかなか店は繁忙だった。
ちょっと今日は、人手不足じゃないか?と思うほどに。
俺はかなりグッタリして、寺崎と約束はしているものの、実はちょっとだけそのまま家に帰りたいような心境になっていた。
しかし、約束は約束…
腹もかなり空いているし、脳を、食事モードに切り替え、気持ちを奮い立たせる。
身支度を整え、店を出たら、ちょうど寺崎が向こうから、こちらへ歩いてきたとこだった。
「お疲れさん!…んー?なんか、疲れてる?
店、忙しかったとか?、なんか疲労感オーラ、すごく出てるよ…」と寺崎。
「当たり。今日はかなりヤバかったわ…疲れたー」
寺崎と歩きながら、話す。
んん?…店の方向はこっちなのか?
寺崎は俺の家の方向、つまり、公園の方に向かっていく。
そういえば、あまりの忙しさに、店の場所とか、携帯でも確認していなかった。
圭一とよく座るベンチが遠くに見えるが、当然、今日、奴の姿はない。
横を歩いていた寺崎が、ふいに俺に声をかける。
「ちょっと…ストップ、僚介…」
寺崎が俺の前髪あたりに、いきなり触れてくる。
俺は反射的に、ビクッとする。
「な…なにっ…?」っと…思わず上ずった声が出てしまう。
「いや…髪に、なんかついてる…ちょい止まって…」
寺崎が俺の過剰な反応に一瞬、驚きながらも、わざわざ俺に取り除いたものを見せてくれる。チキンを揚げた時に飛んだのか、油カスのような小さなゴミが、奴の指先についていた。
なんだ、ゴミを取ってくれようとしたのか…
「あ…ありがと。」俺は素直に礼を言う。
今日は髪も、油まみれか…今日は普段の1.5倍くらいの量のチキンやポテトを揚げた気がする…
髪や服に、色々、ついていても、無理はない。
それにしても、圭一とのことがあったからか、ちょっと寺崎にまで、不自然な態度をとってしまった。あんなにビクついた態度をとることは普段ないのに、一瞬、触れられるかと思い、咄嗟に条件反射みたいに体がビクッと、反応してしまった。
幸い、奴は俺の反応を特に気に留めることもなく、
そのまま話を続けながら歩く。
今日の店は、なんだかやたら客が多かった。
週末だからか、カップルやら家族やら、仲の良さそうな老夫婦が珈琲だけ飲みに来たり…で、なかなか店は繁忙だった。
ちょっと今日は、人手不足じゃないか?と思うほどに。
俺はかなりグッタリして、寺崎と約束はしているものの、実はちょっとだけそのまま家に帰りたいような心境になっていた。
しかし、約束は約束…
腹もかなり空いているし、脳を、食事モードに切り替え、気持ちを奮い立たせる。
身支度を整え、店を出たら、ちょうど寺崎が向こうから、こちらへ歩いてきたとこだった。
「お疲れさん!…んー?なんか、疲れてる?
店、忙しかったとか?、なんか疲労感オーラ、すごく出てるよ…」と寺崎。
「当たり。今日はかなりヤバかったわ…疲れたー」
寺崎と歩きながら、話す。
んん?…店の方向はこっちなのか?
寺崎は俺の家の方向、つまり、公園の方に向かっていく。
そういえば、あまりの忙しさに、店の場所とか、携帯でも確認していなかった。
圭一とよく座るベンチが遠くに見えるが、当然、今日、奴の姿はない。
横を歩いていた寺崎が、ふいに俺に声をかける。
「ちょっと…ストップ、僚介…」
寺崎が俺の前髪あたりに、いきなり触れてくる。
俺は反射的に、ビクッとする。
「な…なにっ…?」っと…思わず上ずった声が出てしまう。
「いや…髪に、なんかついてる…ちょい止まって…」
寺崎が俺の過剰な反応に一瞬、驚きながらも、わざわざ俺に取り除いたものを見せてくれる。チキンを揚げた時に飛んだのか、油カスのような小さなゴミが、奴の指先についていた。
なんだ、ゴミを取ってくれようとしたのか…
「あ…ありがと。」俺は素直に礼を言う。
今日は髪も、油まみれか…今日は普段の1.5倍くらいの量のチキンやポテトを揚げた気がする…
髪や服に、色々、ついていても、無理はない。
それにしても、圭一とのことがあったからか、ちょっと寺崎にまで、不自然な態度をとってしまった。あんなにビクついた態度をとることは普段ないのに、一瞬、触れられるかと思い、咄嗟に条件反射みたいに体がビクッと、反応してしまった。
幸い、奴は俺の反応を特に気に留めることもなく、
そのまま話を続けながら歩く。
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