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第1章 Life in Lacra Village
第8話 各々、感情を巡らせる
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その日、リバーとフエンは宿に戻らなかった。
リバーとフエンが東の山に向かうのをハジメとレスカが目撃していた。 その話を受けて、村の中では捜索隊が組まれようとさえしていた。 そのまま夜が明けても戻らなければ──ということだったが、なんとか次の日彼らは戻ってきた。
姿を見せたはいいもののリバーとフエンは傷だらけであった。 また南の山から下山してきたこともあって村人の心配は加速した。 なぜなら、南の山は村人が主に利用している採取場でもあったからだ。
戻ってきたリバーの怪我の状況は凄まじく、かなりの重体だった。 リバーを魔導書に載せて運んできたフエンもそこそこの怪我を負っており、一時村の中は騒然となった。
問題はいくつかある。 まず自分達の村に泊めている客が怪我を負ったことが一つ。 そして魔法使いであるはずの彼らが何かに負けて帰ってきたという事実。 それらは村周辺に脅威が存在しているという証明でもあった。
ラクラ村には医療院など治療を請け負う施設が無い。 それは治療が可能な医者が在中していないということと、治癒魔法を使える魔法使いがいないという、二つの理由から生じる事象であった。 では怪我を負ったものはどうするか。
軽症であれば薬草などを塗り込むことで誰でも簡易に処置することができる。 次に重傷の場合、村に常備してある治癒ポーション──高価なため非常事態にしか用いられない──を使用する。 それらの中間ほどの怪我であれば判断を迷うが、その場合は近隣の村に運ぶなどして対処に当たっている。
明らかに重傷なリバーと中等症のフエンという二症例が同時に発生したために、村は対処に追われた。
リバーらが東の山から南の山にかけて探索を行ったということだが、その前提には村長がその活動を勧めたということが明らかになってしまった。 たとえリバーらが勝手にそういった活動をしていたとしても、彼らが客人である以上、村にも多少の責任は生じる。 そういう事情が複雑に絡み合い、問題は深刻化していた。
「村長が勧めたのであれば、その責任を俺らに負わせることは間違っている!」
「それはそうだが、しかし……」
村の共有財産は全て村長が管理している。 村人から上納品や成果物を回収し、それを近隣の街などで金銭に換えるのは村長の役割であり、貨幣としての共有財産も村人の労働の対価だと言える。 つまりそこから購入された治癒ポーションは、村人全員のものだと判断されるわけだ。 それを用いる対象がこの村の人間ならば、まず揉めることはなかっただろう。 誰が怪我したとしても、互助関係にある村人同士なら仕方ないで済む話だったからだ。
しかし今回は話が違う。 怪我したのが村の人間でもなければ、村人の総意で進められた行為による怪我でもない。 勝手に調査を求めたのはリバーたちだし、もし責任を追求するとしても村長個人に対してだろう──そういう民意が出来上がりつつあった。
「ハナからあのような不審な者たちを招き入れなければ、このような事態は起こっていないはずだ!」
「そこに関しても村長の独断で行われたのだから、ますます責任は村長個人にあるのでは?」
至極尤もな意見である。 ではリバーらを無視すべきかと言えば、それも違う。 村人としての意見は高価なポーション使用を躊躇うものだが、根本的な人間としての心情はその逆だ。 だからこそ感情が鬩ぎ合い、議論が長引いているのだ。
一番楽なのは誰かに責任を負わせることで、そうすれば心情的にも理解できるものがある。 要は落とし所だ。 誰も傷つかない落とし所を皆で探しているのが現状だが、どこに落としてもダメージがあるから困るのだ。
「そうだ、今回の責任の所在は儂にある……。 だがリバーさんたちの行動はこの村を慮ってくれたことによるものが大きい。 たとえそれが単純な金銭欲によるものだとしても、村を豊かにするという結果につながる行動だったのは間違いないのだ。 それを重々分かっていて欲しい……」
それは村人たちにも百も承知の事実である。 たとえ村長に全責任をなすりつけたとしても、後を引く感情が生じるのは間違いないだろう。 だから迂闊に答えを見出せない。
「ではこれはどうだろうか。 今回はポーションを皆の総意で使用し、その対価はリバーさんたちから後払いとして求める。 幸運なことに彼らは単純な旅人ではなく行商も行っている。 同等のものを得られるかどうかは不明だが、昨日見せていただいたものの中にも価値のあるものは多かった。 商人であれば信用を第一にするはず。 そう信じて今回は儂に任せてくれないか?」
そう言われてしまえば言い返す言葉はない。 しかしその価値云々も村長の主観によるものなので、どこまで追求すればいいのかは分からない。
結果、これ以上議論を長引かせてしまえばリバーたちの生命に関わるということで、なし崩し的に村長の案が採択された。 不満を抱える者が少なからずいたが、総意ということであれば異論を唱えることができない。
これは狭い村という単位だからこそ起こってしまう事象だ。 誰もが保守的になってしまうからこそ、落とし所が見つからないのだ。 こうして不毛な議論は幕を閉じていった。
数日後の夕方──。
「リバーさんはもうよろしいのですか?」
「ええ。 村の皆さんが私に治癒ポーションを用いてくれたので、今では元気になっておりますよ」
リバーは事件以降、毎日当然のように姉妹の──とくにエスナの元を訪れている。 姉妹との生活に不審者が入り込んでハジメとしては迷惑なことこの上ないのだが、どういうことかエスナとリバーがとても打ち解けあっている。 この状況に、正直ハジメには嫉妬心しかない。 家族を奪われたような言葉にできない感覚は、ハジメの心をモヤモヤさせていた。
(これが俗に言うNTRってやつか……。 心が締め付けられるんだけど、リバーが悪いやつじゃないってのがなぁ……)
リバーは外見が最悪なだけで、話も上手だし色々手解きすら行ってくれる。 ハジメに関しては夜の特訓を見られてしまったことでそこに介入されているし、エスナに関しても魔法の指導をしてもらっている。 それも時間が空いた時に限った話なのだが、何せリバーは旅人という超絶自由人。 ハジメからすれば、リバーは金持ちフリーターのイメージ。 時間も金も持ち合わせている。 だからいつでもどこでも飛んでやってくる。 ハジメはこれが憎々しい。 夜間の特訓を見てくれてさえいるので、感謝と憎さのアンビバレントな感情が相互にハジメを苦しめてくる。
(くそう……こいつが悪いやつなら良かったのにィいいい!)
ハジメは内心で髪の毛を掻きむしる。 今やずっと相手をしてくれるのはレスカだけだ。 レスカも姉を取られた気分のようで、少し寂しげ。
「ハジメさん、今日の私はあなたのお手伝いができませんので、ご了承ください」
リバーがこっそりと言う。
「……?」
「リバーさんは今日お休みをくださいと言っているわ」
エスナが通訳をしてくれた。 ハジメはそれっぽい理解を示し、顔を縦に振った。
特訓のために毎晩ベッドを抜け出していたことで、これまでエスナには不信感を与えてしまっていた。 今はハジメが夜に鍛えていることはすでにエスナにもバレていて、知らないのはレスカだけである。 とにかくよく眠る娘なので助かっている。
リバーは今日も当然のように夕食を姉妹宅で済ませ、宿に戻って行った。
「お姉ちゃん、最近元気になったねー」
「そう? 今までそんなに元気なかったってこと……?」
「うーん、なんだかいつも疲れてたよ」
「そうなのね……。 でも今は、えっと……そうね、ハジメもお仕事を手伝ってくれてるから楽になったんだと思うわ。 私が学校に行っている間もレスカを見ててくれるから、とっても安心なの」
「うんうん、ハジメのおかげだよね! ハジメ、お姉ちゃんが褒めてるよ!」
「えっと……?」
「みんな嬉しいってこと! いししー」
レスカは姉の発言を聞いて満足そうだ。 そんなレスカの様子を見て、ハジメは安心感をもらえる。 やはりどんな生活にも家族は必要だし、その中でもレスカのような純真な娘は不可欠だ。
日本では希薄な家族関係を送っていたハジメに、初めて家族がいるという喜びが芽生えてきた。 それと同時にエスナを取られるかもしれないという不安も。
「今の生活も安心ね」
「でもリバーさん怖いからヤダ!」
「もう、そんなこと言わないの。 色々教えてくれるからとってもいい人よ?」
「でもぉ……やっぱり顔が……」
何故リバーがああもピエロメイクに拘っているかは、姉妹にもハジメにも分からない。 もちろん村人にも分からないままだ。
朝から夕までメイクして肌が疲れないのだろうか。 そんな意味不明な心配までもがハジメの中に湧いてくる。
「いつまであの人うちに来るの!?」
「そんなに邪険にしちゃダメよ。 リバーさんもフエンちゃんが心配で、それを紛らわせるために来てるんだから」
「フエンちゃん、かぁ……。 あの子あたしのこと馬鹿にするから嫌い!」
「レスカ、大人にならないとダメよ? 色んな人と仲良くしなくちゃ」
「でもぉ……」
エスナは自身の変化に気づいていない。 誰かと仲良くなど、これまでの彼女からは生まれてこなかった発想だ。
エスナを変えたのは勿論リバー。 話を聞いてくれる──それも頼り甲斐のある大人の男性ということで、エスナはある種の安心感を得ていた。
「ほら、明日もあるんだからそろそろ寝なくちゃいけないわ」
「はぁーい」
「レスカは今日もハジメと寝るの?」
「うん、そうするー」
「もうお姉ちゃん離れね。 感慨深いわ……」
「なに泣いてるのー? 今日は一緒に寝てあげようか? にししー」
「もう、調子に乗らないの」
夜の整容を終えて、各自それぞれの寝室へ。 今やハジメとレスカはハジメの部屋の一つのベッドで就寝するルールになってしまっている。
「ハジメ、寝るよぉ?」
「分かった」
いつの間にやら、レスカの依存先がエスナからハジメに移行してしまっていた。 レスカにしてみれば兄ができたような感覚なのか、当然のようにべったりと抱き付いてくるが、ハジメにしてみれば毒でしかない。 レスカは歳相応以上にたわわに実った果実を惜しげもなく擦り付けてくるし、なおかつ同じベッドで眠るのだ。 こうしてハジメは毎晩レスカの地獄のような攻めに耐えねばならず、隣の部屋にエスナがいなければ欲情を抑えきれないほどになってしまっている。
村人に俗に言う下着という概念は無い。 レスカも当然それを身につけていない。 が、一応この村には下着概念はあり、ズボンの下にはカボチャパンツのような軽めの下着を付けている。 ところが眠る時のレスカはズボンを脱ぐし、上着も寝間着というか薄手のものに変えている。 そして当然のように着替えをハジメの目の前で行うので、たまったものではない。
これに関してエスナが何も言ってこないのは、ハジメがヘタレだと思っているからだろうか。
寝る前のレスカは色々なことを話してくれる。 ハジメの言語習得のためか、単に話し足りないためか。 恐らくその両方だろう。 これがハジメにはありがたいし、こうすることでレスカに対する愛情は毎日のように深くなる。
「ハジメ、お姉ちゃんの次に好きぃ……」
狭いベッドでほとんど抱き合いながら、レスカが眠い声で言う。 レスカのハジメに対する感情は、家族という形での愛情だ。 決して恋愛感情によるものではない。 それがハジメには分かっているからこそ明確な線引きをして、滾る欲情を夜の特訓で忘れるのだ。
レスカが完全に寝入るまでも特訓だ。 布団で精神を鍛え、外で肉体を鍛える。 ハジメが成長する場は当たり前のように用意されていた。
「フッ……フッ……フッ……!」
今晩もハジメが特訓を続けていると、視界の端で何かが動くのが見えた。
(なんだ……?)
よく目を凝らせばそれはエスナで、彼女は家を出てどこかに向かっているようだった。 それは村の方面であり、ハジメのいる側ではない。 こんな夜中にどういうことなのだろうか。 これに関してはハジメが言える立場ではないのだが、少し気になってエスナを追うこととした。 といっても、ギリギリ見える程度の場所から観察する程度だ。
(あれは……リバーか?)
ハジメは心がシュンとしてしまった。 エスナが小走りでリバーの元に駆けていったのだ。 ハジメははっきりと理解した。
(ああ、これが……)
失恋、というわけでもない。 だがそれに近しい感情がハジメに生まれていた。
(そうだよな……。 これ以上他人の逢瀬を覗くのは失礼だからやめておこう……。 エスナには幸せになる権利がある)
リバーが今日の特訓は難しいと言った理由。 それは、エスナと夜の密会をするためだったのだ。 ハジメはリバーがエスナの心の隙間に入り込んで恋心を弄んでいる姿を想像したが、実際にそのイメージは完成しなかった。
(リバーは単純にいい奴だからな……。 エスナが惚れるのも当たり前で、むしろ幸せになってくれって感じだ)
そうは思うのだが、まだ完全に噛み砕ける感情ではない。 感情とは裏腹にハジメはもう見ていられなかったので、足早にその場を去った。
そこからハジメは無心で木剣を振るった。 ただひたすらに、たとえエスナが居なくてもハジメがレスカを守れるように。
エスナが幸せになるのはハジメにとっても喜ばしいことだ。 もしそうなるのならば、エスナには安心してここを出られるようになってほしいとさえ思っている。
(そのためには、俺自身に強さが必要だ)
ハジメが現在想像している強さとは単純な肉体的な強さなのだが、それはあながち間違っていない。 腕力でもなんでも、守る力に変換できるのならばそれで良いのだ。
(俺がレスカを守れるって分かれば、エスナは安心して自分の人生を歩める)
エスナがその人生を妹のレスカのために使っていることは、一ヶ月も一緒に生活していれば嫌でもわかる話だ。
(レスカをもっと大切にしよう。 俺がレスカに向けるべきは欲情じゃなくて、愛情なんだ……)
ハジメの中に新たな感情が芽生えた。 ある種の諦観からやってきたものだ。 がしかし、これは少なくともハジメがこれまで持ち合わせなかったものであり、ハジメの精神的変化を促す要素であることは間違いがなかった。
▽
「こんな夜中にお呼びたてして申し訳ないですねぇ」
「いえ、大切なお話があるということでしたので……」
エスナは心臓を高鳴らせている。 夜の逢瀬など、御伽噺の世界だと思っていたからだ。 しかしここに来て今は、期待半分、不安半分といったところ。
エスナの今の感情──淡い恋心は、リバーにはほぼ確実に響いていないだろうから。 そして今から語られる内容も、エスナの期待するものではないかもしれないからだ。
エスナは素材が素晴らしく、磨けば光る美人だ。 しかし彼女自身全くそうは思っていないし、単なる村娘という自覚しかない。 迫害され続けてきた人生からエスナ自身が誰かに振り向いてもらえるような人間だとは決して思っていないのだ。 その実、村の男どもからすれば欲望の対象なのだが、村八分という状況は誰も彼女に手が出せない状況を作り上げていた。
「少し長くなるかもしれませんが、構いませんか?」
「は、はいっ……」
語尾が少し跳ねていることにエスナは気がつかない。
「先日私が調査に赴いた時のことをお話しします」
「あ……はい……」
リバーのそれは、エスナの期待する内容ではなかった。 エスナは誰の目にも分かりやすく肩を落としたが、なにもここで全てが終わったわけではない。 まだ彼が村に滞在するのであれば、いくらでもスキンシップは取れる。
(大丈夫、まだ機会はあるわ……)
すぐにエスナは意志を取り戻してリバーの話に耳を傾ける。
「村の皆さんに話した内容ですが、エスナさんは聞き及んでいますか?」
「リバーさんが大怪我をされた、その内容……ですよね?」
「そうです」
「東の山で魔物に襲われた、としか……」
リバーは村人全員にそう伝えている。 その話は巡り巡って、村の輪から離れているはずのエスナの耳にも届いていた。 もちろんその内容のままレスカにも伝わっているわけで。
「そして辛くも魔物を撃退した、そうですね?」
「そう、聞き及んでいます……」
「ですが、事実は異なります。 ああでも言わなければ村人は安心してくれなかったでしょうから」
「えっと、それは……実際は魔物を撃退できなかった、ということですか?」
「いえ、そうではなく、 もう少し複雑な話になりますねぇ」
「……えっと、よろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「リバーさんがそれを私にお話しされるのは、私に関わるお話だからでしょうか……?」
「エスナさんだけでなく、レスカさんにも関わることです。 だから私はその内容がレスカさんに伝わらぬよう、あえて全ての方に作り話を伝えていたのです」
エスナの心臓が跳ねた。 これは先ほどの感情とは異なり、負の感情からやって来るものだ。 言い知れぬ不安感がエスナを包んでいく。
「レスカには聞かせたくない話、なのですね……」
「そうなりますね。 ここまで引っ張ってしまって恐縮なのですが、これ以上聞かないという選択肢もあります」
「それは……やはり厳しい内容の……」
リバーが調査を行なって何を知ったのか。 もしかしたら──いや、確実に両親の死に関わることなのだろう。
リバーは命に関わる体験を経て事実を知った。 そういうことだ。
(知りたい……いえ、知らない方が……?)
リバーが怪我をしてまで調べてくれた以上、聞かないということは大変な失礼にあたる。 しかしリバーはエスナのそんな感情も理解した上で、こういった提示をしてくれているはずなのだ。
(やっぱりリバーさんは優しい……。 だから私はその優しさに報いたい。 それが辛い内容であっても……)
エスナはこれからどんな内容を聞かされても、それを超える感情で耐えられると信じていた。 エスナの恋心は本物だ。 相手がピエロだからとか、そんなことは関係ない。 ここまで親身に接してくれる人になら、どこまでも尽くしたいとさえ思っているのだ。
しかし現実は無情である。 ここから語られる真実は、エスナの精神を不調に至らせるには十分な凶器を備えていたのだから。
リバーとフエンが東の山に向かうのをハジメとレスカが目撃していた。 その話を受けて、村の中では捜索隊が組まれようとさえしていた。 そのまま夜が明けても戻らなければ──ということだったが、なんとか次の日彼らは戻ってきた。
姿を見せたはいいもののリバーとフエンは傷だらけであった。 また南の山から下山してきたこともあって村人の心配は加速した。 なぜなら、南の山は村人が主に利用している採取場でもあったからだ。
戻ってきたリバーの怪我の状況は凄まじく、かなりの重体だった。 リバーを魔導書に載せて運んできたフエンもそこそこの怪我を負っており、一時村の中は騒然となった。
問題はいくつかある。 まず自分達の村に泊めている客が怪我を負ったことが一つ。 そして魔法使いであるはずの彼らが何かに負けて帰ってきたという事実。 それらは村周辺に脅威が存在しているという証明でもあった。
ラクラ村には医療院など治療を請け負う施設が無い。 それは治療が可能な医者が在中していないということと、治癒魔法を使える魔法使いがいないという、二つの理由から生じる事象であった。 では怪我を負ったものはどうするか。
軽症であれば薬草などを塗り込むことで誰でも簡易に処置することができる。 次に重傷の場合、村に常備してある治癒ポーション──高価なため非常事態にしか用いられない──を使用する。 それらの中間ほどの怪我であれば判断を迷うが、その場合は近隣の村に運ぶなどして対処に当たっている。
明らかに重傷なリバーと中等症のフエンという二症例が同時に発生したために、村は対処に追われた。
リバーらが東の山から南の山にかけて探索を行ったということだが、その前提には村長がその活動を勧めたということが明らかになってしまった。 たとえリバーらが勝手にそういった活動をしていたとしても、彼らが客人である以上、村にも多少の責任は生じる。 そういう事情が複雑に絡み合い、問題は深刻化していた。
「村長が勧めたのであれば、その責任を俺らに負わせることは間違っている!」
「それはそうだが、しかし……」
村の共有財産は全て村長が管理している。 村人から上納品や成果物を回収し、それを近隣の街などで金銭に換えるのは村長の役割であり、貨幣としての共有財産も村人の労働の対価だと言える。 つまりそこから購入された治癒ポーションは、村人全員のものだと判断されるわけだ。 それを用いる対象がこの村の人間ならば、まず揉めることはなかっただろう。 誰が怪我したとしても、互助関係にある村人同士なら仕方ないで済む話だったからだ。
しかし今回は話が違う。 怪我したのが村の人間でもなければ、村人の総意で進められた行為による怪我でもない。 勝手に調査を求めたのはリバーたちだし、もし責任を追求するとしても村長個人に対してだろう──そういう民意が出来上がりつつあった。
「ハナからあのような不審な者たちを招き入れなければ、このような事態は起こっていないはずだ!」
「そこに関しても村長の独断で行われたのだから、ますます責任は村長個人にあるのでは?」
至極尤もな意見である。 ではリバーらを無視すべきかと言えば、それも違う。 村人としての意見は高価なポーション使用を躊躇うものだが、根本的な人間としての心情はその逆だ。 だからこそ感情が鬩ぎ合い、議論が長引いているのだ。
一番楽なのは誰かに責任を負わせることで、そうすれば心情的にも理解できるものがある。 要は落とし所だ。 誰も傷つかない落とし所を皆で探しているのが現状だが、どこに落としてもダメージがあるから困るのだ。
「そうだ、今回の責任の所在は儂にある……。 だがリバーさんたちの行動はこの村を慮ってくれたことによるものが大きい。 たとえそれが単純な金銭欲によるものだとしても、村を豊かにするという結果につながる行動だったのは間違いないのだ。 それを重々分かっていて欲しい……」
それは村人たちにも百も承知の事実である。 たとえ村長に全責任をなすりつけたとしても、後を引く感情が生じるのは間違いないだろう。 だから迂闊に答えを見出せない。
「ではこれはどうだろうか。 今回はポーションを皆の総意で使用し、その対価はリバーさんたちから後払いとして求める。 幸運なことに彼らは単純な旅人ではなく行商も行っている。 同等のものを得られるかどうかは不明だが、昨日見せていただいたものの中にも価値のあるものは多かった。 商人であれば信用を第一にするはず。 そう信じて今回は儂に任せてくれないか?」
そう言われてしまえば言い返す言葉はない。 しかしその価値云々も村長の主観によるものなので、どこまで追求すればいいのかは分からない。
結果、これ以上議論を長引かせてしまえばリバーたちの生命に関わるということで、なし崩し的に村長の案が採択された。 不満を抱える者が少なからずいたが、総意ということであれば異論を唱えることができない。
これは狭い村という単位だからこそ起こってしまう事象だ。 誰もが保守的になってしまうからこそ、落とし所が見つからないのだ。 こうして不毛な議論は幕を閉じていった。
数日後の夕方──。
「リバーさんはもうよろしいのですか?」
「ええ。 村の皆さんが私に治癒ポーションを用いてくれたので、今では元気になっておりますよ」
リバーは事件以降、毎日当然のように姉妹の──とくにエスナの元を訪れている。 姉妹との生活に不審者が入り込んでハジメとしては迷惑なことこの上ないのだが、どういうことかエスナとリバーがとても打ち解けあっている。 この状況に、正直ハジメには嫉妬心しかない。 家族を奪われたような言葉にできない感覚は、ハジメの心をモヤモヤさせていた。
(これが俗に言うNTRってやつか……。 心が締め付けられるんだけど、リバーが悪いやつじゃないってのがなぁ……)
リバーは外見が最悪なだけで、話も上手だし色々手解きすら行ってくれる。 ハジメに関しては夜の特訓を見られてしまったことでそこに介入されているし、エスナに関しても魔法の指導をしてもらっている。 それも時間が空いた時に限った話なのだが、何せリバーは旅人という超絶自由人。 ハジメからすれば、リバーは金持ちフリーターのイメージ。 時間も金も持ち合わせている。 だからいつでもどこでも飛んでやってくる。 ハジメはこれが憎々しい。 夜間の特訓を見てくれてさえいるので、感謝と憎さのアンビバレントな感情が相互にハジメを苦しめてくる。
(くそう……こいつが悪いやつなら良かったのにィいいい!)
ハジメは内心で髪の毛を掻きむしる。 今やずっと相手をしてくれるのはレスカだけだ。 レスカも姉を取られた気分のようで、少し寂しげ。
「ハジメさん、今日の私はあなたのお手伝いができませんので、ご了承ください」
リバーがこっそりと言う。
「……?」
「リバーさんは今日お休みをくださいと言っているわ」
エスナが通訳をしてくれた。 ハジメはそれっぽい理解を示し、顔を縦に振った。
特訓のために毎晩ベッドを抜け出していたことで、これまでエスナには不信感を与えてしまっていた。 今はハジメが夜に鍛えていることはすでにエスナにもバレていて、知らないのはレスカだけである。 とにかくよく眠る娘なので助かっている。
リバーは今日も当然のように夕食を姉妹宅で済ませ、宿に戻って行った。
「お姉ちゃん、最近元気になったねー」
「そう? 今までそんなに元気なかったってこと……?」
「うーん、なんだかいつも疲れてたよ」
「そうなのね……。 でも今は、えっと……そうね、ハジメもお仕事を手伝ってくれてるから楽になったんだと思うわ。 私が学校に行っている間もレスカを見ててくれるから、とっても安心なの」
「うんうん、ハジメのおかげだよね! ハジメ、お姉ちゃんが褒めてるよ!」
「えっと……?」
「みんな嬉しいってこと! いししー」
レスカは姉の発言を聞いて満足そうだ。 そんなレスカの様子を見て、ハジメは安心感をもらえる。 やはりどんな生活にも家族は必要だし、その中でもレスカのような純真な娘は不可欠だ。
日本では希薄な家族関係を送っていたハジメに、初めて家族がいるという喜びが芽生えてきた。 それと同時にエスナを取られるかもしれないという不安も。
「今の生活も安心ね」
「でもリバーさん怖いからヤダ!」
「もう、そんなこと言わないの。 色々教えてくれるからとってもいい人よ?」
「でもぉ……やっぱり顔が……」
何故リバーがああもピエロメイクに拘っているかは、姉妹にもハジメにも分からない。 もちろん村人にも分からないままだ。
朝から夕までメイクして肌が疲れないのだろうか。 そんな意味不明な心配までもがハジメの中に湧いてくる。
「いつまであの人うちに来るの!?」
「そんなに邪険にしちゃダメよ。 リバーさんもフエンちゃんが心配で、それを紛らわせるために来てるんだから」
「フエンちゃん、かぁ……。 あの子あたしのこと馬鹿にするから嫌い!」
「レスカ、大人にならないとダメよ? 色んな人と仲良くしなくちゃ」
「でもぉ……」
エスナは自身の変化に気づいていない。 誰かと仲良くなど、これまでの彼女からは生まれてこなかった発想だ。
エスナを変えたのは勿論リバー。 話を聞いてくれる──それも頼り甲斐のある大人の男性ということで、エスナはある種の安心感を得ていた。
「ほら、明日もあるんだからそろそろ寝なくちゃいけないわ」
「はぁーい」
「レスカは今日もハジメと寝るの?」
「うん、そうするー」
「もうお姉ちゃん離れね。 感慨深いわ……」
「なに泣いてるのー? 今日は一緒に寝てあげようか? にししー」
「もう、調子に乗らないの」
夜の整容を終えて、各自それぞれの寝室へ。 今やハジメとレスカはハジメの部屋の一つのベッドで就寝するルールになってしまっている。
「ハジメ、寝るよぉ?」
「分かった」
いつの間にやら、レスカの依存先がエスナからハジメに移行してしまっていた。 レスカにしてみれば兄ができたような感覚なのか、当然のようにべったりと抱き付いてくるが、ハジメにしてみれば毒でしかない。 レスカは歳相応以上にたわわに実った果実を惜しげもなく擦り付けてくるし、なおかつ同じベッドで眠るのだ。 こうしてハジメは毎晩レスカの地獄のような攻めに耐えねばならず、隣の部屋にエスナがいなければ欲情を抑えきれないほどになってしまっている。
村人に俗に言う下着という概念は無い。 レスカも当然それを身につけていない。 が、一応この村には下着概念はあり、ズボンの下にはカボチャパンツのような軽めの下着を付けている。 ところが眠る時のレスカはズボンを脱ぐし、上着も寝間着というか薄手のものに変えている。 そして当然のように着替えをハジメの目の前で行うので、たまったものではない。
これに関してエスナが何も言ってこないのは、ハジメがヘタレだと思っているからだろうか。
寝る前のレスカは色々なことを話してくれる。 ハジメの言語習得のためか、単に話し足りないためか。 恐らくその両方だろう。 これがハジメにはありがたいし、こうすることでレスカに対する愛情は毎日のように深くなる。
「ハジメ、お姉ちゃんの次に好きぃ……」
狭いベッドでほとんど抱き合いながら、レスカが眠い声で言う。 レスカのハジメに対する感情は、家族という形での愛情だ。 決して恋愛感情によるものではない。 それがハジメには分かっているからこそ明確な線引きをして、滾る欲情を夜の特訓で忘れるのだ。
レスカが完全に寝入るまでも特訓だ。 布団で精神を鍛え、外で肉体を鍛える。 ハジメが成長する場は当たり前のように用意されていた。
「フッ……フッ……フッ……!」
今晩もハジメが特訓を続けていると、視界の端で何かが動くのが見えた。
(なんだ……?)
よく目を凝らせばそれはエスナで、彼女は家を出てどこかに向かっているようだった。 それは村の方面であり、ハジメのいる側ではない。 こんな夜中にどういうことなのだろうか。 これに関してはハジメが言える立場ではないのだが、少し気になってエスナを追うこととした。 といっても、ギリギリ見える程度の場所から観察する程度だ。
(あれは……リバーか?)
ハジメは心がシュンとしてしまった。 エスナが小走りでリバーの元に駆けていったのだ。 ハジメははっきりと理解した。
(ああ、これが……)
失恋、というわけでもない。 だがそれに近しい感情がハジメに生まれていた。
(そうだよな……。 これ以上他人の逢瀬を覗くのは失礼だからやめておこう……。 エスナには幸せになる権利がある)
リバーが今日の特訓は難しいと言った理由。 それは、エスナと夜の密会をするためだったのだ。 ハジメはリバーがエスナの心の隙間に入り込んで恋心を弄んでいる姿を想像したが、実際にそのイメージは完成しなかった。
(リバーは単純にいい奴だからな……。 エスナが惚れるのも当たり前で、むしろ幸せになってくれって感じだ)
そうは思うのだが、まだ完全に噛み砕ける感情ではない。 感情とは裏腹にハジメはもう見ていられなかったので、足早にその場を去った。
そこからハジメは無心で木剣を振るった。 ただひたすらに、たとえエスナが居なくてもハジメがレスカを守れるように。
エスナが幸せになるのはハジメにとっても喜ばしいことだ。 もしそうなるのならば、エスナには安心してここを出られるようになってほしいとさえ思っている。
(そのためには、俺自身に強さが必要だ)
ハジメが現在想像している強さとは単純な肉体的な強さなのだが、それはあながち間違っていない。 腕力でもなんでも、守る力に変換できるのならばそれで良いのだ。
(俺がレスカを守れるって分かれば、エスナは安心して自分の人生を歩める)
エスナがその人生を妹のレスカのために使っていることは、一ヶ月も一緒に生活していれば嫌でもわかる話だ。
(レスカをもっと大切にしよう。 俺がレスカに向けるべきは欲情じゃなくて、愛情なんだ……)
ハジメの中に新たな感情が芽生えた。 ある種の諦観からやってきたものだ。 がしかし、これは少なくともハジメがこれまで持ち合わせなかったものであり、ハジメの精神的変化を促す要素であることは間違いがなかった。
▽
「こんな夜中にお呼びたてして申し訳ないですねぇ」
「いえ、大切なお話があるということでしたので……」
エスナは心臓を高鳴らせている。 夜の逢瀬など、御伽噺の世界だと思っていたからだ。 しかしここに来て今は、期待半分、不安半分といったところ。
エスナの今の感情──淡い恋心は、リバーにはほぼ確実に響いていないだろうから。 そして今から語られる内容も、エスナの期待するものではないかもしれないからだ。
エスナは素材が素晴らしく、磨けば光る美人だ。 しかし彼女自身全くそうは思っていないし、単なる村娘という自覚しかない。 迫害され続けてきた人生からエスナ自身が誰かに振り向いてもらえるような人間だとは決して思っていないのだ。 その実、村の男どもからすれば欲望の対象なのだが、村八分という状況は誰も彼女に手が出せない状況を作り上げていた。
「少し長くなるかもしれませんが、構いませんか?」
「は、はいっ……」
語尾が少し跳ねていることにエスナは気がつかない。
「先日私が調査に赴いた時のことをお話しします」
「あ……はい……」
リバーのそれは、エスナの期待する内容ではなかった。 エスナは誰の目にも分かりやすく肩を落としたが、なにもここで全てが終わったわけではない。 まだ彼が村に滞在するのであれば、いくらでもスキンシップは取れる。
(大丈夫、まだ機会はあるわ……)
すぐにエスナは意志を取り戻してリバーの話に耳を傾ける。
「村の皆さんに話した内容ですが、エスナさんは聞き及んでいますか?」
「リバーさんが大怪我をされた、その内容……ですよね?」
「そうです」
「東の山で魔物に襲われた、としか……」
リバーは村人全員にそう伝えている。 その話は巡り巡って、村の輪から離れているはずのエスナの耳にも届いていた。 もちろんその内容のままレスカにも伝わっているわけで。
「そして辛くも魔物を撃退した、そうですね?」
「そう、聞き及んでいます……」
「ですが、事実は異なります。 ああでも言わなければ村人は安心してくれなかったでしょうから」
「えっと、それは……実際は魔物を撃退できなかった、ということですか?」
「いえ、そうではなく、 もう少し複雑な話になりますねぇ」
「……えっと、よろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「リバーさんがそれを私にお話しされるのは、私に関わるお話だからでしょうか……?」
「エスナさんだけでなく、レスカさんにも関わることです。 だから私はその内容がレスカさんに伝わらぬよう、あえて全ての方に作り話を伝えていたのです」
エスナの心臓が跳ねた。 これは先ほどの感情とは異なり、負の感情からやって来るものだ。 言い知れぬ不安感がエスナを包んでいく。
「レスカには聞かせたくない話、なのですね……」
「そうなりますね。 ここまで引っ張ってしまって恐縮なのですが、これ以上聞かないという選択肢もあります」
「それは……やはり厳しい内容の……」
リバーが調査を行なって何を知ったのか。 もしかしたら──いや、確実に両親の死に関わることなのだろう。
リバーは命に関わる体験を経て事実を知った。 そういうことだ。
(知りたい……いえ、知らない方が……?)
リバーが怪我をしてまで調べてくれた以上、聞かないということは大変な失礼にあたる。 しかしリバーはエスナのそんな感情も理解した上で、こういった提示をしてくれているはずなのだ。
(やっぱりリバーさんは優しい……。 だから私はその優しさに報いたい。 それが辛い内容であっても……)
エスナはこれからどんな内容を聞かされても、それを超える感情で耐えられると信じていた。 エスナの恋心は本物だ。 相手がピエロだからとか、そんなことは関係ない。 ここまで親身に接してくれる人になら、どこまでも尽くしたいとさえ思っているのだ。
しかし現実は無情である。 ここから語られる真実は、エスナの精神を不調に至らせるには十分な凶器を備えていたのだから。
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