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須賀の問い
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「はい…30分以内…ですね?じゃ、お願いします」
俺は電話を切る。
結局俺たちは、デリバリーのピザを注文した。
サイドメニュー割引のキャンペーンチラシがあったのと、最近俺も瑞樹もあんまり食べてないからって
意見が一致して…ピザ。
真っ先に、冷蔵庫を見たがった瑞樹だが、見せた途端…ちょっとしょげたような表情で、
「あ…本当に…何もない…ね…うん、やっぱりデリバリーにしよう。」
俺の冷蔵庫の中身…卵と食パン…あとは飲み物、ビールとか…くらいしか入ってなかったから無理もない。
普段はほとんど適当に近所の行きつけの定食屋で食べて帰るかコンビニやスーパーの弁当で済ませていたから。
デリバリーが来るまで30分もある。
俺は冷蔵庫にかろうじてあった麦茶をコップに二つ分、注ぐ。
瑞樹に出しながら思い付いたことを口にする。
「…あ…先生もしかして、酒…とかのが良かった…?ビールかワインとか…ならあるけど…」
両親と7つ上の姉貴はまあまあ酒を飲む。だから俺んちには酒だけはなにかしらストックがあった。
「あ…えっと、でも…須賀君は飲めないし…いいよ、僕だけ飲むのも…ちょっとね、ありがと。」
…ちっ…ちょっとだけ残念だ…
実は少しだけ、俺には狙いがあった。
コイツはなんとなく酒に弱そうな気がするから…ちょっとアルコールとか入れた方が、ぼーっとなって俺に簡単に身を委ねてくれたりしないかな…とか…まあ、これは後の…話だけど…
…でもまあ、この答え方だと、飲まないタイプじゃないことだけはわかったから、いいか。
あとでもっかい、勧めてみよう……そう、俺は密かに計画する。
「…ですか、お酒一応あるんで、飲みたくなったらいつでも言ってください…」
麦茶をすすりながら、声をかける。
会話が途切れそうになったので、気になっていたことを聞くチャンスだとばかりに思い切って瑞樹に尋ねる。
「…先生、聞いていいですか…?その…フラれたっていう彼氏…とは、どのくらい…付き合って…たんですか…?」
聞きたくないけど…気になる…聞いたら嫌な気持ちになりそうだと…わかってるけど、やっぱどうしても気になる…
おかしなもんだ…今まで遊びのように付き合ってきた女や、欲望だけでセックスした女に…付き合っている男がいようがいまいが…そもそも、そんなこと気にしたこともないし、もちろん、わざわざ確認しようとしたこともない俺が…なぜ、こんなことを…瑞樹にだけは…聞いてしまうのか…ああ、俺、やっぱ重症だ…。
「あ…彼ね…えっとね…彼…大学の2こ上の先輩で…名前は…あ、言っても仕方ないか…付き合ってた期間は…うーんと…2年…と、ちょっとか…な…」また…遠い目をする瑞樹…
2年だと…
俺の胸が…チクリと疼いた…
俺は電話を切る。
結局俺たちは、デリバリーのピザを注文した。
サイドメニュー割引のキャンペーンチラシがあったのと、最近俺も瑞樹もあんまり食べてないからって
意見が一致して…ピザ。
真っ先に、冷蔵庫を見たがった瑞樹だが、見せた途端…ちょっとしょげたような表情で、
「あ…本当に…何もない…ね…うん、やっぱりデリバリーにしよう。」
俺の冷蔵庫の中身…卵と食パン…あとは飲み物、ビールとか…くらいしか入ってなかったから無理もない。
普段はほとんど適当に近所の行きつけの定食屋で食べて帰るかコンビニやスーパーの弁当で済ませていたから。
デリバリーが来るまで30分もある。
俺は冷蔵庫にかろうじてあった麦茶をコップに二つ分、注ぐ。
瑞樹に出しながら思い付いたことを口にする。
「…あ…先生もしかして、酒…とかのが良かった…?ビールかワインとか…ならあるけど…」
両親と7つ上の姉貴はまあまあ酒を飲む。だから俺んちには酒だけはなにかしらストックがあった。
「あ…えっと、でも…須賀君は飲めないし…いいよ、僕だけ飲むのも…ちょっとね、ありがと。」
…ちっ…ちょっとだけ残念だ…
実は少しだけ、俺には狙いがあった。
コイツはなんとなく酒に弱そうな気がするから…ちょっとアルコールとか入れた方が、ぼーっとなって俺に簡単に身を委ねてくれたりしないかな…とか…まあ、これは後の…話だけど…
…でもまあ、この答え方だと、飲まないタイプじゃないことだけはわかったから、いいか。
あとでもっかい、勧めてみよう……そう、俺は密かに計画する。
「…ですか、お酒一応あるんで、飲みたくなったらいつでも言ってください…」
麦茶をすすりながら、声をかける。
会話が途切れそうになったので、気になっていたことを聞くチャンスだとばかりに思い切って瑞樹に尋ねる。
「…先生、聞いていいですか…?その…フラれたっていう彼氏…とは、どのくらい…付き合って…たんですか…?」
聞きたくないけど…気になる…聞いたら嫌な気持ちになりそうだと…わかってるけど、やっぱどうしても気になる…
おかしなもんだ…今まで遊びのように付き合ってきた女や、欲望だけでセックスした女に…付き合っている男がいようがいまいが…そもそも、そんなこと気にしたこともないし、もちろん、わざわざ確認しようとしたこともない俺が…なぜ、こんなことを…瑞樹にだけは…聞いてしまうのか…ああ、俺、やっぱ重症だ…。
「あ…彼ね…えっとね…彼…大学の2こ上の先輩で…名前は…あ、言っても仕方ないか…付き合ってた期間は…うーんと…2年…と、ちょっとか…な…」また…遠い目をする瑞樹…
2年だと…
俺の胸が…チクリと疼いた…
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