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やっぱ先に

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…2年とちょっとか…思ったより…長え…

男同士の恋愛なんて…考えただけでも色々いざこざありそうで…もっと数か月単位くらいの…短期間だとか思ってた。なんか…ちょっとショック…だな…。

当然、2年も付き合えば…間違いなく…男女の関係…いや…男男の関係…?、まあ、つまりセックスとかそういう話だけど…そんな段階には進んでいるに違いない…
普通の男女でも、どんなにウブな二人でも1年以内にセックスする奴らが多いって…この前、クラスの男どもが話していた気がする…。

あー…やっぱ…聞くんじゃなかった…かも…。
また、瑞樹に最初に彼氏がいたって聞いた時の、イライラとモヤモヤが生まれてきそうだ…。
落ち着け…俺…なんとか…普通に続きを…聞こうじゃないか…。

「…それで…?なんで…フラれたんですか…?相手もゲイだったんでしょ…?普通に考えて問題なさそうに思うけど…なんか、でっかい喧嘩でもしたんですか…?それとも相手に好きな人が…とか?」俺がズケズケ聞き過ぎたのか…見ると瑞樹の表情がどんよりと曇っていた…。あ…ここまではさすがに…デリカシーなかったかな…

反省して、すぐ「あ…いや、いいや先生、すみませ…」と質問を取り下げようとしたら、瑞樹が言葉を重ねてきた。

「彼ね…結婚が…決まった…んだって…。
彼が全然彼女みたいな人を作らないからって、親が心配して、しびれを切らして、勝手に見合い相手を探してきたとかで…実際に会ってみて、気にいったのか、なんなのか…とんとん拍子に…。
僕そのこと、全然、知らされてもなくて…。
それで…あの、映画の前の食事の時に、来年の春…挙式披露宴するからって…ごめんって…突然言われて…。
すごく…すごく…それは何度も…彼は僕に謝ってきたけど…」瑞樹が…いったん、言葉を切る。

「…でもさ…僕…彼のことが本当に…好き…だったんだけど…それはもう…もうさ…太刀打ちできないなって…だって…女の子と…普通に結婚とか…言われたら…彼の幸せは…きっと…そこに…あ…る…」瑞樹が下を向いて…震えているのがわかった…

ぽたぽたと… 涙が… 瑞樹の…膝の上の握りこぶしの…上に落ちる… 

俺が泣かせてしまった…完全に…瑞樹の心の傷を…えぐってしまった…

やっぱ…俺は馬鹿だ…色んな意味で…別れた理由なんてさ…聞くんじゃなかった…
…瑞樹のためにも…俺自身のためにも…

だって俺だって…今…ものすごく…気分が悪い… 

瑞樹がどれほどにソイツを好きだったのか…伝わって…きて…、


…気付けば…俺は泣いている瑞樹の腕を力づくで引き寄せ…奴の唇を塞いでいた…。

「んっ!っ…っ…んん…!…うっ… んん…」薄い唇の隙間から、舌をねじ込む…

「…はっ…あ、須、賀っ…く…んん!離し…っ…あ、ん、っん…んーっ」

もう…これ以上…聞きたくない…奴の話をするな…好きだ…とか、ごちゃごちゃ抜かすな…

俺は舌だけで奴の口内を犯すかのように…逃げ場のないほどに激しく…責め立てた…瑞樹が顔を真っ赤にして、金魚のように酸素を求めて俺の唇から逃れようとするけど…もう逃がさない…

ピザとか…もう、知らねえ…

やっぱ先だ…コイツが先…コイツが悪い…俺をこんな風にしやがって…なんだ、この感情…
今すぐコイツを組み敷いて滅茶苦茶に犯して…奴の話なんて、できる余裕がないようにしてやる…

俺の中に…
  
 残虐な獣が…生み出されようとしていた…









                              
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