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第四話

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 これ以上先に進むのは怖いから、と来た道を戻っている途中、ふと上を見上げると、俺に視力と聴覚をくれたコウモリと目が合った。
 ……多分、スライムの俺に目に見えるような目は無いから、一方的なものだと思うけど。

(超音波)

 このままあのコウモリと目を合わせているだけじゃ俺はあれに強奪を発動させることは出来ないし、超音波を使って攻撃することにした。
 多分、不意打ちスキルも発動してくれることだろう。

 案の定と言うべきか、不意打ちスキルが効果を発揮したみたいで、洞窟の天井に逆さに張り付いていたコウモリはそのまま地面に思いっきり落ちてきて、動かなくなった。
 ……倒したってことでいいんだろうけど、これ、亡骸でもちゃんとスキルを奪えるのか?
 まぁ、いい実験にはなるか。
 仮に無理だったとしたら、これはその勉強代だとでも思えばいい。

(強奪)

【種族名バットからスキル、超音波、暗視を強奪に成功しました】

 普通に奪えたな。
 既に持っているスキルも無事に奪えた。
 ……これは、二連続でスキルを使えるって認識でいいのか?

(ステータス)

 実際に試してみても良かったんだが、俺と敵対する魔物がちょうど実験のためにスキルを使ったところで出てきたらクールタイムがあって、かなり不味いからな。……さっきのスケルトンとの戦いはクールタイムのせいで死にかけたし。

 レベル:12
 名前:無し
 種族:スライム
 スキル:超音波Lv2、嗅覚強化、暗視Lv2、不意打ち、打撃攻撃耐性(小)
 ユニークスキル:強奪
 称号:転生者

 俺のレベルが上がってるのは、あれからゴブリンにスケルトン、そして最後にまたあのコウモリ……バットを倒してるんだから、当たり前として、スキルにもレベルの概念があったのか。
 ……なら、最初からレベル1って書いとけよ! 俺がその仕様に気が付かなくて、もう一度奪った魔物のスキルだから~、ってその魔物のスキルを奪わずに無視してたらどうしてくれるんだよ!
 ……はぁ、誰に怒鳴ってんだか。
 少なくとも、転生してからかなり早めにスキルにもレベルがあることを知れたんだから、もういいや。今はそのことを素直に喜んでおこう。

 それで、暗視……はあんまり何が変わったのか分からないけど、超音波の方はどうなんだろうな。
 ……今すぐにでも試してみたいところだが、スキルを使って直ぐに魔物が現れたらヤバいし、無闇には試せない。

 取り敢えず、多分だけど、この辺はバットやゴブリンといった攻撃するまで俺とは敵対しない魔物しか現れないっぽいし、暫くはこの辺で自分自身のレベルやスキルのレベルを上げるか。
 少なくとも、あのスケルトンには楽に勝てるくらいに強くなりたい。
 まだ確定じゃないけど、ゴブリンとバットだけじゃ超音波しか攻撃スキルを手に入れることが出来ないし、超音波のレベルが上がったらクールタイムが短くなって威力も上がることを祈ろう。

 そうして、俺はこの辺りを行ったり来たりして、レベル上げを始めた。
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