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懺悔

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俺はほぼ答えに辿り着いていたものの、念には念を入れて、男に尋ねる。

「…君の目的は何だ…金か…?それとも…彼女を…?」

問いただしながらも、俺の中ではもはや答えは出ている…。
この男は、間違いなく…夏木を、好きなのだ… 

なのにあの日…あの夜、俺は宮城の…夏木を送ろうかという言葉をはねのけ、横から夏木をかっさらってしまった…。

しかもそれだけでは飽き足らず…結果的に送り狼に…俺が夏木を自宅まで送り…理性に負けて…あんなことをしてしまった…。

恐らく俺のした一連の行為が…この男の夏木に対する気持ちを…恋心を…砕いてしまったのだろう…。

既婚でありながらも、それから密かに夏木と付き合い続けた俺に、一方的に恨みを抱いて…こんな脅しを仕掛けてきたに違いない。
  
         ああ…

そう考えると、全ては俺の…出しゃばりが原因じゃないか…
そもそも既婚の身である俺が、独身の女性に手なんて出すべきじゃなかった… 

結果として…
未来ある独身男の恋路の邪魔をしたということだ。

本当に…下手なことを、するんじゃなかった…。

俺の中に、じわじわと…
目の前にいる宮城に対し…
そして、夏木に対し…
妻である直美に対しての…

様々な懺悔の気持ちが入り混じり、胸の奥底から後悔の念が、こみあげてくる…

あの夜、素直にこの男に…宮城に…
夏木の介抱を、委ねたら良かった… 

そうすれば、こんなことには…

俺は様々な気持ちを抱えながらも、口を開く…

謝罪だ… 
今、俺に必要とされるものは、

       心からの謝罪だ… 

    
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