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弱体化される最強キャラに転生した男
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「──様」
……なんだ? 誰かが、俺を呼んでる?
「ノヴァ様、起きてください。朝食のお時間ですよ」
……ノヴァ様? あぁ、俺じゃないな。
「ノヴァ様! 二度寝なんてしないでくださいよ」
俺を呼んでいる声ではないと分かった瞬間、俺は開きかけていた瞼を閉じて、もう一眠りしようとしていたんだが、いきなりそんな大声をだされて、目が覚めてしまった。
はぁ、俺はノヴァとかいうやつじゃねぇのに、なんなんだ、この人は。
と言うか、ノヴァって、どこの外国人だよ。
いや、そもそもの話、俺の家にこんなメイドみたいな人がいる時点でおかしいな。
これは夢ってことか。よし、寝よ。夢の中で寝るっていうのはちょっとややこしいけど。
「おやすみ」
「ノヴァ様! レフィーゼ・ノヴァ様! 起きてくださいよ! 早くしないと、朝食が冷めて、私が怒られちゃいますよ~」
だから、俺はノヴァなんて名前じゃ……ん? レフィーゼ・ノヴァ? ……作者の都合で弱体化されてしまった最強の悪役キャラじゃないか?
そう思った瞬間、いても立ってもいられなくなった俺は、ベッドから立ち上がり、直ぐに自分の頬をつねってみた。
「痛い」
「……当たり前ですよ、ノヴァ様。頭でも打ったんですか?」
すると、さっきから、妙にうるさいメイドが呆れたように、そう言ってきた。
ただ、今の俺にはどうでもいい。
「俺の見た目って、どんな感じだ?」
「……やっぱり頭でも打ったんですか?」
「いいから、答えてくれよ」
「……白い髪に、赤い目で、私が子供の頃から仕えてる方です」
……見た目を聞いてるんだが、まぁ、いいか。ちゃんと見た目も答えてくれてるし。
それはともかくとして、俺、ノヴァに転生? 憑依? よく分からないけど、レフィーゼ・ノヴァになってるんだが。
「最悪だ」
「……もう10年以上生きてるんですから、今更見た目に関してそんなこと言わないでくださいよ」
ノヴァというキャラは、正直好きだ。
……ただ、ノヴァは作者の都合で弱体化された挙句、その弱体化イベントがノヴァの闇堕ちイベントも兼ねてて、主人公に殺されるんだよ。
マジで最悪だ。……いくら好きなキャラとはいえ、殺されるキャラになりたいとは思わねぇよ。
「ノヴァ様! そんなことより、早く起きてくださいよ! もうほんとに朝食が冷めてしまって、私が怒られちゃいますよ」
「はぁ」
「なんでため息なんてついてるんですかノヴァ様! 起きてくださいよ~」
そう言って、俺に10年以上仕えているというメイドは俺の体をゆさゆさと揺らしてくる。
そしてその瞬間、部屋がノックされて、部屋の扉が開いた。
「ノノ? ノヴァ様に何を、しているの?」
「あ……め、メイド長……ち、違うんですよ。こ、これは、ノヴァ様が……」
「ノヴァ様、申し訳ありません。今度こそ、私がしっかりと教育致しますので」
「あ、うん」
そう言って、メイド長と呼ばれる女性はうるさいメイド……ノノをひょいと持ち上げて、俺に頭を下げてきた。
……あぁ、この子、ノノっていう名前だったのか。……一応、顔は知ってたんだけどな。
「ノヴァ様、リビングに朝食の準備が出来ていますので、冷める前にお食べ下さい」
「ありがとう。今から行くよ」
「の、ノヴァ様! わ、私の時は全然行ってくれなかったくせに!」
「ノノ?」
「ぁ、め、メイド長……」
そしてそのまま、ノノは俺に恨みがましい視線を向けながら、メイド長に連れられて、部屋を出ていった。
「……さて、朝食でも食べに行くか」
弱体化イベントと闇落ちイベント、そして死ぬ運命が待っているとはいえ、今焦っても仕方ないしな。
それに、俺は作者に今後のストーリーの都合上で弱体化されるほどの最強キャラなんだ。
原作知識を駆使して、それまでにもっと圧倒的に強くなって、弱体化イベントなんか余裕で回避してやるよ。
……まぁ、原作知識さえあれば、今のままでも、弱体化イベントくらい余裕で回避出来そうだけど、やっぱり、男なら圧倒的な最強には憧れるよな。
そう思いながら、俺はリビングに向かった。
……なんだ? 誰かが、俺を呼んでる?
「ノヴァ様、起きてください。朝食のお時間ですよ」
……ノヴァ様? あぁ、俺じゃないな。
「ノヴァ様! 二度寝なんてしないでくださいよ」
俺を呼んでいる声ではないと分かった瞬間、俺は開きかけていた瞼を閉じて、もう一眠りしようとしていたんだが、いきなりそんな大声をだされて、目が覚めてしまった。
はぁ、俺はノヴァとかいうやつじゃねぇのに、なんなんだ、この人は。
と言うか、ノヴァって、どこの外国人だよ。
いや、そもそもの話、俺の家にこんなメイドみたいな人がいる時点でおかしいな。
これは夢ってことか。よし、寝よ。夢の中で寝るっていうのはちょっとややこしいけど。
「おやすみ」
「ノヴァ様! レフィーゼ・ノヴァ様! 起きてくださいよ! 早くしないと、朝食が冷めて、私が怒られちゃいますよ~」
だから、俺はノヴァなんて名前じゃ……ん? レフィーゼ・ノヴァ? ……作者の都合で弱体化されてしまった最強の悪役キャラじゃないか?
そう思った瞬間、いても立ってもいられなくなった俺は、ベッドから立ち上がり、直ぐに自分の頬をつねってみた。
「痛い」
「……当たり前ですよ、ノヴァ様。頭でも打ったんですか?」
すると、さっきから、妙にうるさいメイドが呆れたように、そう言ってきた。
ただ、今の俺にはどうでもいい。
「俺の見た目って、どんな感じだ?」
「……やっぱり頭でも打ったんですか?」
「いいから、答えてくれよ」
「……白い髪に、赤い目で、私が子供の頃から仕えてる方です」
……見た目を聞いてるんだが、まぁ、いいか。ちゃんと見た目も答えてくれてるし。
それはともかくとして、俺、ノヴァに転生? 憑依? よく分からないけど、レフィーゼ・ノヴァになってるんだが。
「最悪だ」
「……もう10年以上生きてるんですから、今更見た目に関してそんなこと言わないでくださいよ」
ノヴァというキャラは、正直好きだ。
……ただ、ノヴァは作者の都合で弱体化された挙句、その弱体化イベントがノヴァの闇堕ちイベントも兼ねてて、主人公に殺されるんだよ。
マジで最悪だ。……いくら好きなキャラとはいえ、殺されるキャラになりたいとは思わねぇよ。
「ノヴァ様! そんなことより、早く起きてくださいよ! もうほんとに朝食が冷めてしまって、私が怒られちゃいますよ」
「はぁ」
「なんでため息なんてついてるんですかノヴァ様! 起きてくださいよ~」
そう言って、俺に10年以上仕えているというメイドは俺の体をゆさゆさと揺らしてくる。
そしてその瞬間、部屋がノックされて、部屋の扉が開いた。
「ノノ? ノヴァ様に何を、しているの?」
「あ……め、メイド長……ち、違うんですよ。こ、これは、ノヴァ様が……」
「ノヴァ様、申し訳ありません。今度こそ、私がしっかりと教育致しますので」
「あ、うん」
そう言って、メイド長と呼ばれる女性はうるさいメイド……ノノをひょいと持ち上げて、俺に頭を下げてきた。
……あぁ、この子、ノノっていう名前だったのか。……一応、顔は知ってたんだけどな。
「ノヴァ様、リビングに朝食の準備が出来ていますので、冷める前にお食べ下さい」
「ありがとう。今から行くよ」
「の、ノヴァ様! わ、私の時は全然行ってくれなかったくせに!」
「ノノ?」
「ぁ、め、メイド長……」
そしてそのまま、ノノは俺に恨みがましい視線を向けながら、メイド長に連れられて、部屋を出ていった。
「……さて、朝食でも食べに行くか」
弱体化イベントと闇落ちイベント、そして死ぬ運命が待っているとはいえ、今焦っても仕方ないしな。
それに、俺は作者に今後のストーリーの都合上で弱体化されるほどの最強キャラなんだ。
原作知識を駆使して、それまでにもっと圧倒的に強くなって、弱体化イベントなんか余裕で回避してやるよ。
……まぁ、原作知識さえあれば、今のままでも、弱体化イベントくらい余裕で回避出来そうだけど、やっぱり、男なら圧倒的な最強には憧れるよな。
そう思いながら、俺はリビングに向かった。
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