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動揺
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あの小動物の、泣き声に…嗚咽に…なんとか絞り出すような、か細い声に…白い頬と、涙に濡れた表情に…
完全に…欲情していた……
見も知らぬ初対面の男に…
まだ…声だけだったら…救いようがあるけど…顔を見て、男だと認識したのに…俺のアレは…おさまらなかった…
やべえ…なんなんだよアイツ…っていうか、やべえのは俺か…俺…男が好きとか、そんな性癖、今まで全然、なかったのに…俺はため息をつく…。
もう一度アイツに会ってみたら…答えが出るのかな…
一時の気の迷いっていうか、暗闇効果…みたいなもんだったかも、しんねえし…
あーあ…やっぱり、アイツの連絡先かなんか…聞いとけばよかったな…映画が好きだとか友達が欲しいとか、なんとか理由、作って…
あ…でも、あの場面でいきなり、俺が連絡先なんて聞いていたら多分、警戒されちゃったな…
きっと聞いたところで…あの子は…何、いきなりこの人…みたいに、ドン引きしていただろうな…と思い返す。
もう…いいや…とりあえず、考えるのはやめよう…そのうち、映画に行ったときにでも偶然会うかもしんないし、何より俺は…男が好きな男、ではないのだから…
それはそうと…明日から俺の学年全クラスに、教育実習生が2週間の期間限定で実習に入ることになっていた。男か女か…イケメンか美女か…どこの大学か…とか時々噂はされていたものの、たった2週間の短い期間だ。俺を含め、皆の興味は薄く、今日は夕方だけ顔を出す程度であいさつに来ると聞いていた。
夕方のホームルームで、教室の皆がざわざわしたなか、教師の卵、教育実習生の紹介を待つ。
「それでは日向先生…、お入りください。」
ガラッ…と扉の開く音。
俺はあまり興味もなく、そちらには目を向けず、ボケっと空を眺めていた。
教室前方の入口から、スタスタと歩く足音…「…あっ…!っ…」と、前方から小さな声がする…
…ん…、この声…んん…?
その男…何もない床で…つまずいた…みたいだけど…なんとか転ばずに歩き、何事もなかったかのように、教壇の横に立つ。
「皆さん、初めまして…日向瑞樹って言います。明日から2週間、どうぞよろしくお願いします。」そう言って…ペコリとお辞儀をする…。
…その男は、俺がもう一度会ってみたいと願った、あの時の小動物に違いなかった…
俺の心臓が、突然早鐘のように鳴り出した…もう一度見て確認するが…多分、間違いない…
マジか…俺より年上…?見えねー
…で、しかも…先生…のたまごだったのか…
つづく
完全に…欲情していた……
見も知らぬ初対面の男に…
まだ…声だけだったら…救いようがあるけど…顔を見て、男だと認識したのに…俺のアレは…おさまらなかった…
やべえ…なんなんだよアイツ…っていうか、やべえのは俺か…俺…男が好きとか、そんな性癖、今まで全然、なかったのに…俺はため息をつく…。
もう一度アイツに会ってみたら…答えが出るのかな…
一時の気の迷いっていうか、暗闇効果…みたいなもんだったかも、しんねえし…
あーあ…やっぱり、アイツの連絡先かなんか…聞いとけばよかったな…映画が好きだとか友達が欲しいとか、なんとか理由、作って…
あ…でも、あの場面でいきなり、俺が連絡先なんて聞いていたら多分、警戒されちゃったな…
きっと聞いたところで…あの子は…何、いきなりこの人…みたいに、ドン引きしていただろうな…と思い返す。
もう…いいや…とりあえず、考えるのはやめよう…そのうち、映画に行ったときにでも偶然会うかもしんないし、何より俺は…男が好きな男、ではないのだから…
それはそうと…明日から俺の学年全クラスに、教育実習生が2週間の期間限定で実習に入ることになっていた。男か女か…イケメンか美女か…どこの大学か…とか時々噂はされていたものの、たった2週間の短い期間だ。俺を含め、皆の興味は薄く、今日は夕方だけ顔を出す程度であいさつに来ると聞いていた。
夕方のホームルームで、教室の皆がざわざわしたなか、教師の卵、教育実習生の紹介を待つ。
「それでは日向先生…、お入りください。」
ガラッ…と扉の開く音。
俺はあまり興味もなく、そちらには目を向けず、ボケっと空を眺めていた。
教室前方の入口から、スタスタと歩く足音…「…あっ…!っ…」と、前方から小さな声がする…
…ん…、この声…んん…?
その男…何もない床で…つまずいた…みたいだけど…なんとか転ばずに歩き、何事もなかったかのように、教壇の横に立つ。
「皆さん、初めまして…日向瑞樹って言います。明日から2週間、どうぞよろしくお願いします。」そう言って…ペコリとお辞儀をする…。
…その男は、俺がもう一度会ってみたいと願った、あの時の小動物に違いなかった…
俺の心臓が、突然早鐘のように鳴り出した…もう一度見て確認するが…多分、間違いない…
マジか…俺より年上…?見えねー
…で、しかも…先生…のたまごだったのか…
つづく
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