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犬コロ
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圭一とおかしな契約を結んで以降、奴は俺との関係性に満足したのか、前よりもさらに、俺に懐いてくるようになった。それはもう犬コロのように…もちろん大型犬ではあるが。
お互いに学生ではあるから、基本的に、平日日中には会うことなんてないけど、夕方のバイトの時間になったら、控室とか、帰りの夜道とか、人がいないとわかった瞬間に、何だか前より…ベタベタしてくる。
俺としては、奴とのラインは一応しっかりひけたので安心してはいるが、なにぶん男同士。
仮に事情を知らない他人に奴とのおかしな接触を見られたら誤解どころでは済まないから、いつも、俺は気が気ではないのだが、奴はそのへん、どう考えているんだろう…
うーん、俺の打開策、甘すぎたかもしんない。
今更取り下げたら、圭一はスネてしまいそうだから
とても、言えないが…
俺はバイト先に向かいながら考える…
今日は圭一とシフトが後半の半分だけ、被っているのだが、また、夜の公園で、奴は俺がバイトを終えて帰るのを待つ気でいる、気がする…
ちなみに今日は、前半が寺崎と被っていて、奴は仕事も早いし、組み合わせ的にはかなり気楽だ。
寺崎は大学一年の時からの友人で、俺にとっては本当に一緒にいて、楽な存在だ。
きっかけは、大学に入ったばかりの頃、暇をしていた俺が、合コンの頭数合わせに誘われたこと。それが始まりだった。
大学の講義室で、いきなり肩をポンっと叩かれて「あのさ、今日の夜とか、暇じゃない?もし良かったら飲み、行かない?」と…俺は寺崎の顔と名前すら一致していなかったからかなり、慌てたのだが…奴は最初から気さくだった。
俺はもともと、人見知りなところがあって、初対面で自分から話しかけることなんてできないタチだ。
だから最初の頃、なかなか友人もできず、独りでいることが多かった。
でも、寺崎のおかげで友人が増え、大きくはないがいわゆる友達の輪、みたいなものを広げることが出来たように思う。
その日は後で合コンと知らされてちょっとだけ尻込みはしたが、まあ行ったら行ったで、女の子とも話せて楽しかった。やっぱり残念ながら、それでいきなり、くっつくなんてことは、なかったけどさ。
そして実は、圭一と同様、寺崎もかなり整った顔をしていたりする。圭一とは違う系統で、カッコいい、男らしい、というより、キレイという形容詞が近いかも。その時の合コンでもやたら女の子が奴に近づいていたっけ。
バイトの最中、寺崎が俺に言う。
「なあなあ、僚介。今日の夜、バイト後、なんか予定ある?久々にメシ…いかない?
俺、すごく行ってみたい店、あってさ。俺は先にバイトあがるけど、本屋とか他、行くとこあるからさ、お前のバイト終わる頃に待ち合わせして、どう?」
俺は一瞬、考える。バイト後か、…
もしかしたら、圭一がまた夜の公園で、俺を犬コロのように、待っているかもしれない。
ま、それは一応、事前に奴に言っとくか…
寺崎とも最近、あまりゆっくり話せていないし、俺は奴と久々に食事に行くことに、決めた。
でも、そのことで、圭一があんな風に…なるなんて、俺は思ってもみなかったんだ…
お互いに学生ではあるから、基本的に、平日日中には会うことなんてないけど、夕方のバイトの時間になったら、控室とか、帰りの夜道とか、人がいないとわかった瞬間に、何だか前より…ベタベタしてくる。
俺としては、奴とのラインは一応しっかりひけたので安心してはいるが、なにぶん男同士。
仮に事情を知らない他人に奴とのおかしな接触を見られたら誤解どころでは済まないから、いつも、俺は気が気ではないのだが、奴はそのへん、どう考えているんだろう…
うーん、俺の打開策、甘すぎたかもしんない。
今更取り下げたら、圭一はスネてしまいそうだから
とても、言えないが…
俺はバイト先に向かいながら考える…
今日は圭一とシフトが後半の半分だけ、被っているのだが、また、夜の公園で、奴は俺がバイトを終えて帰るのを待つ気でいる、気がする…
ちなみに今日は、前半が寺崎と被っていて、奴は仕事も早いし、組み合わせ的にはかなり気楽だ。
寺崎は大学一年の時からの友人で、俺にとっては本当に一緒にいて、楽な存在だ。
きっかけは、大学に入ったばかりの頃、暇をしていた俺が、合コンの頭数合わせに誘われたこと。それが始まりだった。
大学の講義室で、いきなり肩をポンっと叩かれて「あのさ、今日の夜とか、暇じゃない?もし良かったら飲み、行かない?」と…俺は寺崎の顔と名前すら一致していなかったからかなり、慌てたのだが…奴は最初から気さくだった。
俺はもともと、人見知りなところがあって、初対面で自分から話しかけることなんてできないタチだ。
だから最初の頃、なかなか友人もできず、独りでいることが多かった。
でも、寺崎のおかげで友人が増え、大きくはないがいわゆる友達の輪、みたいなものを広げることが出来たように思う。
その日は後で合コンと知らされてちょっとだけ尻込みはしたが、まあ行ったら行ったで、女の子とも話せて楽しかった。やっぱり残念ながら、それでいきなり、くっつくなんてことは、なかったけどさ。
そして実は、圭一と同様、寺崎もかなり整った顔をしていたりする。圭一とは違う系統で、カッコいい、男らしい、というより、キレイという形容詞が近いかも。その時の合コンでもやたら女の子が奴に近づいていたっけ。
バイトの最中、寺崎が俺に言う。
「なあなあ、僚介。今日の夜、バイト後、なんか予定ある?久々にメシ…いかない?
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俺は一瞬、考える。バイト後か、…
もしかしたら、圭一がまた夜の公園で、俺を犬コロのように、待っているかもしれない。
ま、それは一応、事前に奴に言っとくか…
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でも、そのことで、圭一があんな風に…なるなんて、俺は思ってもみなかったんだ…
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