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告白
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「実は…俺…先生の…先生の…」
「はい…な、なんですか…?」きょとんとした、瑞樹の目、珈琲カップを両手に持ち、まっすぐに俺を見る。
「…俺ですね、どうやら、先生の泣き顔が…好き、みたい、なんです…」
…言ってしまった…
実は俺、直前に、迂回しようかとか、適当に雑談で誤魔化そうかとか…思ってたんだ。
だっていきなり家まで連れ込んでおきながら、さらに俺がコイツにおかしなことを口走って、瑞樹を警戒させたくなかったから…。明日からまだ2週間弱、瑞樹とは顔を合わせるし、適当な話というか思い付きの相談をして、とりあえずこの場を凌ごうかと、ついさっきまで考えていた…のに。
この馬鹿、俺のこの…あほな…口が…勝手に…本心を…バラまいてしまった…。
「…は…?…え…? ぼ、僕の…、な、泣き顔…?」
ほら見ろ…瑞樹の表情が…少し固くなった…珈琲飲んでほんわか和んでいた表情が…瞬時に、消えちまった。
「…な、何言ってるのかな…よく、意味が、分かんない…んだけど…す、須賀君…?」瑞樹が、コーヒーカップをゆっくりと、机に置く。
「今日の相談って…なに?…え、ごめん…ちょっと、言っている意味がよく、わかんな…痛っ…」
瑞樹の細い手首をつかむ。瑞樹の目に、完全に怯えの表情が浮かぶ。
ああ…俺ってどうしていつも、こいつに対して、あんまり抑えが効かないんだろう…
今まで、こんなことはなかった…どんな女に対しても、もちろん…男に対しても…
しかもコイツとは、つい最近会ったばかりで、性格だって、他にもたくさん、知らないことだらけなのに…どうしても…俺の身体が…
「…だからさ…、それ…その顔…が、好きだって、言ってんの…ヤバい…俺が嫌なら、そんな顔すんな…」
俺はそう言って、瑞樹の身体を、引き寄せる。俺の胸に押し付けて抱き締めてみる。
小さくて細くて…意外に、固い…そりゃそっか…男なんだし…でもなんか…いいにおいがする…。
「なっ…すっ、須賀、君…!?ほんとに、何…相談って言うから…来たのに…僕もう…ちょっと、か…帰る…っ離してっ…」
瑞樹が俺の胸の前で必死に腕を突っぱねる…ああ…完全に、コイツ…困ってる…眉が困ってる…
よく見ると泣きそうな顔…本気で俺を…嫌がってるのがわかる… でももう、俺は奴を離すことができない。
「すみません…離しません…俺も正直、なんでこうなってんのか、よくわかんないけど…抱き締めたいし…我慢できない。あ、言っときますけど俺、ゲイとかでもないんです、マジで…ああもう、わけわからん…」
俺は瑞樹を抱きしめたまま、独り言のように呟く。
「…須賀…君、…く、苦しい…」俺が無意識に奴をぎゅっと抱き締めていたせいで、瑞樹が小さくつぶやく。
白い頬が蒸気して…ピンクに染まって…泣きそうな目で俺を見る。ああ…もうだめだ…可愛い…キス、したい…
俺は瑞樹の頬を包む込み、上を向かせる。
ビクリと瑞樹が震え、恐るおそる…本当におびえ切った眼で…俺を見る。ドクン…胸が震える。
俺が顔を奴の顔に近づけていき、最初に瑞樹の頬にちゅっとキスをすると、ビクンと身体を振るわせ、「あっ」と、小さく叫ぶ。「須賀、君…!何…冗、談は、やっ、やめ…、んっ…!?っん ん…!!」
俺は有無を言わさず、奴の唇を無理矢理に塞ぐ…もはや我慢できなかった…ごめん…
瑞樹の、男なのに異様に柔らかくて…小さな…しっとりとした唇…
表面だけでは我慢できずに、舌を…無理矢理にねじ込む。
「んーっ…んうっ…ん…」突然の舌の侵入に、瑞樹が驚いて、唇を重ねたままで、眼を見開く…。
涙で潤む瞳…俺を見て、またきつく目を閉じる…「んっ…ん、ふ…」合間にやっと、口を開く。
「んっ 、…やっ…す…須賀、君…っ…やっ…やめっ…ん…っ!」
逃がさない…まだ、やめない…俺は奴を解放せず、舌で、口内を蹂躙していく…
まだ…まだだ…俺の激しいキスで…コイツの息すら…止めたくなる…
…ああ…俺ってやっぱ…ヤバいかも…
止まんねえ…
つづく
「はい…な、なんですか…?」きょとんとした、瑞樹の目、珈琲カップを両手に持ち、まっすぐに俺を見る。
「…俺ですね、どうやら、先生の泣き顔が…好き、みたい、なんです…」
…言ってしまった…
実は俺、直前に、迂回しようかとか、適当に雑談で誤魔化そうかとか…思ってたんだ。
だっていきなり家まで連れ込んでおきながら、さらに俺がコイツにおかしなことを口走って、瑞樹を警戒させたくなかったから…。明日からまだ2週間弱、瑞樹とは顔を合わせるし、適当な話というか思い付きの相談をして、とりあえずこの場を凌ごうかと、ついさっきまで考えていた…のに。
この馬鹿、俺のこの…あほな…口が…勝手に…本心を…バラまいてしまった…。
「…は…?…え…? ぼ、僕の…、な、泣き顔…?」
ほら見ろ…瑞樹の表情が…少し固くなった…珈琲飲んでほんわか和んでいた表情が…瞬時に、消えちまった。
「…な、何言ってるのかな…よく、意味が、分かんない…んだけど…す、須賀君…?」瑞樹が、コーヒーカップをゆっくりと、机に置く。
「今日の相談って…なに?…え、ごめん…ちょっと、言っている意味がよく、わかんな…痛っ…」
瑞樹の細い手首をつかむ。瑞樹の目に、完全に怯えの表情が浮かぶ。
ああ…俺ってどうしていつも、こいつに対して、あんまり抑えが効かないんだろう…
今まで、こんなことはなかった…どんな女に対しても、もちろん…男に対しても…
しかもコイツとは、つい最近会ったばかりで、性格だって、他にもたくさん、知らないことだらけなのに…どうしても…俺の身体が…
「…だからさ…、それ…その顔…が、好きだって、言ってんの…ヤバい…俺が嫌なら、そんな顔すんな…」
俺はそう言って、瑞樹の身体を、引き寄せる。俺の胸に押し付けて抱き締めてみる。
小さくて細くて…意外に、固い…そりゃそっか…男なんだし…でもなんか…いいにおいがする…。
「なっ…すっ、須賀、君…!?ほんとに、何…相談って言うから…来たのに…僕もう…ちょっと、か…帰る…っ離してっ…」
瑞樹が俺の胸の前で必死に腕を突っぱねる…ああ…完全に、コイツ…困ってる…眉が困ってる…
よく見ると泣きそうな顔…本気で俺を…嫌がってるのがわかる… でももう、俺は奴を離すことができない。
「すみません…離しません…俺も正直、なんでこうなってんのか、よくわかんないけど…抱き締めたいし…我慢できない。あ、言っときますけど俺、ゲイとかでもないんです、マジで…ああもう、わけわからん…」
俺は瑞樹を抱きしめたまま、独り言のように呟く。
「…須賀…君、…く、苦しい…」俺が無意識に奴をぎゅっと抱き締めていたせいで、瑞樹が小さくつぶやく。
白い頬が蒸気して…ピンクに染まって…泣きそうな目で俺を見る。ああ…もうだめだ…可愛い…キス、したい…
俺は瑞樹の頬を包む込み、上を向かせる。
ビクリと瑞樹が震え、恐るおそる…本当におびえ切った眼で…俺を見る。ドクン…胸が震える。
俺が顔を奴の顔に近づけていき、最初に瑞樹の頬にちゅっとキスをすると、ビクンと身体を振るわせ、「あっ」と、小さく叫ぶ。「須賀、君…!何…冗、談は、やっ、やめ…、んっ…!?っん ん…!!」
俺は有無を言わさず、奴の唇を無理矢理に塞ぐ…もはや我慢できなかった…ごめん…
瑞樹の、男なのに異様に柔らかくて…小さな…しっとりとした唇…
表面だけでは我慢できずに、舌を…無理矢理にねじ込む。
「んーっ…んうっ…ん…」突然の舌の侵入に、瑞樹が驚いて、唇を重ねたままで、眼を見開く…。
涙で潤む瞳…俺を見て、またきつく目を閉じる…「んっ…ん、ふ…」合間にやっと、口を開く。
「んっ 、…やっ…す…須賀、君…っ…やっ…やめっ…ん…っ!」
逃がさない…まだ、やめない…俺は奴を解放せず、舌で、口内を蹂躙していく…
まだ…まだだ…俺の激しいキスで…コイツの息すら…止めたくなる…
…ああ…俺ってやっぱ…ヤバいかも…
止まんねえ…
つづく
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