【完結・R18】私を待っていたもの…それは…

もえこ

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挨拶

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その月の中旬、
私はついに、職場に退職願を提出した。

「え…何、かな…  来月から…退職したいって…?突然、そんな…」

主任は目に見えて、困惑した。

周りの職員も、結構驚かせたらしい。

あまりに申し出が急すぎたのか、来月、私の代わりに正規職員を雇うのも無理だったらしく…結果、臨時職員を雇うことになったらしい…。

もう少し、早く申し出るべきだったかもしれない…でも遅くとも2週間前に言えばよいと、就業規則にもあったはずだ…

でももう…別に、いいや…

小さいことを気にしたって仕方ない。
もうどうでも… 
どう思われたって、いい…

最後の日

私は各部署へ一通り挨拶を済ませ、部屋の中央で挨拶をした。

「皆さん、急なことで申し訳ありませんが、辞めさせていただくことになりました。長い間大変お世話になりました。」

そう言って、お辞儀をする。

パチ… 

   パチパチ… 
      パチパチ… 

まばらな拍手と簡単で事務的な数人の職員からの挨拶に包まれつつ…

私がまだ部屋を出て行く前から、忙しいとばかりに散り散りにデスクへ戻っていく職員…
あの可愛かった笹山ちゃんは私に見向きもしなかった。

後で知ってさすがに驚いたが、笹山ちゃんは石元さんの彼女の一人だったらしい…それもあって、私は彼女に心底嫌われたのかもしれない…。

花束もない、見送りもない…
まあ、定年退職でもないし、こんなものか…

もうどうでもいい。
面倒な人間関係もいらない。

石元さんとはあれ以降も週二ペースで会っていた。

彼はいまだに、私のことを美奈、美奈と連呼しながら私を抱くけど、もはや私にはどうでも良かった。

ただただ、気持ち良くなれれば…

何しろ、私には彼を失ったとしても、
    
一生食べていけるだけの、

    大金が、あるのだから…












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