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ある男
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とある、カフェの一角…
「は~美味かった。直美さん、ごちそうさまでした!」
「お腹、満足した…?悟君…」
直美が俺の顔をじいっと、見つめてくる…
なんともねちっこい視線が、少しうっとしいと内心思いながらも、
「はい、美味かったです…満腹っす…」
俺は腹をさすりながら、アイスコーヒーを口にする。
カランコロンと氷が軽快な音を立て…
冷たすぎるほどのアイスコーヒーが、喉に染み込んでくる。
「… さて、… 今からどうしよっか… ?」
今日はなんだか、いつにもまして直美の視線が俺にまとわりつくようだ…
腹は十分、満たされた…
だからと言って、何かしたいわけでもない。
ふと、俺は目の前にいる直美を見つめる…。
パート先で知り合った、30過ぎ…確か後半だったか、久我直美という女。
数年前からスーパーに在籍しているらしく、バイトで入って何もわからない俺に、親切丁寧に仕事を教えてくれた。
見た目は… まあ、悪くはない。
目が多少吊り目なせいで、キツイ顔に見えるのが残念だが、まあまあの美人。
そして、俺の一回り上の年齢の割には、スタイルはギリ、保っているように見える。
決してスリムな体形ではなく、少し肉付きの良い身体には違いないが…
この人がここ最近、俺にやたらと、ボディタッチをしてくる。
最初の歓迎会で隣の席だったのがきっかけで仕事も良く教わるようになったのだが、仕事中、必要以上にべたべたと俺の肩や腕なんかに触れてくる。
女は好きだから別に拒否ることもなく放置していたが、ある日の午後、直美に仕事帰りに声を掛けられたのがきっかけで、そのうち食事やお茶…カラオケなんかも行くようになった。
いつも年上だからと言って全て支払いはしてくれるし、最近は靴やバッグまで、あまり金がなくて…と少し嘆けば、買ってくれるようにもなった。
「なに… 悟君、そんなじっと、見て… 恥ずかしいわ…」
「いえ、別に… …」
最近は直美が俺のことを狙っているように見える…いや、絶対にそうだ。
この前の職場の飲み会でぼやいていた。
旦那はかっこいい人だが、もはや男として見れないとか、そもそも帰りが遅くてあまり話をしてないとか…真面目過ぎてつまらんとか、そんな軽めの愚痴を…。
「悟君… あのね、 … 良かったら… その… 」
何を言うつもりだろうか…俺はしばらくの間、直美を見つめる…
前から思っていた…
もしかして、旦那とうまくいっていない…レスだったりするのだろうか…この女は。
欲求不満なのではないか…?
だから、俺を食事に誘って、こんな目で俺を見る…。
だが仮に、抱けと言われたら、全然抱ける…歳はいっているが、俺的には、許容範囲内…
既婚女に手を出すのは危険か…?だが、互いに割り切った関係なら、アリだな…
性欲を満たせて、しかも支払いは全て向こう持ち。
ちょっと値の張る俺が気に入っている上着も買ってあげると最近、言っていたくらいだ…
多分、相手の望みは、俺の身体…なんだろう…
俺の目的と、直美の目的…
これは、ウィンウィンに違いない…
とにかく俺は金が欲しい…
今は品物しか貰ってないが、うまく言えば金も用立ててくれそうな女だ…。
抱いて、などと…既婚の立場ではなかなか言いにくいのだろう…
いっそ、俺から言ってやる。
「直美さん…俺、あなたともっと…もう、少しだけ…親しくなりたい…」
「え… … !? … 」
「結婚している方に言うべきではないですが…その…俺って駄目っすか…?割り切った関係…で…いいから…」
「ええ… ??さ…悟… くん… 」
目を輝かせて俺を見る直美…やっぱりか…
「行きましょう、直美さん… 」
善は急げだ。
俺は直美の手を取り、足早に店を後にした…。
「は~美味かった。直美さん、ごちそうさまでした!」
「お腹、満足した…?悟君…」
直美が俺の顔をじいっと、見つめてくる…
なんともねちっこい視線が、少しうっとしいと内心思いながらも、
「はい、美味かったです…満腹っす…」
俺は腹をさすりながら、アイスコーヒーを口にする。
カランコロンと氷が軽快な音を立て…
冷たすぎるほどのアイスコーヒーが、喉に染み込んでくる。
「… さて、… 今からどうしよっか… ?」
今日はなんだか、いつにもまして直美の視線が俺にまとわりつくようだ…
腹は十分、満たされた…
だからと言って、何かしたいわけでもない。
ふと、俺は目の前にいる直美を見つめる…。
パート先で知り合った、30過ぎ…確か後半だったか、久我直美という女。
数年前からスーパーに在籍しているらしく、バイトで入って何もわからない俺に、親切丁寧に仕事を教えてくれた。
見た目は… まあ、悪くはない。
目が多少吊り目なせいで、キツイ顔に見えるのが残念だが、まあまあの美人。
そして、俺の一回り上の年齢の割には、スタイルはギリ、保っているように見える。
決してスリムな体形ではなく、少し肉付きの良い身体には違いないが…
この人がここ最近、俺にやたらと、ボディタッチをしてくる。
最初の歓迎会で隣の席だったのがきっかけで仕事も良く教わるようになったのだが、仕事中、必要以上にべたべたと俺の肩や腕なんかに触れてくる。
女は好きだから別に拒否ることもなく放置していたが、ある日の午後、直美に仕事帰りに声を掛けられたのがきっかけで、そのうち食事やお茶…カラオケなんかも行くようになった。
いつも年上だからと言って全て支払いはしてくれるし、最近は靴やバッグまで、あまり金がなくて…と少し嘆けば、買ってくれるようにもなった。
「なに… 悟君、そんなじっと、見て… 恥ずかしいわ…」
「いえ、別に… …」
最近は直美が俺のことを狙っているように見える…いや、絶対にそうだ。
この前の職場の飲み会でぼやいていた。
旦那はかっこいい人だが、もはや男として見れないとか、そもそも帰りが遅くてあまり話をしてないとか…真面目過ぎてつまらんとか、そんな軽めの愚痴を…。
「悟君… あのね、 … 良かったら… その… 」
何を言うつもりだろうか…俺はしばらくの間、直美を見つめる…
前から思っていた…
もしかして、旦那とうまくいっていない…レスだったりするのだろうか…この女は。
欲求不満なのではないか…?
だから、俺を食事に誘って、こんな目で俺を見る…。
だが仮に、抱けと言われたら、全然抱ける…歳はいっているが、俺的には、許容範囲内…
既婚女に手を出すのは危険か…?だが、互いに割り切った関係なら、アリだな…
性欲を満たせて、しかも支払いは全て向こう持ち。
ちょっと値の張る俺が気に入っている上着も買ってあげると最近、言っていたくらいだ…
多分、相手の望みは、俺の身体…なんだろう…
俺の目的と、直美の目的…
これは、ウィンウィンに違いない…
とにかく俺は金が欲しい…
今は品物しか貰ってないが、うまく言えば金も用立ててくれそうな女だ…。
抱いて、などと…既婚の立場ではなかなか言いにくいのだろう…
いっそ、俺から言ってやる。
「直美さん…俺、あなたともっと…もう、少しだけ…親しくなりたい…」
「え… … !? … 」
「結婚している方に言うべきではないですが…その…俺って駄目っすか…?割り切った関係…で…いいから…」
「ええ… ??さ…悟… くん… 」
目を輝かせて俺を見る直美…やっぱりか…
「行きましょう、直美さん… 」
善は急げだ。
俺は直美の手を取り、足早に店を後にした…。
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