貴方を丸ごと愛しても差し支えないでしょうか？

第二章 彼の秘密

違和感

「ふ…　ふじさき、さん…　？」
突然のことで、声が震える…

私は背後から彼に抱き締められたまま…後ろを振り向けずにいた…。

何…　何が、起きてるの…？

藤崎さんは、私の気持ちには応じられないと、はっきり言った。
恋人同士ではなく…これからは友人として付き合って欲しいと、確かにそう言ったはずだ…

それなのに、なんで…　…？

なんで、私は今…　彼に、こんな風に、抱き締められているのだろう…　

「あ…　あの　…　　藤崎さん…　？」

「…　…　…　…」　

無言のままの藤崎さん…　
何も言わずに、ただ、私を後ろから抱き締めている…

意味がわからない…　　なんで…　こんなことを、するの…？

頭がぐちゃぐちゃになる…　
きちんと考えたいのに、頭の中を全然…整理できない…

なんで、どうして…　？　

友人としての、ハグ…　？　…　意味がわからない…

「藤崎さん…？どう、したんですか…　何…　…？」

私が固まったまま、混乱状態に陥っていると、彼がやっと、そのままの体勢で言葉を発した。

「…井上さん…　俺のこと…　そんなに…　どれくらい、好きなの…　？」

「え…　…　？」

「…だからさ…　俺に、正式に告白してくれたってことは…相当…俺のことを好きってことかな…？」

「え…　？そ…それは、そう…です…だから…告白を…したんです…」

なんで、今…　わざわざ、こんな確認を、してくるのだろう…　？

私のことをそういう風には見れない…彼女にはできないと…
もう、誰とも恋愛はできないと、そう言い切った彼が…　　
なぜ今…　こんなことを…　

彼が今、私を背後からこんな風に抱き締めることに、おかしな違和感を覚える。

彼の性格では、あり得ないとは思うが…
もし仮に…冗談でこんなことをしているとしたら、どれほど残酷なことだろう…

私は軽いめまいを覚えながら、彼の方に向き直ろうとして身をよじろうとしたその瞬間、

私は今度こそ本当に…言葉を無くす。

私を抱き締めていた彼の手が…明らかに…私の胸に服の上から触れたからだ…　
両手で…包み込んで…　最後、膨らみをぐにゃりと、揉まれ…

「あっ…　…　」突然のことに、思わず…　声が漏れ出た…。

何…　何…　なんで…？　

なぜだろう…　怖くなり…　私は途端に…　後ろを、向けなくなった…。