【完結・R18】もう、少しだけ…

もえこ

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手前

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夏木が不安そうに、俺を見る…
「誰でしょう…」
「なんだろうね、…荷物とかかな」
「…すみません、少し静かにしてて貰えます?ちょっと、出てみます」

夏木は部屋着にカーディガンを羽織って、ドアの方へ向かう。
ドアにある覗き窓を見て、ホッと安心したようだ…ガチャリとドアを開けた。

「はい…」
「夏木さんですか?夜分にすみません、内容証明郵便です、サインをお願いします。」
「…内容…証明…郵便…?」
「はい、ここにサインを…」

少し、嫌な予感がした。

内容証明郵便… 
通常は借金の督促などに利用されることが多いと聞いたことがある…  裁判の手前のイメージ…
俺だって、そんなものを受け取ったことはないのに、そんなものがまだ20代の…夏木に…? 

少しの違和感を感じた。

「主任…これって、なんなんでしょう…私、内容証明郵便って…初めて受け取りました。」
夏木も困惑している。
「差出人は…?」
「えっと…高橋…高橋…弁護士事務所って、書いてます… 開けても、いいんでしょうか…?」

弁護士だと…?  なぜ… 

「つかぬことを聞くけど…君、借金はあるかい…?」
俺は不躾だが、胸騒ぎがして個人的なことを聞いてしまう。

「いえ!とんでもないです…借金なんてしてません」

「そうか」

借金はない…

なのに、弁護士からの内容証明…
まさか… 
まさか…  俺たちのことが…? 

俺はしばらくの間…
呆然と、
  夏木の手の中にある封筒を見つめた…




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