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邪魔
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俺が奴の腰に手を伸ばしたその瞬間、
ピリリリリ…ピリリリリ…と、音…。
その音に、ビクンと…瑞樹が身体を震わせる…
携帯の着信音…
俺のスマホだ…、でも多分急ぎじゃないし、スルーだスルー…。
再びベルトに手をかけようとしたら、まただ…ピリリリリ…と何度もコールがある。
…っち、なんだよこんな時に…
テーブルの上でうるさくなり続けるスマホを取りに俺は瑞樹から身体を離し、画面を見る。
…加藤…だった…うっるせーな…空気読めよ…バカ… いったん無視するが…
その後、3度目のコール。なんで、相手が出ないのに、何度もかけやがんだ…差支えって、わかんねえかな…。
マジで、うぜえ…コイツ…あーー、もう、いったん出て適当にあしらって、速攻切ってやる。
ピリリっ…「…はい…?何、加藤…?なんか、用か…なんなんだよ…急ぎか…?」
瑞樹との行為を中断しているから、俺の声はかなり低く、冷めている…と俺自身そう思う。すまん、加藤…
「あ、すまんすまん、今忙しいとか…?いや、明日言おうかどうか迷ったんだけどよ…まあ、…電話の方がいいかなって…いや、ちょっと直接は言いづらいし…な…あの…さ…俺…」
なんなんだ…明日でいいじゃんか…ってか、はやく言え…今、いいところなのに…。
「…たっ…助…けて…!!その、電話の人…誰でもっ…いいから、助け、…て!!」
俺はギョッとする。いきなり背後で、瑞樹にしては、まあまあ…大きな声で、叫びやが、…った…。
「ん…なん、だ…?今の、叫び声…おい、須賀…今、お前、誰かと…いんの…?」
「いっや!!ドラマ…だよ、前に撮りためていたドラマ…だ…ちょっと待て、音量下げるわ…」
俺は咄嗟に片手で、瑞樹の口を塞ぐ。「んっ…!むぐっ…んふ… んん」…涙目で俺を…睨む、小動物。
「…ってか、加藤、とにかく俺今取り込み中…なんだ…だから、悪いが話は明日にしてくれ、…じゃ、じゃなっ!」
そう、なかば一方的に奴に伝えて、電話を強制的に終了させた。
うざいから、電源から落とす…。
さっきの瑞樹の声…助けてっ…て、キーワード…加藤に、どこまで…聞こえただろうか…
そもそも…誤魔化せただろうか…
アイツは結構、勘が鋭い…
でもさすがに、声が誰のものかまでは、わからなかった…だろう…そう、祈るしかない。
俺はスマホを投げ出し、瑞樹に向き直る。
「おい…おまえ…なんてこと、すんだよ…聞こえちまったかも…しんねえ…だろう…はあぁ…」俺がそう言うと、
「…そっ…そんなこと、し…知らないっ…だって、もう僕…どうしたら…いいか…うっ…くっ…」
瑞樹が…どうやら…本気で…泣き始めた…
つづく
ピリリリリ…ピリリリリ…と、音…。
その音に、ビクンと…瑞樹が身体を震わせる…
携帯の着信音…
俺のスマホだ…、でも多分急ぎじゃないし、スルーだスルー…。
再びベルトに手をかけようとしたら、まただ…ピリリリリ…と何度もコールがある。
…っち、なんだよこんな時に…
テーブルの上でうるさくなり続けるスマホを取りに俺は瑞樹から身体を離し、画面を見る。
…加藤…だった…うっるせーな…空気読めよ…バカ… いったん無視するが…
その後、3度目のコール。なんで、相手が出ないのに、何度もかけやがんだ…差支えって、わかんねえかな…。
マジで、うぜえ…コイツ…あーー、もう、いったん出て適当にあしらって、速攻切ってやる。
ピリリっ…「…はい…?何、加藤…?なんか、用か…なんなんだよ…急ぎか…?」
瑞樹との行為を中断しているから、俺の声はかなり低く、冷めている…と俺自身そう思う。すまん、加藤…
「あ、すまんすまん、今忙しいとか…?いや、明日言おうかどうか迷ったんだけどよ…まあ、…電話の方がいいかなって…いや、ちょっと直接は言いづらいし…な…あの…さ…俺…」
なんなんだ…明日でいいじゃんか…ってか、はやく言え…今、いいところなのに…。
「…たっ…助…けて…!!その、電話の人…誰でもっ…いいから、助け、…て!!」
俺はギョッとする。いきなり背後で、瑞樹にしては、まあまあ…大きな声で、叫びやが、…った…。
「ん…なん、だ…?今の、叫び声…おい、須賀…今、お前、誰かと…いんの…?」
「いっや!!ドラマ…だよ、前に撮りためていたドラマ…だ…ちょっと待て、音量下げるわ…」
俺は咄嗟に片手で、瑞樹の口を塞ぐ。「んっ…!むぐっ…んふ… んん」…涙目で俺を…睨む、小動物。
「…ってか、加藤、とにかく俺今取り込み中…なんだ…だから、悪いが話は明日にしてくれ、…じゃ、じゃなっ!」
そう、なかば一方的に奴に伝えて、電話を強制的に終了させた。
うざいから、電源から落とす…。
さっきの瑞樹の声…助けてっ…て、キーワード…加藤に、どこまで…聞こえただろうか…
そもそも…誤魔化せただろうか…
アイツは結構、勘が鋭い…
でもさすがに、声が誰のものかまでは、わからなかった…だろう…そう、祈るしかない。
俺はスマホを投げ出し、瑞樹に向き直る。
「おい…おまえ…なんてこと、すんだよ…聞こえちまったかも…しんねえ…だろう…はあぁ…」俺がそう言うと、
「…そっ…そんなこと、し…知らないっ…だって、もう僕…どうしたら…いいか…うっ…くっ…」
瑞樹が…どうやら…本気で…泣き始めた…
つづく
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